JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

悪癖を絶つ

2005年09月29日 | v-x

海上自衛官の大麻汚染が公になり、警察官と車の中で立ち回りをした双子の犯人も覚醒剤反応があったとか。
人間、大なり小なり悪癖は持っているものかも知れません、例えば私の「酒・タバコ」これはまさに悪癖でしょう。ですから、説得力にややかけてしまいますが、それでも、薬物がらみの悪癖は、いただけたものではありません。

昔からのことではありますが、どんなに当局が努力をなさっても、あんがい安易に手に入る現状は、私の耳にすら入ってくることがあります。最悪の悪癖を防ぐためには自己のしっかりした考えで、個人個人が防衛していくことが肝心なのかも知れません。

今日はへんに真面目な出だしになってしまいましたが、今日のアルバム前後のコルトレーンを知るとき、考えざるえないことでした。

1956年10月のプレステッジ最後の録音(マラソン・セッションです)後、コルトレーンは一度マイルス・グループをクビになります。失意の内にフィラディルフィアに戻った彼はレジー・ワークマンの忠告もあり、悪癖に別れを告げるべく自宅にこもりました。
一時は絶ったと思われた悪癖でしたが、ヨーロッパから戻ったマイルスが再編したクインテットに加わり、全米ツアーを行っている間にまたしても悪癖に染まってしまいます。
結局、フリー・ジョー・ジョーンズとともにマイルス・グループをまたもクビになってしまったのでした。
「カフェ・ボヘミア」の楽屋で、たまたま来ていたモンクを前に、マイルスがコルトレーンを殴りつけ、クビを言いわたしたとか?

1957年4月9日プレステッジとの契約を行ったコルトレーンは、再度悪癖断ちに挑戦、ついに悪癖を追い払うことに成功します。
16日にはモンクとリバーサイドへ(「THELONIOUS HIMSELF」)
18日にはトミーフラナガンと(「THE CATS」)
19日にはマル・ウォルドロンと(今日紹介アルバム、「THE DEALERS」)
20日にはプレステッジ・オールスターズで(「DAKAR」)
3日連続でスタジオに通い詰めました。

そして、5月31日初のリーダーアルバム「COLTRANE」を録音、ライブではモンクとの半年間にわたる「ファブスポット」での演奏へと続いていきます。
(「ライブ・アット・カーネギー・ホール1957-セロニアス・モンク・カルテット・ウィズ・ジョンコルトレーン」注文しちゃいました、楽しみ)

まったく、薬物の誘惑とはなんとも恐ろしいものです。マイルスですら何度断ち切ろうとし、失敗したことか

大なり小なりある悪癖でも、自己処理のできるものでとどめ置くことを心がけましょう。

と言うわけで、今日のアルバムは悪癖断ちを強く決心したコルトレーンが、録音に没頭した3日中日の記録です。

MAL-2 / MAL WALDRON
1957年4月17日録音
MAL WALDRON(p) JOHN COLTRANE(ts) JULIAN EUELL(b)
BILL HARDMAN(tp) JACKIE McLEAN(as) ART TAYLOR(ds) 2,5,6
IDREES SULIEMAN(tp) SAHIB SHIHAB(at,bs) ED THIGPEN(ds) 1.3.4
1.FROM THIS MOMENT ON
2.J.M.'S DEREAM DOLL
3.THE WAY YOU LOOK TONIGHT
4.ONE BY ONE
5.DON'T EXPLAIN
6.POTPOURRI

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2 コメント

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確かに真面目な話で良いですね。 (ウフフマン)
2005-09-30 23:47:52
最終的にコルトレーンが薬物を離脱するのに、どのような方法をとったか知らないのですが、なかなか難しいことでしょうね。物質依存はプロセス依存より、嵌ると怖いようですし、意志ではどうにもならないところがあると聞きます。パチンコ、買い物、女性?依存などは、離脱する時の体の異常はでないようですが、薬関係とかアルコール、ニコチンは、やばいでしよね。DON'T EXPLAIN!ですね。やばいことが好きなのは男の好奇心の遺伝子の為なのかな。マル2

良いですね。好きであります。
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ウフフマンさん (バブ)
2005-10-01 15:47:04
コルトレーンにしても、マイルスにしても、強い意志が薬物をやめさせてくれたのでしょうね。

私みたいな意志薄弱では不可能、というより、薬物はやるべきでないということですね。



再三のことですが、タバコの本数を減らす努力をしております。
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