三宅一生が彼女の大ファンでコレクターでもあるということで、昔から名前だけは知っていました。
でも実物は初めて。(ちなみにワタシは若い時、一生さんの「一枚の布」に感動して転職したようなもの。)
先日、BSでターシャ・テューダー特集を見たところなので、少しかぶってきます。
完璧を目指さない完璧さ、みたいなところとか、90才越えても女一人で生きるみたいなところ。
最晩年まで延々とモノを作り続けられるエネルギーって、どこから湧いてくるのか凡人には本当に驚異。
物理的に質量のある陶器となると、体力的にも大変なはず。
プリミティブなのにモダンで知的な作品群はとても魅力的でした。
薄くて軽そう、美しいけど安定感はどんなかな、とか手に取ってみたくてしょうがない。
彼女の作品は、眺めるためでなく使うものだと思いました。
あるボールセットを指さし「これ、絶対欲しい!!!!」と叫ぶ女性あり。
モノを鑑賞する時は、欲しいかどうかが一つの判断基準、審美眼と言われますが、
最近、モノが増えるのを嫌うという邪念?が入ってダメですね。
帰って、日曜美術館の録画を見ました。
一生さんと彼女の運命的出会いが再度見ても面白い。
作品の触感に彼女の作家魂を感じて、襟を正すようにして生きてきたそう。
やっぱり触れてナンボですよね。
作品の陶器ボタンでコートを作ってプレゼント。
コートを着て幸せいっぱいのルーシーさんの写真。
このコートを参考に、母にも作ってあげようかなと思って尋ねたら、
あっさり「いらんわ」。
子の心親知らず。
そうそう、彼女が40代の頃、若い優秀な男性が弟子入りするのですが彼の手紙が展示されていました。
完全なラブレターです。(日本語訳あり)
読めませんが、額に入れて飾りたいような、それは美しい筆跡でした。
彼女の返事は抑制されたもの。
彼女の文字は普通に見えました。
人間味あふれる作品に会えてよかった。