『酸素のはなし』

2009-06-11 10:48:32 | 本の話
生徒には勉強を強要するくせに自分ではやらない、
教員とはこんなものかもしれませんが
ご他聞にもれず私も勉強しませんね。

何しろ読む力も記憶する事も、更にはその維持も
ガタガタであります。


三村芳和著『酸素のはなし』中公新書

新書を読む程度で勉強?
なのですがそれでもタマにはお勉強を。

ところがけっこう細かい。
もちろん地球の歴史のように大きな話もありますが。

内容を記憶にとどめることは難しいかも。sigh・・・

「還元的TCA回路・・酸素下で糖を燃やすときに
二酸化炭素が放出される反応がおきるが、この逆の
反応により二酸化炭素を固定する方法だ。
 この反応には電子の放出源(NADH、FADHなど)
が必要となる。水素細胞など無機物をエネルギーとし
酸素を電子受容体として二酸化炭素固定をおこなう
独立栄養生物が主にこの反応をおこなっている」

とか

「VHL蛋白はHIF-1αの水酸化されたプロリンと
結合し、これが目印となって蛋白質分解の標的となり
プロテアゾームという酵素でHIF-1αが壊されてしまう。
VHL蛋白がまともにできないVHL遺伝子異常では・・」

書き写すのもたいへんです。
ほんとうはこの後に大切なことが書いてあるのですが
長くなるので写すのが面倒です。

極端に難しいわけではないけれども、大変でしょう?

今の高校生や大学生はこれを覚えなくてはなりません。
私たちのころは科学もまだ進化していなくて
もっと簡単な内容でしたがそれでも私など苦手な化学的
表現は覚えるのが大変でした。
光合成でカルビン回路なんて出てねえ、たいへんでした。


永田和宏著『タンパク質の一生』になるともっと面倒。
(頑張って少しずつ読んでいます)

これぐらいでネをあげていては学生諸君に
笑われますけれども。

どんどん使っていればそれほど苦労しなくても
どんな難しそうな言葉でも覚えられるものです。
NADH→ニコチンアミドアデニンヌクレオチドとか。  

二段階、三段階に分けて頭に入れればよいものを
訳もわからないまま全てをマル覚えしようとするから
すぐ「剥落」しちゃったのですね。

難しい単語まで一緒に分ろうとするから大変で
大きな流れを理解して、その後で、たとえば
TCAとはトリ カルボキシリック アシドといい
云々 とか理解を深めればよいのです。

少なくとも私はそういうほうが入りやすい。

学校の授業で話を淡々と進められ、試験前にマル覚え
をしてあと忘れる、というより定着しやすいでしょう。

難しい言葉やアルファベットが出てきたら読み飛ばす
気持ちで半分無視して次へゆけばよいのです。

案外おおよそのことが掴めるから不思議。