C57117はお召仕様が発売されましたが、忙しくて予め準備済みの自宅での作業報告アップにかまけて今回は製品の話を忘れてしまっていました。
C57117通常バージョン↓は既に発売され全車お客様の手元にあります。
(通常バージョンはお召仕業終了後、通常の仕業に戻った姿=1211レ牽引時の姿です)
さて、そのC57117を有名機にした蒸機牽引最後のお召列車、第24回全国植樹祭(宮崎)開催時の両陛下行幸お召列車牽引はこんな日程でした。
1973-04-09 第24回全国植樹祭両陛下行幸お召し列車牽引 西都城→宮崎
1973-04-10 お召し列車牽引 高鍋→宮崎
1973-04-12 お召し列車牽引 宮崎→延岡(SLお召し最終)
お召し装備は、
① 煙突やシリンダーブロック、各種機器類に真鍮による飾りが巻かれました
② つかみ棒がステンレス製に取り替えられました
③ 車輪タイヤ部分の塗装が剥がされ、それ以外の鉄部も含めて磨きました
④ 各種プレート類を赤地とされました
⑤ ランボードとテンダー上縁、モーションプレートの縁に白線が入れられました
⑥ ロッド、スライドバーに赤が入りました
⑦ 連結器が銀色(ということは→アルミ色)に塗装されました。
⑧ 機器類の鋳物部分に緑の色差しが入りました
そして車体ですが、磨き上げられただけで上から新塗装を掛けるところまではして居ません。
今回の製品について、まず最初のアクションは五反田工房から見本として1両の機関車上廻りをオーバーコートをしてきて艶の具合の是非を問うてきました。
あれっ? “C57117お召”はそれほど異常な艶ではない・・・とはいえ、もう少し艶が有るのが妥当かな・・・
117お召の写真で直ぐに思いつくのは鈴屋さんのHPです。
その時、このなじみ深い頁が開きませんでした。
慌てて鈴屋さんに連絡を取り、HPは直ぐに復旧したのですが、実はその時資料写真を見せていただくことになりました。
鈴屋さん撮影のお召装備のC57117です。 (ポップアップします)
(緑色の2種類がはっきり判る写真です)
この何枚かの写真で色々な謎がどんどん氷解しました。
例えば走行中の写真から「お召」の札が差されていない事が判りました。
先行していた天賞堂製品は砂撒き管元栓に淡緑の色差しが為されています。
鈴屋さんの写真を見るまでは「お召」時の写真から「無いんじゃないの?」と言うことで‘銀’は入れるが‘緑’無しの予定でした。
鈴屋さんのはっきりした写真で判ったのは、緑色は2色使われていると言うことです。
淡緑;前部暖房管コック、清缶剤送入装置周辺
深緑;それ以外の鋳物部分=逆止弁、砂撒元栓、調圧器、汽笛基部など
そして極めつけはこの角度の写真です。
この写真の複式コンプレッサー部分を拡大するとこうなります。 (ピントぴしゃり!でブローニー判の恐ろしさ此処に在り)
立派な銘板と検査表記が書かれています。
今年5月の〔C61ばんえつ物語号〕山都発車です。
模型資料収集目的でシャッター切りまくりの写真の中にこんな写真がありました。
同じくコンプレッサーアップです。 此処にも銘板が付いています。
やはり鹿児島工場の様です。 (日豊から来た「修繕=鹿児島」ガマにみられる銘板のようです)
すると、ご近所にも日豊のカマが!・・あ、ありますね。
大森のC5766のコンプレッサーです。
銘板のアップです。
調べて段々判ってきました。
コンプレッサーには
TYPE200m/m
TYPE215m/m
の2つがある事、
C57117はTYPE215m/mと表記されていたのです。 (m/mは1文字の記号です)
エッチング製の銘板と鹿児島工場の検査期日のクロマチックレタリングを発注しました。
艶を整え、色差しをした上廻り見本です。
コンプレッサー飾り付けはまだですが機関士側はこんな感じです。
そして完成状態での見本です。
大きくポップアップします。 菊の御紋証は勿論金メッキです。
助士側後上方からの写真です。
“お召”ではない“C57117”のチェック時の写真です。
艶の加減の比較、お召の時には石炭は溢れていません。
兎も角、今回のC57117お召は渾身の力作と成りました。
残念ながら完売しています・・・
制作数を決める時に1ヶ月~3ヶ月は在庫が残る事を理想としているのですがなかなか上手くは行きません。