新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

何よりも痛かった!

2008年06月13日 10時10分13秒 | コラム・エッセー

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 写真はキツネアザミ。蕾を真上から撮りました。

 私だったら、頭のテッペンは見られたくありませんね。髪の毛がうら寂しい状態になっているからです。うら寂しいなんてもンじゃない。今の私は、そんな状態をとっくに通り越している。

 この蕾たちは、従順に撮らせてくれました。真上を見上げ、私を睨んでいたでしょうか。

 天井が鏡状になっているエレベーターがありますね。あれはひどく落ち着かない。

 天井を見ると、ほかの人の頭の上部も、包み隠しなく見えています。

「上手に隠したってダメだよ。すっかり薄くなっているじゃないの!」

 もちろん言いはしませんが、そんな頭が幾つも見えたりします。

 日頃尊大な態度の人には、治療効果のあるエレベーターかもしれませんね。

 エレベーターに乗る前は、目一杯胸を反らせて、あたりを睥睨するようにしていた重役風も、エレベーターを降りるときには自信を喪失し、目を伏せながら降りていく。

 重役室が多い上階に行けば行くほど、目を伏せる人が多くなる。

 でもこれでは、会社の業績にとって、良くないかも知れません。

 反対に、足下が透明になっている橋や丸太の吊り橋などは、至極足元が覚束ない。

 覗き見られそうで薄気味悪い。いや、そんな感じではない。覗かれることなどどうでもいい。吸い込まれそうな底知れない恐怖感があります。

 男性と女性では、受け止め方が違うかもしれません。

 それに私は、どちらかと言えば高所恐怖症気味。高いところへ上がると、肛門付近がムズムズし、肩に震えがくる。

 高いビルの屋上も、あまり得意ではない。

 コンクリートで囲まれているのならいいのですが、フエンス状で囲まれている屋上は苦手。

 高層ビルの最高階の部屋は好きです。たとえばスカイラウンジなど。これは安心です。

 人間関係や仕事関係で、ひどく落ち込んだりしたとき、高層ビルの窓辺は、私にとって癒しの空間になりますね。

「人間、あんなちっぽけな存在じゃないか。そんな存在同士の失敗や諍いなんて、広大な天地からすれば、取るに足らない泡粒みたいなもの。チイセエー、チイセエー」

 それで悩みが軽くなります。これは実験済みです。結構な効果がありますよ。

 それ以上に効果があるのは、海を見ることです。

 波止場ではなく、広い砂浜のほうが抜群ですね。

 私の生まれ在所は太平洋の海岸です。

 高校3年生の時。コワイモノ知らず時代の生意気盛りでしたから、つまらない諍いも多かった。

 ある日の汽車の中、3人のチンピラに囲まれ、ボコボコにされたことがありました。鼻血は出るし、目は腫れるしで、さんざんな目に遭わされました。

 痛かったこともありましたが、何よりも口惜しかった。殴られっぱなしだった自分も許せなかった。だから、胸ン中はブツブツと泡立っており、家に帰る前に鎮める必要がありました。

 第一、そんな顔では、みっともなくて家に帰れなかった。

 しばらく海岸に寝ころんで、広い海を眺めていました。もう夜でしたから、水平線は見えませんでした。ザザーッザザーッと寄せ返す波の音。白い波頭。

 おのれの愚かさやちっぽけさを思い知らされました。

 家に帰ったら、母親に泣かれました。

「そんな子供に生んだつもりはない!」 

 この言葉が、何よりも痛かったなア。

 つまらない繰り言を並べたて、恐縮でした。

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コメント (24)
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