JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

アルファベットの6と13を考える?

2008年06月13日 | m-o

「今日は13日の金曜日」何人かの人に言われたこのフレーズは、ほとんどがあの映画宣伝で使われていた言い回しであることにビックリさせられます。私はどうもあの手の映画は苦手なので真剣に観たこともありませんけど、そんな私も「じゅうさんにちのぉ・・きんよぉ~びぃ」のフレーズだけは耳に残っているし、使っているということは、宣伝効果抜群であったのでしょうね。

まっ「13日の金曜日」の話はともかくとして、今日6月13日はFMの日』なんだそうでありまして、「F」がアルファベットの6番目、「M」が13番目ということから来ているそうですが、なんとも無茶苦茶なこじつけであります。(19月13日という月日が無くて良かったと・・・・・)

いえいえ、FMをバカにしているわけじゃあれませんよ。バカにするどころか小学生から中学、高校、大学まで、私の音楽メディアの中心は間違いなくFM放送でありましたし、「FM放送がなければ今の私は無い」と言っても過言ではありません。

たしか隔週雑誌であったと思いますが『FM fan』っていう雑誌がありましたよね。(後発の『FMレコパル』なんてぇのもありましたが、「邪道だ!」といって『FM fan』にこだわったりして・・・・ボクちゃん可愛い)私の愛読書でした。毎回、番組表から気になる放送を見つけてはボールペンでチェックしていましたっけ。
ただし、ウン十年も前のお話ですから、地方で受信できるFM放送はNHKしか無く、上京するまでは、他の番組内容を見ながら「いいなぁ・・・」とため息もついておりました。

  ♪ チャンチャカチャーン チャーラチャ チャッチャッチャー・・・・ ♪

「なんじゃそりゃ」でありますよね。
私としては、グレン・グレイとカサロマオーケストラの「BLUES ON PARADE」を口ずさんだつもりなんですけど・・・・・・(笑)
そう、昔NHK-FMで、毎週木曜日に放送されていたジャズ番組『ジャズフラッシュ』のテーマ曲です。
残念ながら、私は彼らのレコードは持っていませんが、先日発掘(?)された我が懐かしのカセットテープに、消し忘れでしょうね一部同番組の最初の部分が残っていました。
(ほら、レコードもそうそう買えない時代、同番組を録音しながら聴いていたんですね)
本多俊夫氏、児山紀芳氏等々(たしか幾人かの人達が代わる代わるDJを勤められていたと思います。)の解説付きJAZZ番組は、私にとって学校の勉強より有意義な教育の場だったのです。今思えば、高校生になってジャズ喫茶でアルバイトをする際、この時得た知識が役立ったと思っています。

もう一つのFMジャズ番組の草分けといえば、油井正一氏がDJをされていた『アスペクト・イン・ジャズ』でありましょうね。
ただし、先ほども言ったように番組の存在は知っていたものの、FM東京で放送されていた同番組を、地方生活の身では耳にすることは出来ず、上京した際にテーマ曲、ジェリー・マリガンの「PRELUDE IN E MINOR」を耳にしたときには感激しましたっけ・・・・
(そのくせ油井先生のお顔もあの独特のしゃべりも分かっていたのは、おそらくは本の影響か、NHK-FMの他のジャズ番組だったのか?)

小中学生時代は実家におりましたから、ステレオ『東芝ボストン』(笑)でレコードもラジオも聴けましたし、テレビも見られましたが、下宿を始めた高校生以降、小さな白黒テレビを入手するまでの約5年間は、小さなラジカセから聞こえるラジオの音とジャズ喫茶で聴く大音響のジャズ、そして映画が私を支えていてくれたのでありま・・・・シクシク(笑)

おかげさまで、現在は自宅で自由にレコード・CDも聴けるし、テレビだってDVDだって見られる、あ~た、FMだってこの田舎で3局受信できるんですよぉ・・・いい時代だぁ~~~
でもね、そのぶん、映画館へ足を運ぶ機会は減り、ジャズ喫茶は無くなり・・・・・FMのジャズ番組だって有るのか無いのかも知らないくらい。
ひょっとして、人並みの豊かさを得たことで失ってきたものもとても多いのかもしれませんね。

さて、今日の一枚は、できれば『アスペクト・イン・ジャズ』のテーマ曲が収録されているジェリー・マリガンの「NIGHT LIGHTS」にしたかったのですけど、以前に紹介済みですので、同じマリガンのこのアルバムにしました。メンバーもほぼいっしょですから良いでしょ?(笑)

マーキュリーのライムライト・シリーズの一枚。ライムライトをマーキュリーの傍系レーベルと取って良いのか、たんにマーキュリーの一企画と取るべきなのかは私にもよく分かりません。同じマーキュリーの傍系エマーシーとはちょっと扱いは違うようには思いますけど。
このライムライト・シリーズの大きな特徴は、ダブルジャケットに豪華な装丁が売り物という、じつにこったジャケットでありまして・・・・・まぁ内容には何ら関係がないかもしれませんけど(笑)
そもそもボブ・シャッド(厳密にはエマーシーのブロデューサーですが)的、なんでもかんでもストリングスと組み合わせたり、金に物言わせてドーンみたいな手法はあまり好みじゃないんですよねぇ・・・と言いつつ、クリフォード・ブラウン始めお世話になっているレーベルでもありまして(笑)

おっと、レーベル紹介じゃありませんでしたよね。
「NIGHT LIGHTS」もそうですが、このメンバーの最大の魅力は、肩に力の入らないリラックスした演奏でありながらじつにお洒落である、ということではないでしょうか。
「しゃっくりをする蝶々」なんて名前からして洒落てるし、スタンダードに加えてオリジナルもほんとお洒落な一枚に仕上がってます。
オリジナルの入手はちと大変かもしれませんが、なんと「NIGHT LIGHTS」とのカップリングCDも発売になっているようですので、ぜひお試しあれ。

BUTTERFLY WITH HICCUPS / GERRY MULLIGAN
1963年9月3日, 10月3, 11日, 1964年6月25日録音
GERRY MULLIGAN(bs,p) ART FARMER(tp) BOB BROOKMEYER(vtb) JIM HALL(g) BILL CROW(b) DAVE BAILEY(ds)

1.BUTTERFLY WITH HICCUPS
2.YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
3.THEME FOR JOBIM
4.OLD DEVIL MOON
5.THE ANT HILL
6.BLUES FOR LYNDA
7.LINE FOR LYONS
8.CRAZY DAY