沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

12歳 真夏の大冒険@福岡(後編)

2022年08月27日 | 県外 8 Scene

 愛息10郎が挑戦した某プロ野球団のジュニアチーム選考会の2次選考会に参加してきました。700人から選抜された100人をさらに30人に絞るという狭き門に果敢に挑んだ10郎ですが、残念ながら最終選考に残ることはできませんでした(泣)。やはり、2、3年かけて準備してきた子がいっぱいおり、レベルが高かったですね。でも49歳8郎としては、息子とともに夢を追った、とても楽しい夏の旅だったので、満足感でいっぱいです! 早速ご報告いたします。

 往路のANA機から撮影。いつ見ても「どこに行こうが必ずこの島に戻ってくるぞ!」と郷土愛に突き動かされる光景です。沖縄に生まれてよかった~。10郎にもそう思ってほしいな。

 10郎がまだ1歳のときに旅した与論島もきれいに見えました。あまりに美しいヨロンブルーに、窓を開けてダイブしたくなりました(これから息子の大事な試験あらに!)。

 天気もよくとても美しかった窓からの光景を動画にしました。編集もほぼしていない切り取り垂れ流しコンテンツですが、お暇な方は45秒間の空旅をお楽しみください。一応BGM付です。

 福岡空港から地下鉄で博多駅に到着。乗り換え快速の切符を買うのに、結局、沖縄にいる母ちゃんに☎してしまった方向音痴父子です(笑)。宿泊地である羽犬塚(はいぬづか)駅へ向かいます。10郎がかぶるのは1次試験のさいに購入していたソフトバンクホークスのキャップです。おっしゃれ~。

 羽犬塚駅に到着。地名の通り、背に羽根がついた謎の犬の銅像がありました。

 謎の犬について興味のある方のために、筑後市観光協会の説明を転載しておきます。

 地名の由来になっている羽犬伝説には、豊臣秀吉が九州遠征の際にこの地で羽の生えた怪犬に出くわし、退治して塚に葬ったという説と秀吉の愛犬(羽の生えたように速い犬)が病死したため塚を立てて弔ったという2つの伝説が伝えられています。

 だそうです。

 ホテルは「エルモント」というヨーロッパ風のミニホテル。さらにその向かいの、アーティストの作品が飾られているという別館に案内されました。芸術と言われても、選考会前日の8郎父子にとって、そんなのカンケーねぇ!(笑)。しかも芸術性を重んじるためかテレビもありません。

 壁に飾ら得た絵画はそれなりに味がありました。温かいような、さみしいような、怖いような・・・でもやっぱり選考会前日なので、そんなのカンケーねぇ!

 早速2人で近くの公園に移動し、キャッチボールをしました。自分の人生で、県外の初見の地の公園で息子とキャッチボールをする日が来るとは思いもしませんでしたね(ほとんどの父子がそうですよね。笑)。10郎のコントロールは不調でした。バッティングは大丈夫なので、コントロールと守備が課題だという共通認識を持っていました。本番までになんとか少しでもコントロールの精度を高めようと決めていたのですが、特効薬なく不安なまま練習終了。

 遅めの昼飯。近くの中華そば屋に入りました。初老男性が一人で切り盛りしていました。

 豚骨の中華そばでした。見た目より薄味でしたね。10郎は「あんまりおいしくない」とポツリ(大将、すいません!)。写真には写ってませんがギョーザはあっつあつでおいしかったです。

 ホテルに戻り、シャワー。最近色気づいてきた12歳。ドライヤーを使って髪型を整えます。ラスベガスの高級ホテルに宿泊しているハリウッドスターのような後姿です。最近よく「お父さんみたいなハゲチャビンにはなりたくない!」と主張します

 中華そばを食べたばかりなので、夕飯は軽めに。駅の軽食屋で買った総菜です。なぜか缶ビールはロング。

 その日は旅の疲れもあり、ぐっすり眠ることができました。未明には雷が鳴るほどの大雨でした。

 さぁ、本番当日、午前6時に起床。早速、昨日の公園に出向き、ピッチング練習です🔥

 前日から迷える息子を前に、父は大勝負に出ました。

 

 「お父さんが構えたここにドンピシャで投げ入れたら1万円💴くれてやる!」

 

 そうです。金で釣ったのです(爆)。

 効果はてきめん。次の球は、あやうく1万円を払うことになりそうなところにバシッと来たのです! 8郎は内心焦りながら「惜しい!そうだ!投球は守りじゃない。自分で攻めて取りに行くんだ!」と呼び掛けました。それからはほとんどがストライクコースに決まりました。 

 本当に1万円を払うことになったら大変(この旅でさらに1万円はきつい)なので「前日に肩を消耗しないよう、そろそろ終わりにしよう」と大人の事情で練習を終えることにしました。10郎は1万円をもらえなかった不満こそあるものの、ストライクを取る感覚を得たようで、表情にも満足感が見えました。よかった!

 さぁ、朝飯を食べて決戦の地へ移動だ。ホテルのフロントのお姉さんは優しくてとても愛想のある方でした。朝飯も和洋選択でき、おいしかったです。エルモントさん、テレビはないけど(まだ言う)快適な宿でした。お世話になりました。羽のある犬の像がある地に用事のある方はぜひ! 

 一駅だけ電車に乗って、筑後船小屋駅という長くて珍名の駅に到着。そこから歩いて3分で某プロ野球団の2軍スタジアムがあるのです。先日の1次選考会に次いで再び訪れた10郎。誇り高く記念写真! 俺は帰ってきたぞー!

 

 受付で支給されたビブスの番号は106。「まさにジュ―・ローだな!」と2人で無理やり縁起をかつぎました。参加する野球少年たちは大きかったですね。170㌢超えも数人いました。190㌢の父親もいました。負けんな、われらがウチナンチュボーイ!

 と、勢いづけて臨んだ2次選考会ですが、冒頭にお伝えしたように涙の落選でした(1週間後に球団公式サイトで公表)。早朝練習のかいもあってピッチングテストはよかったのですが(ただ1球だけフェンスを超える大暴投!しかも監督の目の前で!)、最大の強みであるバッティングテストで大きなアピールができませんでしたね(一番えぐいスイングをしていただけに残念です)。なので、詳細をここに書くことはしません。その代わり選考会の模様を動画でアップしておきます。スマホ画像なので画質が悪いことをご了承ください(ビデオカメラも持っていったのですが、撮影する場所がネットの目前。ピント合わせの関係でスマホのほうがよかったためです)。

 では、12歳10郎の奮闘をどうぞ!

 選考会終了後、先にグラウンドを出た10郎に8郎が追いつくと、ほかの少年2人と楽し気におしゃべりをしていました。なんと相手2人とも沖縄の子でした。互いに初見だったようですが、ユニフォーム袖の沖縄県章やイントネーションでウチナンチュだと分かったのだとか(笑)。2人とも「バッティングが全然だめだった」と不満げでしたね。8郎も2人の父親とも交流、情報交換ができ、とてもいい経験となりました! ウチナンチュ野球少年たちよ、これからも切磋琢磨していってほしい。

 帰りは豪華に新幹線!(時間がないので)。駅で先のウチナンチュ父子と、さらに別の父子と遭遇。結局ウチナンチュ3組と顔を合わせたことになります。選考会のライバル同士ではありますが、ウチナンチュと言う意味では同士でもあります。海を渡った挑戦を互いに讃え、別れを告げました。10郎もライバルたちと「また美ら島リーグ(卒業前に県内の選抜組で構成するリーグ)で会おうぜ」と約束していました。別れにちょっと寂し気な10郎です。突然の出会いがあればあっという間の別れもある。それが夏だよ! 

 帰路の新幹線でも地下鉄でも、自慢の打撃が振るわなかったことを10郎が悔しがっているのは重々承知していました。ピッチングの好調さをもみ消すくらいの悔しさだったと思います。でも、親の身勝手ではありますが、父としてはすべてが楽しかったです。挑戦することすら許されなかった幼少時代の自分の夢を、今息子が体験してくれている、という感慨もあったかもですね。

 空港のレストランで2人反省会。父は「ストレートは最高だった。バッティングは他のみんなもよくなかった。守備含め最後まであきらめずに攻めの姿勢はよかった」と褒めてあげました。大きな悔しさとほどよい達成感(この時点で合否は分かりませんので)に翻弄される息子の顔を見ながら飲むビールは最高でしたね(笑)。息子よ、夏の思い出をありがとう!

 以上、12歳 真夏の大冒険 のてんまつでした。1週間後に判明した落選はもちろんショックでしたが、息子のひと夏の挑戦🔥を間近で見ることができたことは、8郎にとって一生の思い出、宝物となることは間違いありません。お金はそこそこかかりましたが、後悔などあろうはずもありません!(byイチロー)。ホント、楽しかったです!

 もちろん息子にとっても大きな経験となったはずです(それが今回の狙いでしたから)。経験値とは野球のスキルだけではありません。高いレベルで頑張っている同世代の存在を知ったというメンタル的な経験値ですね。8郎は息子に井の中の蛙🐸だけにはなってほしくありません(知らなかった、というのは人生最大の損だと思っています)。勉強してほしい、たくさん本を読んでほしい、というのはそこですね。人生には、経験だけでは乗り越えることができないことがたくさんあります。知らないまま生きるより、勉強して、本を読んで、たくさん知っておいたほうが絶対にいい。8郎が息子に伝えたい人生訓です。それを野球、そして今回の選考会を通して体感してくれたはずだと思います。

 

 さて、前後編の2回にわたってお伝えした12歳の大冒険は上記のような結末となりましたが、2022年夏、野球の神様は10郎にさらなる興奮をクライマックスとして用意してくれていました! 野球の神様、あなたは本当に存在するのですね!

 その記録を当ブログでなるはやでアップするために今日はこれにて。