新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

風光る

2008年04月30日 07時44分47秒 | 写真俳句・エッセー

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重き荷を降ろせし思ひ風光る

 遅きに失した話だが、昨日は「昭和の日」であった。

 以前は、昭和天皇の誕生を祝って、「天皇誕生日」の名称で祝日としていた。

 しかし、昭和天皇が昭和64年(1989年)1月7日に崩御されたので、以降は「みどりの日」という名称に変えて、祝日としてきた。

 その後、種々の論議を経て、平成19年(2007年)から「みどりの日」を5月4日に移し、4月29日を「昭和の日」とした。

 そのことによって、ゴールデンウイークがさらに拡がりと厚みのある感じとなった。

 昭和の時代をどう思うか。それは人それぞれであろう。

 昭和ひと桁世代の私としては、「祝う」か「記念する」か,あるいは「反省する」かは別の議論として、あの激動の「昭和」の名称は残してほしかった。

 国民祝日として制定するためには、「祝う」か「記念する」ものであるらしいのだが、「反省する」があってもいいではないか。

 昭和30年台までの日本は、激動と苦難の「昭和」であった。そんな過去を、消し去ることはできない。

 むしろ、その「激動と苦難」の時代に思いを馳せ、反省のよすがとすべきではなかろうか。 

 私は戦争に駆り出されはしなかったが、悲惨な時代の真っ直中を生きてきた。

 次世代の人たちからすれば、先輩たちの失敗に対し、憤懣やるかたない思いもあろう。

 しかし、昭和を貶しこき下ろしてみても、時代の針は戻らない。

 一部には、「天皇責任論」もあって、「退位すべきではなかったか」と主張した人もいた。

 天皇ご自身の胸の内は伺いしれない。

 日本国民を戦争に巻き込んだ張本人は、一体誰だったのだろうか。

 やはり、時代の「空気」ではなかったのか?

 空気を煽ったのは軍部官僚とマスコミ。愚かにもその煽りに乗せられ、戦争への道を走ったのは、国民自身だったように思える。

 政治家はどうしたのだろうか。オロオロしていたに違いない。

 今も同じ。官僚制度の中で、操り人形みたいな政治家。

 国民に痛みを押しつける前に、無駄を生産している制度の疲労を、叩き直すべきなのに。

 戦争への道へ国民を突っ込んでいった犯人は、「空気」だったのだ。

 すでに亡い先輩たちの思いは、どんなものであったろうか。

   重き荷を降ろせし思ひ風光る   鵯 一平

 うららかな風わたる春の日の柔らかい光。まるで風が明るく光っているようだ。

 「風光る」は春の季語。

 

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コメント (15)
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