JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

悪魔に取り憑かれる前に

2008年06月10日 | d-f

「時の記念日」の今日は、忌まわしい事件とは裏腹に、輝く太陽と爽やかな風、公園昼食にはうってつけの天気でした。
それでも、気持ちよく昼食をとりにがらも、かの犯人にはどんな悪魔が宿ったのか?そんなことをついつい考えてしまいます。オカルトチックではありますが、何だか凶悪な悪魔達があちらの世界から流れ込む、そんな穴が何処かに出来てしまっているのではないか?そんなとんでもない入り口を、誰が何故作ってしまったのか?
徐々にしかし確実に拡がりつつある闇の世界が、いつか私のまわりをも覆い尽くすかもしれません。

恨み辛みで人を殺める、金ほしさに人を殺める、突発的事故で思わず人を殺める、考えの相違で人を殺める、戦争で人を殺める・・・・・・
人を殺めることに肯定などけして存在しませんが、たればこそ、以前起こっていた殺人には、それなりに明白な理由があったように思えます。
それがなんでしょう、今回の事件だけでなく、昨今の事件を見ると明白な理由を探し得ないようなものばかりじゃありませんか。後付でいろんな理由を上げたところで、理解し得ないものばかり、つまり、命の軽視のみが蔓延して、まるで、それこそ戦場においての殺し合いのごとく、戦場でもないのに無機質に人の命を奪うことが日常化する、そんな社会になってきているということ?

先日ある方が、こんなことをおっしゃってました。
「人間の根底に流れる凶暴性は、本来隠し通せるものじゃない。ある時期を迎えれば親に反抗し、ある時期を迎えれば社会に反抗する。それはある意味人間のエネルギーの根底だったり、その時期にしっかりそれを受け止めることで発散できるものでもある。それが昨今は『良い子ちゃん』ばっかりになっちゃって、エネルギーに変えるどころか、発散さえ上手くできない人間が増えて来ちゃったんだよ。」
なるほどわかるような気がします。

私も含め、親たちは子供たちを事なかれ主義の世界に引きずり込んで「良い子ちゃんでいるのが得なのよ」って教え込み、「若いエネルギーはスポーツとか勉強にぶつければ大丈夫」なんて古~い教科書にも載っていないようなことを頼りに、上辺だけで子供たちに接する、気が付けば親だけでなく、学校も社会も『上辺事なかれ主義』が主流になって、これに外れた子供も大人も、まわりはどう扱って良いかもわからなくなっている・・・・・・・

何処かで掛け違えたボタンを、誰かがじゃなくてみんなで直して行かなければならないのでしょうが・・・・・・難しいし、たいへんですよね。でも、やらねばイカンのでしょう、悪魔に取り憑かれる前に

さて、今日の一枚は、エリック・ドルフィーです。
じつはこのアルバム、レコードでの入手をあきらめ、CDに飛びついたというアルバムです。ジャケデザインがオリジナルとは全く違うのが残念ですが。

ニューヨークのガスライトに出演した時のライヴ録音で、録音状況はすこぶる悪い(発掘ものにはつきものです)ものの、若き日のハービー・ハンコックが聴けたり、何だかわけのわからんボーカルが聴けたりと・・・・
あまり良くないような言い方ですが、そうではないんですよ。(笑)
コルトレーンのグループを経て、ドルフィーはどっちへ向かって進んでいたっんだろう?
という興味のない人にはどうでもいい疑問に、一つ参考になるアルバムであることはたしかです。
「ドルフィー聴くならこれ」というアルバムでは全くありませんが、ドルフィー好きなら、やはり押さえるべき一枚であると思います。

LEFT ALONE / ERIC DOLPHY
1962年10月7日録音
ERIC DOLPHY(as,bcl,fl) ED ARMOUR(tp) HERBIE HANCOCK(p) RICHARD DAVIS(b) EDGAR BATEMAN(ds) JOE GARROL(vo)

1.MISS ANN
2.LEFT ALONE
3.G.W
4.I GOT RHYTHM
5. 245