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プラスイメージ

 プラスイメージは成功の近道を良く言われます。これはずいぶん前からいろいろな人たちが説明していますが、子どもたちのようすをみても、これはあてはあるようです。

 なぜプラスイメージが良いのかといえば、成長に必要なやる気と自信が引き出されてくるかでしょう。例えばテストがかえってきて成績が悪く、合格可能性が30%だったとしても、いろいろプラスには考えられます。これが本番でなくて良かったな、とか。今のうちにできないところがはっきりして良かったとか、ものは考えようです。そしてそういうふうに考えられる子どもは、たいてい勉強しようという動機づけはできていますし、プラスに考えられるということは、自分に多少自信があるのです。そして自分がはっきりこうしたいという方向が決まっていますから、そこで向かってがんばろうという気持ちはよりいっそう充実しているのです。

 ずいぶん前の話ですが、入試会場に応援に行った時のことです。みんな、殊勝に握手していくのですが、後ろから私をどついた子がいました。振り返ると、満面の笑みをうかべて、
「受かってくるからな」
と言い残して、校門に消えていきました。後ろからお母さんが恥ずかしそうに追っていかれました。この子は決して成績の良い子ではありませんでした。合格ぎりぎりで最後までその学校を受けるか、お母さんは悩んでいました。けれど本人は他の学校を受ける気など毛頭ありません。「絶対合格する」の一点張りでした。私はお母さんに、
「お母さん、いいじゃないですか。この子にとっては最初の受験だし、ここまで受けたいといっていますから、他の学校を受けてもし受かったとしても、きっと後悔するだけでしょう。もうここまで来たのだから、あの子のガッツにかけましょう。」
とお話しして、結局本人の希望どおりの受験となったのです。

 で、結果は合格でした。しかし、おもしろいもので、第一志望の学校のみ合格して、後は落ちました。塾としてはちょっとひやひやものなのですが、何校合格しても行く学校はひとつですから、本人としてはこれでOKなのです。

 子どものうちは、比較的自分の希望をストレートに表しやすいと思います。中学受験、高校受験、大学受験と年齢があがるにつれて、本人も客観的なデータを理解するあまり、あまりこんな番狂わせ?が起こらなくなります。大学受験生に向かって、大丈夫だから受けてごらんといっても、
「先生、何言ってんの。これはやはり無理でしょう」
といいます。ところが小学生は、
「先生、やはり僕のことわかってくれてた?」
とニコニコします。

 私はそういう意味で、子どもの教育においてプラスイメージはすごく大事だと思うのです。多少なりとも自信をもっていてくれたほうが、いろいろとありがたいのです。結果も良くなるし、やはり人間の可能性をひろげてくれるという意味に置いても、積極的で明るいほうが良いのです。

 ところが、お母さんは一般的にいうとマイナスイメージの方が多いのです。ちょっとご自分のことを振り返ってみられるとよいと思うのですが、ああなったらどうしよう、こうなったらどうしようと心配される方が多いと思います。そして困るのは、これが子どもに伝染してしまうことです。心配性のお母さんの子どもは、やはり臆病なことが多いようです。ですからこれはぜひ変えていただきたいと思います。

 ではどうすればプラスイメージをもてるのでしょうか。これは実はとても簡単なことなのです。プラスイメージをもつことを選択すれば良いのです。
「でも、わたしはつい、くよくよ心配してしまって」
とおっしゃるお母さんがいますが、それは選択していないだけのことです。プラスイメージをもとう、いいことだけを考えようとすれば、そうなれます。

 そしてこれが大切なことですが、お母さんがプラスイメージをもつと、子どももプラスイメージをもつようになります。
「先生、うちの子はいい子なんです」
というお母さんのお子さんは本当にみな良い子です。

 
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