JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

優しさが欲しい

2008年06月16日 | d-f

今朝早く近所の母の友人が電話を貸して欲しいと訪ねてきました。
「うちの電話通じないのよぉ、何処に修理の連絡していいもんだかも分からないし、ともかく息子に連絡しておこうかと思って」
先日御主人が亡くなられたばかりで、息子さんもご実家にはおらず、今は一人住まい、
「箱が三つつながってるんだけど、わたしには何が何だか分からなくて」

御主人がご存命であれば、そこそこ電話回線のことやネットやプロバイダーや諸々の仕組みを理解されていたのでしょうが、亡くなられると奥様にはサッパリ分からない、考えてみるとこういうお宅はじつに多いんでしょうね。

「○○(私です)、仕事行く前にちょっとみてこられないか?」
「えっ?!」

私が行って分かるものかどうか不安はありましたが、これもご近所付き合い、朝食もそこそこに行ってまいりました。
状況は、光回線有り、ブロバイダーはOCN、IP電話も使用しているものの、普通回線も生きているといった感じ、箱とおっしゃっていたのはもちろんモデムで、正面のランプに異常はなさそうです。
ご本人はほとんど使ったことのないというパソコンを立ち上げ、ネットを立ち上げるとこちらも全く問題なし・・・・・・
「これは回線異常じゃなさそうだなぁ・・・・」
あとは室内回線の断線か、電話機本体の故障ぐらいしか考えられず、ともかくモデムから電話までの線をたどっていくと・・・・分かりました。
双方向用にテレビと分配してある分配機で、電話本体との回線が外れていたのです。
これをつないで、無事電話は復旧、めでたしめでたしと。

でもね、昔なら電話が壊れれば、まず電電公社に連絡すればすぐに来てくれるとか、ともかくなんとかなっていたものが、今は機能その他では便利になったかどうかは別としても、何処に連絡して良いものか分からなくなってしまう、お年寄りが益々増えていく中、それってどうなんだろう?なんて感じてしまったわけです。

以前も我が家の光電話での諸問題や、電車の運行状況の問い合わせ等々「現在の便利はけして全員に親切なものではない」といった話をここでもさせていただきましたけど、ほんとにそれでいいんでしょうかねぇ
「ついてこれないヤツはほっとけ!」みたいな感じがしてならないのですよ。
どれもこれも言ってみればサービス業でしょ、「うちの店のやり方に文句あるヤツは来なくていいから」ばかりで商売してたらその店は潰れるでしょ
まして、絶対に生活に必要なものたればこそ万人が理解できるシステムを取ってもらわないと、なんてね。
年寄りの一人暮らしなんかには、特に優しい社会であって欲しいなぁ、医療、年金ももちろん含めて。

とにもかくにも短い時間で電話は復旧を果たし、
「お茶一杯ぐらい飲んでく時間あんでしょ」
とリビングへ


携帯で撮影したので少々ボケてますが
まぎれもなく、JBL4430です。

(「ゲゲゲゲゲのゲゲゲのゲ」)
そこに鎮座ましている風格溢れるスピーカーは、JBL4430じゃござんせんか
「これって、奥さんの趣味なんですか?」
これも亡くなった御主人の趣味で、CDやレコードも残っているそうで
「そうかぁ、バブさんとこの息子さんも、いつも大きい音出して聴いてるよってお母さん言ってたよね」
「あっ・・・はい」

残念ながら、御主人が亡くなられてからは音を出す機会もなく、
「しばらくは、ほっときっぱなし、古いもんだからねぇ」
(「なにをおっしゃいます。たしかこのスピーカーは30ウン年前に一本40万以上もした、庶民には夢のような代物、もったいねぇ~~~~」)
「一度、音を聴いてみたいですねぇ」と私。
そう言ってスピーカーを眺める私の背中には「欲し~~~~!」って文字がくっきりと浮かび上がってたんだと思いますよ。
さすがに「邪魔だから、持っていって良いよ」とはなりませんでしたが、
「今日は聴いている時間無いでしょうけど、今度、お母さんが遊びに来るとき、いっしょに好きなCDでも持ってきて、聴いてみれば」
「ありがとうございます。」

てなわけで、日曜日にでも茶菓子と母をダシに使って、聴きに伺うことになりました。
さぁ~て、選曲はどうしようかなぁ(笑)

さて、今日の一枚は、昨日写真だけで失礼しちゃったブルーノート盤、ルー・ドナルドソンにしました。
昨日ご出演(笑)のパーランとのやり取りも、ビル・ハードマンとのやり取りも、魅力ではあるのですが、何といっても「THE MAN I LOVE」と「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」でのドナルドソンのソロが私は好きですねぇ。

ドナルドソンをチャリー・パーカーの直系アルト奏者と称することがじつに多いわけですけど、本人が「パーカーへのリスペクトは最大であったものの、それ以前のサックス奏者を聴きまくり、ジョニー・ホッジスやベニー・カーカー、ルイ・ジョーダンみたいに吹いていた時期もあったんだ」と言うごとく、たんにパーカーを真似したアルト奏者ではなく、何処かに懐かしさというか、悪く言えば古臭さが見え隠れする、それがドナルドソンの魅力だったりします。
この二曲のソロには、そんなドナルドソンの魅力が詰まっているように思うのですが・・・いかがでしょうか?

SUNNY SIDE UP / LOU DONALDSON
1960年2月5, 28日録音
LOU DONALDSON(as) BILL HARDMAN(tp) HORACE PARLAN(p) SAM JONES[3,6,7], LAYMON JACKSON[1,2,4,5](b) AL HAREWOOD(ds)

1.BLUES FOR J.P
2.THE MAN I LOVE
3.POLITELY
4.IT'S YOU OR NO ONE
5.THE TRUTH
6.GOOSE GREASE
7.SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE