褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 黄昏(1981) 人生は深いです

2013年12月04日 | 映画(た行)
 何歳から老人と言うのかわからないのだが、人は老境に達すると何を思うのか?俺のような若輩者には全く想像のつかない世界であるが、老いによる衰え、そして過去の栄光、後悔など様々な出来事が頭の中を去来し、もう一度過去に戻ることができればと思ったりするのだろうか。
 しかし、老齢に達することは悪いことばかりではなく、今まで生きてきた人生の経験は何よりも得がたい大きな財産であるはず。長年連れ添った老夫婦のやり取りや会話は人生の奥深さを感じさせ、アラフォー世代の俺には今までの己の生き方の是非を見つめ直させ、これからの人生を如何にして生きていくべきかを考えさせられる映画が今回紹介する黄昏

 まるで自らの人生を投影させるかのような湖が見渡せる別荘を舞台に老夫婦とその娘、そして娘の結婚相手の息子との交流する姿を観て、我々は何を想い、何を感じるのだろうか。世代によって様々な想いを抱くであろうストーリーとはいかなるものか。
 ニュージャージー州の通称ゴールデン・ポンドと呼ばれる湖の側にある別荘に長年連れ添った老夫婦の夫ノーマン(ヘンリー・フォンダ)と妻エセル(キャサリン・ヘプバーン)がやって来る。もうすぐ80歳に達するノーマン(ヘンリー・フォンダ)だが体力だけでなく、更には記憶力の衰えも痛感する。おまけに頑固で毒舌を吐きまくり。そんな夫をエセル(キャサリン・ヘプバーン)が心強く支える日々を送っていた。
 ノーマン(ヘンリー・フォンダ)の80歳の誕生日に娘のチェルシー(ジェーン・フォンダ)が婚約者である歯科医をしているビル(ダブニー・コールマン)と、彼の連れ子である13歳の少年であるビリー(ダグ・マッケオン)を連れて別荘にやって来た。しかし、ノーマン(ヘンリー・フォンダ)とチェルシー(ジェーン・フォンダ)の間には長年に渡って確執があり、2人は久々の再会であるがエセル(キャサリン・ヘプバーン)の介添えも虚しく、衝突を繰り返す。
 ビル(ダブニー・コールマン)とチェルシー(ジェーン・フォンダ)は2人で欧州旅行に出かけるため、ビリー(ダグ・マッケオン)をノーマン(ヘンリー・フォンダ)とエセル(キャサリン・ヘプバーン)に預けるのだが、最初こそノーマン(ヘンリー・フォンダ)とビリー(ダグ・マッケオン)の仲は上手く行かなかったが、次第に2人の間は打ち解けていく。
 欧州旅行から帰ってきたチェルシー(ジェーン・フォンダ)はノーマン(ヘンリー・フォンダ)とビリー(ダグ・マッケオン)が仲良くしている光景を目の当たりにし、ショックを受けるのだが・・・

 ちなみに原題はOn Golden Pond(黄金の湖で、と言う意味かな?)。主役は老夫婦であるが、湖がもう一人の主役と言って良いほど様々な表情を見せる。老夫婦の心境、人生を抽象的に描き出す表現が本当に素晴らしい。そしてアビなんて言う鳥が出てくるが、これがまた老夫婦の感情を表わすのに効果的な使い方がされていて感心させる。
 ちなみにヘンリー・フォンダジェーン・フォンダは映画の中だけでなく、実生活でも本当の父娘。そして映画と同様に実生活でも長年の確執があり、本作での共演を機にやっと仲直りできた経緯があり、そのような知識もあればより本作を興味深く観ることができる。
 実はこの映画は俺がまだ20歳になるかならないかの時に観たことがあるのだが、どこが良いのかまるでわからなかった。正直あの頃の俺に本作におけるテーマを理解できるはずが無かった。今観ると流石は名作だと感じる事ができるし、10年後、20年後・・・と俺の人生が黄昏に近づくたびに再観賞すると色々と気付くことが多くなるような映画だと思う。この映画の本当の凄さを今の俺には、まだまだ理解できていない奥の深さがあるようだ。
 既に人生の甘いも酸いも知り尽くしているご年配の方々にはお勧めだが、非常に親子の仲が悪くてヨリを戻したいけれどその方法がわからない人、そして自らの人生について大なり小なり悩んでいる人にはきっと癒しの効果がある。ちょっと大人の気分の人には映画黄昏はお勧めだ。

黄昏 [DVD]
ヘンリー・フォンダ,キャサリン・ヘプバーン,ジェーン・フォンダ,ダグ・マッケオン
ジェネオン・ユニバーサル


 監督は自らも俳優として映画に出演することもあるマーク・ライデル。彼のお勧めとしてはジョン・ウェイン主演のある意味で異色作の11人のカウボーイが良いです。

 主演のノーマンを演じるのがハリウッドの名優ヘンリー・フォンダ。多くの名作に出演する大スター。お勧めは十二人の怒れる男未知への飛行テキサスの五人の仲間怒りの葡萄。挙げた作品の中で、まだ観たことが無い作品があるという人は、今すぐにレンタル店へ行って借りるべし。

 エセルを演じるのがハリウッド黄金時代に大活躍した名女優キャサリン・ヘプバーン。ハワード・ホークス監督のコメディ赤ちゃん教育、ジョン・ヒューストン監督、ハンフリー・ボガード共演のアフリカの女王、スタンリー・クレイマー監督、スペンサー・トレイシー、シドニー・ポワチエ共演の招かれざる客、デヴィッド・リーン監督の旅情がお勧め。

 チェルシーを演じるのがジェーン・フォンダ。政治運動家のイメージがありますが、彼女も父親と同様に名作に多く出演し、現在も活躍中。フレッド・ジンネマン監督、ヴァネッサ・レッドグレイヴ共演のジュリア、ジャック・レモン、マイケル・ダグラス共演のチャイナ・シンドロームがお勧め。

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