JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

到達を目指す75才

2005年09月09日 | p-r

今日は、隣組で御不幸があったので、午後からお手伝い、今戻ってきました。

今日の朝日新聞文化面に「ジャズは抵抗そのもの」と題されたソニー・ロリンズのインタビュー記事が掲載されていましたので、紹介させて下さい。

--ジャズの神髄は、いつも新しく、いつも変わっていることだ。空を見上げれば雲がある。どれも同じ形はない。常に変わっているけど、いつもそこにある。--

そうなんですよね、私みたいに50年代60年代に固執するジャズ好きは、本当のジャズ好きとはいえないのかも知れません。バードがそれまでとは全く違う演奏を始めると、「これは、ジャズではない」との批判が飛び交いました。ジャズとは、常にそういった批判のなかから生まれ出てくる新しいものなのかも知れません。

--自分にとってジャズとは、人間が神に近づこうとする仕業だ。新鮮で心が弾む曲を即興で創造する。ルイ・アームストロング、マイルス・ディビス、ジョン・コルトレーン・・・・。彼らは演奏しながらひらめきを感じていた。自分も同じだ。「なぁソニー、音楽がなかったら、面白いことなんかあるか」とセロニアス・モンクは、よく話しかけてきた。「そうだよ。その通りだ」と答えていた。--

演奏はできないけど、私も音楽がなかったら、面白いことなんてなんもありませんもん。それにしても、新鮮で心が弾む曲を即興で演奏できたら、どんなに素敵でしょうか。

--振り返れば、ジャズは抗議運動そのものだった。第2次世界大戦から帰国した黒人兵は、米国での自分たちの待遇が捕虜のドイツ兵以下だと気づいたんだ。黒人音楽も「見せ物」扱いだった。--

ジャズが「見せ物」から脱却したのは、そんなに昔の話ではないのですね。いまだにくすぶり続ける人種問題、ニューオリンズの惨事を見るにつけ、考えさせられます。
日本好きのロリンズですが、亡くなった奥さんと「長旅はもうおしまいにしよう」と約束をしたそうで、10月11月の来日が最後になるそうです。

--サックスを吹くのは今は1日2時間くらい。アルバムはたくさん出したが完璧だと思ったことはないね。到達したい演奏を目指してまだ練習している段階だ。人生と同じで、できるかどうかわからないが、精いっぱいやってみることだ。--

と締めくくっていました。「できるかどうかわからないけど、精いっぱいやってみる」これが一番難しいことなんですよね。
75才ソニー・ロリンズ、彼はやっぱり素敵なジャズ・ヒーローでした。

今日の一枚は、「サキコロ」ではなく、「ウエイ・アウト・ウエスト」を選ばせていただきました。I'MAN OLD COWHAND の「テケタカ、テケタカ」という出だしが、なんとも私は好きなのですが

WAY OUT WEST / SONNY ROLLINS
1957年3月7日録音
SONNY ROLLINS(ts) RAY BROWN(b) SHELLY MANNE(ds)
1.I'M AN OLD COWHAND
2.SOLITUDE
3.COME,GONE
4.WAGON WHEELS
5.THERE IS NO GREATER LOVE
6.WAY OUT WEST

追伸、
先週はおとなしくしていた金曜日ですが、今日は高校時代からの友人2人と飲みに出かけてきます。「我が酒道に、今だ到達点は見えず」といったところです。