新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

桜桃忌

2009年06月13日 05時25分26秒 | 写真俳句・エッセー

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 今日6月13日は桜桃忌。作家太宰治の忌日だ。

 昭和23年6月13日、太宰治が愛人とともに、玉川上水で入水情死した。

 桜桃の名前は、晩年の短編「桜桃」からつけられた。太宰忌より、桜桃忌のほうが知られている。

 遺体が発見されたのは6月19日。その日は奇しくも太宰治の誕生日でもあった。

 毎年6月19日、三鷹の禅林寺において桜桃忌が修され、多くの愛読者が散会する。

 無頼派とも破滅型とも言われた作家だったが、今もって私は彼の愛読者だ。

 悪評も高かったようだが、私にとっては、生き方よりも文体へのこだわりに惹かれた。

 たとえば、短編集「晩年」の中の「葉」。

 『死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。』

 なんとも言えない抒情が感じられる。

 だからメロメロなのです。

   桜桃忌勢ひで呑む昼の酒   鵯 一平

 別館として、写真俳句ブログ「いのちの囁き」を開いております。

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コメント (11)
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