新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

梅雨寒

2008年06月14日 06時57分43秒 | 俳句

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 季節の巡りは早い。

 もう梅雨も半ばになった。

 この季節になると思い起こすことがある。

 昔々のことだが、部下(M君)の失踪事件があった。

 ある大きな会議をM君に仕切ってもらう準備をし、その当日の朝、M君は出勤してこなかったのだ。

 もちろん、家族に連絡をとった。奥さんの話では、通常通りに家を出ている。

 その日も次の日も、M君は姿を見せなかった。家にも帰っていない。

 夫婦と3歳ほどの男の子の3人暮らしだったが、奥さんは途方にくれた。ご両親も大騒ぎ。

 仕事が苛酷過ぎたのではないかと、ご両親や奥さんから責められた。しかし、従来のM君は、なんの問題もなく処理できていたのだ。

 幾度も幾度も、私はY市にあったM君宅を訪れた。

 奥さんにも思い当たることはなかったようだ。私にもなかった。

 M君宅から帰る私を、雨は容赦してくれなかった。あたかも、「お前の責任だ!」と責められている感じを受けた。薄ら寒い夜で、「梅雨寒」であった。

 夜の10時過ぎ、家に戻るために電車に乗った。窓から見る家々の灯が、とても温かく感じたことを、今でも覚えている。

   梅雨寒や家々の灯の懐かしき   鵯 一平

 警察の力を借りようと申し出たが、家族は応じてくれなかった。なぜ応じてくれなかったのか、今でも分からない。

 一定期間以上の無断欠勤となるので、ある日を期して、M君は解雇された。

 後で聞いた話によると、何ヶ月か後、M君と奥さんの姿を見た者がいたらしい。

 夫婦の狂言だったのだろうか。 人間とは分かりにくい面を持っている。

 露草がしっとりと咲く季節のほろ苦い思い出だ。

 これから恒例の外出。

 今日もまたラチもない愚痴ばなし。お付き合いをいただいてありがとうございました。

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コメント (18)
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