「華麗なる一族」と「拝啓、父上様」を少し比べる

山崎豊子の重厚な原作をドラマ化した「華麗なる一族」

「前略おふくろ様」と「優しい時間」を彷彿とさせる「拝啓、父上様」

方向性が全く違う二つのドラマを見て、感じた違い。

①キャスティングについて

「華麗」はキャストが豪華なのはいいが、ハマリ役が少ない。北大路欣也と仲村トオルぐらいかな。

キムタクがあの時代の専務にしては髪が長すぎる（髪を切れ！）キムタク人気（がまだ続いてるのか？）を期待してなのかも知れないが、どんな役を演じさせても常に同じ髪型なのは、いただけない。本人、あるいは事務所の意向なのだろうか。しかしハリウッドの役者を始めとして、役作りに心血を注ぐ人たちが多いことを思うと・・・たかが髪型すら役にフィットした物に変えられないとすれば、役者としても意識の低さすら感じると言ったら言いすぎだろうか？

※個人攻撃はしないこのブログ。つまらなかった作品のレビューはしないを基本としてるこのブログ。作品として面白くないとは言っていない。木村拓哉氏の演技の質が低いとも言っていない（面白いとも高いとも言っていないが）

成宮くんもあの役（従業員）にはフィットしてないし、西田敏行は「白い巨塔」で演じた唐沢（財前）の義父の役と同じ演技にしか見えない。

長谷川京子、相武紗季、稲森いずみ等主役を張れる役者が揃っているのは見た目は豪華だが、脇役にはそれにふさわしい人を持ってくるべきで、まるであれでは

おかずが肉だらけの弁当のようだ。
見た目は豪華だが、食えば胃がもたれる。
肉があるなら、サラダも欲しい。


それに比べると、
「拝啓、父上様」はハマリ役だらけだと思う。

二宮和也、梅宮辰夫、八千草薫、岸本香世子、高橋克実・・・
高島礼子はいつも違和感を持って見ていたのだが、二宮くんの母役の今回、初めてぴったりの役だと思った。

二宮くんが携帯を取ると、それは母（雪乃）から。彼が電話に出ると、

高島礼子「雪乃ちゃーん！」

これは笑った。自分をちゃんずけで呼ぶのも笑えるが、電話に出た相手にいきなり出てくる台詞としてもおかしい。


②ロケ・衣装について

「華麗」は昭和４１年から４３年頃の日本を描いている。銀行の周りのショットがあって、歩いている人がみなその頃に人のように一見見えた。しかしやや違和感が？
すると上海でロケをしたそうで、納得。今の上海と４０年前の日本が同じ景色だということを知るもの面白いし、ただでさえギャラが高そうなキャスティングに加えて、撮影にもドえらく金がかかってることもまたいい。

唯一、キムタクと弟役の山本耕史が志摩観光ホテルのシーンで、クレリック・シャツを着ていた（エリとボディが違う色）。これはどうなんだろう？クレリック・シャツがいつから日本で着られるようになったのかは知らないが、この時代、いくら華麗なる一族とは言え、「おそらく」着てないだろうと思う。重要ではないんだが、せっかく時代を感じさせるセット、ファッションを他のシーンで見せてくれるのだから・・・

「拝啓」について語ることはあまりない。舞台となっている神楽坂界隈は詳しいので、二宮くんが走り回るあの界隈を見ていると、「あ、あそこ知ってる」と思うのも楽しいが。



どちらのドラマがいいとか、面白いとか結論付けている訳ではなく、少なくとも今の段階で結論めいたことは言うべきではないので、ストーリーそのものについては触れない。



最後に余談ながら、

・謎の同居人ずれ子が華麗を見ながら言った
ず「これ、キムタクファンの子達分かるのかな？金融再編とか高炉とか？」
俺「分からないかも知れないけど、キムタクが出てればそれでいいんじゃないの？」
ず「そっか」

・そもそも原作は文庫本で上中下巻もある。どうやって１０回程度のドラマでまとめるのか？原作を読んだ人なら、第一回の放送で、原作では後に出てくることと上巻に出てくることが混在していたことに気づいたはずである。なるほど、そう来たか、と思ったが。

・「華麗パン」というカレーパンを食ったが、普通だった。





今日の教訓



ドラマ見てる子、
ドラ見ちゃん！
チラシを見れば、
チラ見ちゃん！