JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

冊子に時代を見る

2008年06月24日 | s-u

ジャズのブログのはずが、何だか最近何のブログだか分からないようになってしまっています。これも、大量に持ち込まれたLPレコードのせいではないかと思っているのですが・・・・

 ♪ あなたに贈る 千羽鶴 かぞえながら 夜が明ける ・・・・ ♪

中沢厚子の「千羽鶴」という歌ですが、ご存じでしょうか?
中沢厚子といえば、森山良子とならび称されてた期待のフォークシンガーでありましたねぇ。あの頃は、澄み切った高音の女性ボーカルがもて囃されていて、彼女もそんな一人でした。って、私よりずいぶん年上でいらっしゃいますから、そんな物言いもないでしょうけど。

えっ?何故に突然中沢厚子かって?
別に録音を頼まれたLPの中に、彼女のアルバム「あなたが母を愛したように あなたが父を愛したように」があったからというわけじゃないんですよ。
じつは・・・・ほら、「吉田拓郎のアルバムがほとんど揃ってるんじゃないか」って言ったじゃないですか、一日一枚程度の録音で気長にやろうと思い、(だって、ジャズを聴く暇が無くなっちゃうもん...笑)まずはファースト・アルバム「青春の詩」を録音したわけです。

ご存じ、このアルバムには、「青春の詩」をはじめ「今日までそして明日から」「雪」「イメージの詩」といった、私など未だに歌詞カードも見ずに歌える名曲が収録されているんですけど、その中の一曲「男の子女の娘」という曲がありまして、

 ♪ 女の娘 女の娘 愛を信じない あなた
   男の子 男の子 遊びだけの あなた ・・・・ ♪

いやぁ、この曲を聴くのは何十年ぶりでしょうか。
ご存じかとは思いますが、じつはこの曲、オッサンが大好きなデュエット曲なのでありまます。(もちろん、カラオケで美人ママに「ママぁ、いっしょに唄ってよぉ」てなこといってこの歌を唄っているオッサンは、見たことも聞いたこともありませんけど)
そのデュエット相手が中沢厚子なんです。

なんとも懐かしい歌声に、ついつい「千羽鶴」まで思い出してしまったというわけです。
そんでもって、何気にネットで検索をかけてみると・・・・・
なんとあ~た、音楽活動を再開されて、現在また、唄っておられるというじゃありませんか。
オフィシャル・ページもありましたので、紹介しておきますね。
http://music.geocities.jp/atsuko_nakazawa_song/

いやいやいや、中沢厚子も懐かしいんですが、
この「青春の詩」のジャケットを開いて、あの頃、猫も杓子もギターを抱えた元凶を見つけました。(笑)

それはレコードに付いてきた、この冊子なんです。
なんと、全曲の歌詞はもちろん、簡単な譜面まで載っていて、もちろん、その後でレコードを聴きながら耳コピーとなるわけですが、
「♪ 私は今日まで生きてきましたぁ~~」
っと、失礼しました。こうしてただギターをかき鳴らしながら歌うには、これ一冊で充分なのでありますねぇ。

思えば、カラオケなど無い時代、バカ者ども(もちろん私も含め)の歌いたい衝動は、現代にも負けなかったのかもしれません。
そして、「ギターが弾けると女の子にもてる」てな下心を胸に、ギターをかき鳴らす毎夜。結果は「ギターが弾ける弾けないにかかわらず、もてる男がもてる」ではありましたし、自己流の下手なギターじゃ何の役にもたたず、今じゃちょっと弾いて唄ったりすると「うるさい!」と怒られる始末ですから・・・・おっと、愚痴はなしなし(笑)

ともかく、みんながギターを手にした時代を、1970年の秋に発売されたこのレコードと、おまけの小冊子に見た思いでした。
(この「青春の詩」は、CDでも再発されているようですが、小冊子は・・・・まさか、付いてませんよね?)

さて、頭をジャズに戻しましょうか。今日の一枚は、アーチー・シェップです。
「シェップは嫌い」と言いつつ、けっこう紹介してきましたよねぇ。
以前に「STEAM」を紹介したときだったでしょうか、「FORCE」のときだったでしょうか、ともかく、1974年前後に変貌を遂げていったシェップのお話をしたかと思います。

嫌いであったからこそ敏感なところもあったのでしょうけど、雰囲気の変わったシェップを何故か伝えようと「FORCE」片手に田舎へ戻り、何人もの人間に聴かせまくったことがありました。
おおむねの反応は「やっぱダメだな」(笑)
たしかに「FORCE」を聴いて「シェップが変わった」なんて思ったのは、私くらいなのかもしれませんけど、腹が立ったのは、その後田舎へ戻ったら
「このアルバム良いだろう、これがあのシェップだよぉ」
と、今日のこのアルバムを聴かされたことでした。
「だから、シェップは変わったって、「FORCE」聴かせたジャン」みたいな(笑)

40才を迎え、何となく何かを感じたのか、間違いなく変貌をとげたシェップは、スタンダードをじつにメロディアスに聴かせる時期を迎えます。
じつに聴きやすくなったアーチー・シェップ、これって、当時のシェップ・ファンにとってはどうだったんでしょうね?
私は、流れのままに出るアルバム出るアルバムを聴いてましたけど・・・・・
あまりに一般ウケだけを狙ったようなアルバムが続くと、どうも商業的云々が見え隠れして、いつしか以前以上に離れた存在になったのも確かです。(一連のケニー・ドリューのアルバムなんかにも同じ匂いを感じたりしますけどね。笑)

でも、そんな事を考えずに、素直にシェップのスタンダードを聴くのも、それはそれで良しとしましょう。

DAY DREAM / ARCHIE SHEPP
1977年6月31日録音
ARCHIE SHEPP(ts,ss) WALTER DAVIS(p) EARL MAY(b) PHILLY JOE JONES(ds)

1.DON'T YOU KNOW I CARE
2.CARAVAN
3.DAY DREAM
4.SATIN DOLL
5.I GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD
6.PRELUDE TO A KISS