今日6月13日は桜桃忌。作家太宰治の忌日だ。
昭和23年6月13日、太宰治が愛人とともに、玉川上水で入水情死した。
桜桃の名前は、晩年の短編「桜桃」からつけられた。太宰忌より、桜桃忌のほうが知られている。
遺体が発見されたのは6月19日。その日は奇しくも太宰治の誕生日でもあった。
毎年6月19日、三鷹の禅林寺において桜桃忌が修され、多くの愛読者が散会する。
無頼派とも破滅型とも言われた作家だったが、今もって私は彼の愛読者だ。
悪評も高かったようだが、私にとっては、生き方よりも文体へのこだわりに惹かれた。
たとえば、短編集「晩年」の中の「葉」。
『死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。』
なんとも言えない抒情が感じられる。
だからメロメロなのです。
桜桃忌勢ひで呑む昼の酒 鵯 一平
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