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出題のバランス

理科は大きく出題が4分野に分かれます。

1 生物 2 地学 3 物理 4 化学

出題者としては、だいたいこの4分野のバランスをとりたいと思うので、例えば入試で見れば大問を4問出して、それぞれ1分野ずつという出し方をします。

高校の先生は専門が分かれているので、各専門の先生から1問ずつ出してもらって問題を構成するという場合もあるでしょう。

1と2は知識の比重が高く、3と4は計算の比重が高いわけですが、化学の分野について電話帳(その年の過去問を集めた問題集)を開いてピックアップしてみてください。

これは子どもがやるよりも、お父さん、お母さんがやる方が早いでしょう。

それを調べてみると、案外出るものが決まっていることに気が付かれると思います。

多いのは中和、濃度や溶解度、気体と水溶液などですが、これを受験する学校のレベルに合わせてピックアップして練習していくと、「一番良く出る問題」を勉強することができます。

そういえば、最近実はちょっと気になることがあります。

受験勉強というのは、以前はどちらかといえば「最小努力の最大効果」ということを目標にしていたと思うのですが、今の子どもたちの様子を見ていると「最大努力の最大効果」になってきているところがあります。

いろいろなことを犠牲にして、受験勉強に取り組む。

中高の6年間のために3年生から4年間もつぎ込む、というのはバランスとしてどうなのだろうか、と思うのです。子どもたちにはいろいろな可能性があり、小学生のうちにいくつか試してみたいことはあると思います。それが習い事で、音楽だったりスポーツだったり、絵だったりするのですが、そういうものを減らしてしまうと、子どもたちの才能がのびやかに伸長できるのか、不安になります。

やりたいことをやりながら、上手に受験勉強とのバランスを取るということは大事なこと。そして受験勉強で言えば、「良く出るもの」をしっかり勉強するのが一番効率が良いのです。塾と言うのはその効率を請け負うのが仕事だと思うのですが、たくさんやらせる、早くやらせるということの競争になって、ちっとも「効率化」のコンセプトが出てこない。

だからお父さん、お母さんの力が以前にもまして必要になっていると私は思います。残りの時間は限られているので、ぜひ、良く出る問題をしっかりフォローしてあげてください。


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