フェニックスによって組み上がってきたC5795です。
きゅっと引き締まった美人だと思います。
ところが、色々なところにちょっとした問題点が発生し、その部分の修正をお願いしました。
それらの問題点の一端はキット製品そのものが持つ問題点で、IMONのC57キットお買い上げのお客様へも手紙で「説明書の書き忘れ」について手紙を出す事になりました。
小さな問題点;
シリコンチューブ下にほぼ同じ長さで見えている黒い部分、これはギヤボックスと一体で動くウェイトです。
第2動輪は第3動輪と連動するイコライジングになっていますが、第2動輪に載ったギヤボックスの支点が第3動輪中心やや後、台枠に接しています。
ウェイトはこの支点部分を欠き取らざるを得なかったのです。
ウェイトはボイラー最下端の高サに有り、シルエットでボイラーの一部を成しているのですが、この「欠き取り」がシルエットとしてみたときに不自然になります。
対策としては黒くて半艶のテープ或いは薄い何かを接着して視界を塞ぐしかありません。
(実は完成品ではTERAOKAのアセテートテープを貼ることになっていますが、この製品は大きな「巻き」しかないので購入しても一生分以上の量になってしまい、キットの場合のよい解決策になっていません)
(黒く塗った紙・・・少し汚れた色が良い鴨・・・をゴム系で接着すればOKですが)
大きな問題点;
これは、上回りと下回りを一体化するときに電気を繋ぐコネクターの収納位置の指定をしていなかったという点です。
D51ではバックプレート裏側に楽々入っていた「連結状態のコネクター」が、バックプレート裏側に入りきらずにどうしても邪魔になります。
設計の意図としてはモーターの下側、灰箱との間の貴重なスペースに連結されたコネクターを納めると言うことです。
D51キットでは、1.5V定電圧点灯用基板はモーター下灰箱内でしたが、C57では灰箱には収まらず、火室上部に置かれています。
その火室上部、基板の横にコネクターを納める事を企んだのですが、動力伝達のシリコンチューブに何か当たると「元も子もない」のでやはり設計者の意図通り灰箱にコネクターが無難なようです。
コネクターを望む位置に納めるためにはリード線の長さを「それ用に」する必要があります。
動輪は1750mmから少し減った状態としました。
実物の設計図面通りに作るとタイヤ厚が「めいっぱい残った」状態になってしまいます。
工場出場時はそうかも知れませんが、我々が見てきた蒸機とは違う雰囲気のものになってしまいます。
限界の半分よりは多めに残った位が一番良い感じとみてそう言う厚さと直径にしています。
ところで、かつて某社の16番C53は、梅小路のC5345の「タイヤが限界まで磨り減って薄くなった状態」を1750mm÷80で造り、実際にはあり得ないスポークの長さ・・・美化しすぎたC53を売っていました。 実際にはその状態では動輪径は1700mm以下の直径になっていたはずです。
・・・(もっとも車体幅、ボイラー太さ、何故かボイラー長さもぐっと大きかったのでそれはそれでバランスが取れていたかもしれません・・・・1/80からは離れて行ってしまっていますが)
そして↑「見えないオイルレスメタル」が威力を発揮しています。
下から見るとオイルレスメタルはしっかり入っています。
また、各部ゆったり隙間に余裕が有る設計になっていることが判るかと思います。
この角度までひねると僅かにオイルレスメタルが覗いて居ます。