頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

店名にツッコんでください140

2016-09-25 | laugh or let me die
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『ザ・サン 罪の息子』ジョー・ネスボ

2016-09-23 | books
ノルウェー、オスロ。アープ・ロフトフースは警察官だった。警察の内部情報を犯罪者に売る内通者だとした遺書を残して自殺。アープの息子のサニーは、薬物に溺れ、自分ではやってない殺人を自分がやったとして刑務所に12年いた。そしてサニーが脱獄する。父に汚名を着せた人間たちに復讐するために。オスロ警察の刑事シモン・ケーファスはアープのことをよく知っていた。サニーに対してシンパシーを感じつつ、脱獄したサニーを追う。オスロの裏社会を牛耳るザ・トウィンVSサニー。復讐は成功するのか…

うーむ。北欧ミステリーはどうしてこんなに質が高いのだろうか。基本的に復讐譚は好みなのだけれど、サニーの造形がなかなかに堪らない。大胆で怖いもの知らずなのに、優しい。

膨大な数の登場人物が出て来るけれど、対決の構図がシンプルなのでそんなに迷子にならなくて済んだ。

どうやって脱獄するのか、誰にどうやって復讐するのか、刑事はどうやって追いかけるのか、ザ・トウィンはどうやって悪に手を染めているのか、すべてが面白い。

そうそう。作者のジョー・ネスボは「ザ・バット 神話の殺人」「コマドリの賭け」「ネメシス 復讐の女神」「スノーマン」は、ハリー・ホーレシリーズなのだけれど、本作は別の単独作品だった。

ザ・サン 上 罪の息子 (集英社文庫)ザ・サン 下 罪の息子 (集英社文庫)

今日の一曲

Parov Stelarで"The Sun"



The Sonじゃないのかとツッコまないで。では、また。
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『罪の声』塩田武士

2016-09-21 | books
1984年社長が誘拐されたり、製品に青酸カリが混入されたりした、未解決の「グリコ・森永事件」をモチーフにして、似た「ギン萬事件」の謎を解く小説。

自分の親が加害者かも知れないと疑い、調べ始める人と、事件をもう一度調査する新聞記者の両面から謎を解いていく。

途中までなかなか面白かったのだけれど、時間がなかったので、後半は飛ばし読みをしてしまった。真相は分かったけれど、結局ただそれだけになってしまった。

こういう読み方はしてはいけないんだと、あらためて思った。(時間の無駄読書とまでは言わないけれど、それに近い)

罪の声

今日の一曲

罪の声。声ということで、Perfumeの"VOICE"



「三人の中だったら誰がいい?」という一度も訊かれたことのない質問に、いつ訊かれたもいいように準備だけはいつもしている。昔は、のっちだったけど、どっかのドキュメントを観てからはあ~ちゃん、でも最近はかしゆかかな~、えへっ。では、また。
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『酒井若菜と8人の男たち』酒井若菜

2016-09-19 | books
女優酒井若菜が芸人、ミュージシャン、俳優の8人と対談する本。だと思って読むと、凡百の対談本とは全然違っていて、驚く。

まず、字が多い。ものすごいボリューム。そして内容が深い。

マギー(モデルじゃなくて役者の方)との関係。お兄ちゃん、妹のような関係で、酒井が休業していたときに彼が支えていた。(ちょっと嫉妬してしまうような関係)

ユースケ・サンタマリア、板尾創路、サンボマスターの山口隆、日村勇紀はそういうことを話すのかと意外な話を読めたり。

佐藤隆太とはかなりの依存関係だったり、岡村隆史が病気休業中だったとき支えたのは酒井だったり、昔共演したときに水道橋博士のことを大嫌いになった話だったり。

意外な話、深い話だらけで読み応えたっぷり。

酒井もそうだけれど、対談相手が「人は深いところでこんなことを考えているのだ」という話をたくさん読める。自分の知り合いから訊こう訊こうと思ってもなかなか訊けないような話がここにあるのだ。

そして、酒井若菜の各対談した後の文章の書き方がかっこいい。一番最後には、

手も繋がない、セックスもしない男たちの温もりは、優しく、柔らかく、それでいて頼もしい。

酒井若菜の質問の仕方、年上の男性に対する接し方にも、何やらと感じるものがある。下からのリスペクトと上からのツッコミが混在しているのだけれど、自分の年下の女友達にはこんな風に接して欲しいというある種の理想なのだ。変わった見方かもしれないけれど、年上の男性に可愛がってほしい女子には、どう接するかのバイブルになる。と言ったら言い過ぎだろう。

今日の一曲

サンボマスターで「できっこないを やらなくちゃ」



では、また。
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『ミスター・メルセデス』スティーヴン・キング

2016-09-17 | books
就職の説明会のために行列しているところへ、メルセデスが突っ込み、8人が死亡した。メルセデスのオーナーが、鍵をかけないでいたから盗まれてこういう事件がおきたんだという非難があがり、オーナーの女性オリヴィアは自殺する。事件の担当だったビル・ホッジズは引退していたが、ずっとこの事件が気になっていた。メルセデスを運転して、殺害したのは誰か。オリヴィアの言う通り、ちゃんと鍵はかけていたのか。そして犯人から手紙がやって来た… 死んだオリヴィアの妹ジャネルに会うと、オリヴィアは非常に神経質で、鍵をかけ忘れるはずがないと言う。彼女に依頼され事件について調べることにした。相棒は優秀な高校生ジェローム。パソコンやネットのことなら何でも知っている… 犯人はブレイディ。病んだ母親と二人暮らし。彼の内面は…

キングらしく描写が細かい。そして意外なほど真っ当なサイコ・サスペンス。

車に鍵をかけないでいて、それが盗まれて犯罪に使われたからと言って、責められるようなことなのかな?と思わないでもないけれど、それ以外は、充分に楽しめた。

ブレイディの鬼畜ぶりが相当なものなので、読んでいると、この鬼畜をどうやって成敗してくれようかという気分になる。その感情移入の度合いが大きいのは、キングに書き方が巧いからだろう。上巻の終わりぐらいから、鬼畜VSビルと仲間たちの対決姿勢が明らかになってから、どんどん頁を捲るスピードが上がる。

ビルの相棒はもう一人途中で増えるのだけれど、その人物の描写もなかなかいい。

ミスター・メルセデス 上ミスター・メルセデス 下

今日の一曲

車がタイトルの曲。Bruce Springsteenで"Pink Cadillac"



では、また。
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『終わりなき道』ジョン・ハート

2016-09-15 | books
元警官のエイドリアン・ウォールは女性を殺したとして刑務所に。13年経って、仮釈放になった。刑事のエリザベス・ブラックはエイドリアンをリスペクトしていた。そしてエリザベスは少女を監禁していた男二人を拷問した上に弾丸18発を浴びせ殺したとして州警察に目をつけられていた。エリザベスが明かそうとしない真実とは。エイドリアンの事件、エイドリアンのいた刑務所の強欲な所長、エイドリアンに母親が殺されたギデオン少年、監禁されていたチャニング。すべての人生がはまっていく…

うーむ。長い。ひたすら長い。ポケミス上下2段組で574頁。読んでも読んでも終わらなかった。給食が食べ終わらなくて、5時間目も給食を食べさせられている少食の女子になったようだ。(あの子はどうしているだろうか。今頃は、ラーメン二郎に行って「マシマシで」とか頼んでるだろうか)

しかししかし、面白かった。人間ドラマ的なミステリーだった。

チャニングとギデオンの二人の子供に、少し異常なほどに愛情を見せるエリザベス。彼女のややエキセントリックとも言える行動が一番のキモ。彼女に同情できるようなできないようなギリギリの感じがなかなかたまらない。

刑務所で身も心もボロボロになっていたエイドリアン。出所して何をするのか。本当に女性を殺したのか。その辺りも実に読ませる。

終わりなき道 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

今日の一曲

本の原題は"Redemption Road" Bob Marleyで"Redemption Song"



では、また。
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『近いはずの人』小野寺史宜

2016-09-13 | books
33歳、北野。カップ麺の会社のサラリーマン。毎日6本の缶ビールを飲み、食事はカップ麺だけ。妻の絵美はいない。いなくなったのではない。死んだのだ。山奥でタクシーが転落し、運転手と一緒に死んだ。絵美は友達と旅行に行くと言っていた。しかしこの友達と行ったのだろうと思っていた女性は、絵美と行く約束はしていないと言った。絵美は誰と行ったのだろうか。その者はなぜ連絡してこないのだろうか。絵美の携帯が残されているが、ロックがかかっている。毎日4ケタの暗証番号を入力しているがなかなか合わない。そしてロックが解除できた。彼女と一緒に旅行に行く予定だった者とは… 弟が結婚すると言う。そして絵美の姉も結婚すると言う。そして空虚な毎日を過ごす北野。妻の過去をめぐる旅に出た北野は満たされるのだろうか…

こりゃ、なかなかの好み。

この福田も、変わった。以前は、仕事でもどこか手を抜くところがあった。僕とちがい、やればできる人間であったが、中々やらなかった。やればできるがやらずに終わる人間。その典型に見えた。が、やる人間になった。
人は自ら変わろうとしても変われない。だが環境が変わればあっけなく変わってしまう。それは変化ではなく、変化の末の順応なのかもしれない。ともかく、子どもが変化のきっかけになり得ることは確かだ。

確かに、人は変わろうとしても変われない。基本的には変われない生き物なのだ。しかし外的な強い刺激によって変わることはあり得る。確かに。

「理也子さん、かわいいね」
「ええ」
「二十七歳でかわいくいられるのはすごい。努力だけでできることじゃないわよね」
「そう、なんですか?」
「だと思う。かわいい子って、すんなり変われるか、ただかわいくなくなっちゃうかの、どちらかだから」

ふむふむ。確かにそうかも知れない。

妻の過去。知らないほうがいいのか、知ったほうがいいのか。意外な展開もすごくよかった。

近いはずの人

今日の一曲

本とは無関係に。Led Zeppelinで"Achilles Last Stand"



では、また。
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店名にツッコんでください139

2016-09-11 | laugh or let me die

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『あしたの君へ』柚月裕子

2016-09-09 | books
「孤狼の血」ではリアルで壮絶なやくざの世界を描いた作者による本作は、家庭裁判所の調査官補の連作短編集。裁判所職員採用総合職試験に合格し、二年間の研修を受けているのは望月大地。

使用済みの下着を売り、LINEで知り合った男性をホテルに行き、財布を盗んだ17歳。どんな事情があったのか…<背負う者>
男子高校生による女子高生に対するストーカー事件…<抱かれる者>
昔好きだった子の話…<縋る者>
夫から精神的な暴力を受けていて離婚したいという妻。夫は反省するからやり直したいと言う…<責める者>
妻も夫も息子の親権は絶対渡したくないと言う。10歳の息子はどう言うのだろうか…<迷う者>

というラインナップ。全体的にすごく優しい。人に優しい。

主人公大地が成長していく様もいいし、大地が気づく真実もいい。ところどころにあるグサッと突き刺さる言葉もいい。

美由紀は少し間をおいてから、独り言のようにつぶやいた。
「完璧主義の裏にあるものは、自己批判と劣等感」

実はワタクシ、若干(あるいはおおいに)完璧主義者なのだ。他人を傷つけたり、自分が傷ついたりするのはそれが原因だったのか。うーむ。

元夫は強引に理沙を抱いた。そして、理沙は妊娠した。
「一度は堕胎も考えたの。あの人と一生添い遂げる自信もなかったし、あの若さで母親になる不安もあった。でも、それ以上に生みたい気持ちが強かった。だから結婚した」

幸福の形はそんなに多くないけれど、不幸の形はたくさんあると言ったのはトルストイだったろうか。しかし、結婚で失敗する理由にはそんなに多くのバリエーションはないように思う。そのうちの一つはこれなんだろう。

「恋愛や結婚を旅に例えるなら、恋愛は旅行、結婚は移住だと思っているんです。短期間の旅行だと、生活習慣や食生活、価値観、金銭感覚の違いを、刺激や興味として楽しめます。でも、移住となるとそうはいきません。異文化のなかで暮らすとなると、短期間の旅行のときに楽しめた文化の違いが、ストレスや苦痛に変わる場合があります」

旅行と移住か。巧い。今度どこかで使おう。

あしたの君へ

今日の一曲

明日。ということで、Mr.Childrenで、"Tomorrow never knows"



では、また。
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『羊の目』伊集院静

2016-09-07 | books
神崎武美は侠客の浜嶋辰三に育てられた。辰三は、浅草で段々と組を大きくしていき、関西の組と闘うほどにまでなっていった。無垢で辰三を神のように崇める武美。彼も侠客の道へと進んでいく。辰三に利用される武美に待っているのは天国なのか地獄なのか…

伊集院光のラジオならよく聴いていたけれど、伊集院静の小説は確か読んだことがなかった。しかしなかなか良かった。

ある一人のやくざものの物語。と言ってしまえば身も蓋もないけれど、本当に「いい奴」の武美がどうなってしまうのか、つい感情移入し前のめりになって読んでしまう。

浜嶋の組が大きくなっていくのは、解説にもあるけれど、山口組が神戸で大きくなっていく様に似ている。そういう意味でも、辰三や武美のキャラクターも、いかにも実在しそうなほどリアルだ。

先日、たまたま深夜にタブレットで動画の「仁義なき戦い」を観た。「仁義なき戦い 広島死闘編」は、たぶん中学生か高校生の頃観た。いたく感銘を受けた。しかし何となく機会がなくてそれ以外は観てなかった。それで第一作を観たんだけれど、スゴイ。いやいやこれは、スゴイ。観た方がいいよ。菅原文太も梅宮辰夫も松方弘樹もみな若くて、ギラギラしていて、今の若い役者にはない強烈な臭いがある。クサヤの干物のような。新鮮じゃないホヤのような。



Vシネマになってしまうと、漫画のようで観る気がしないのだけれど、よく出来たやくざものは、映画でも小説でも、好物だ。

羊の目 (文春文庫)

今日の一曲

羊の目。羊と言えば、やはり「ひつじのショーン」 続編が全然作られなくて残念な「ウォレス&グルミット」からスピンオフして今では本家よりも人気のあるシリーズ。7分ほどのエピソードを。



では、また。
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『東京會舘とわたし』辻村深月

2016-09-05 | books
戦前から戦後、そして建て替え前の平成 年までの東京會舘の歴史を、バーテンダーや結婚式を挙げる客などその時代に関わった人々を通して描く。

作者の東京會舘に対する愛情がひしひしと伝わるあったかい作品だった。

東京會舘は何回か行ったことがあるはずなのに、何も覚えていない。同じ系列のパレス・ホテル(東京會舘では宿泊施設の営業ができなかったので、のちにパレス・ホテルを建てたそう)の方が記憶に残っている。ロースト・ビーフが旨かった。

東京會舘とわたし(上)旧館東京會舘とわたし(下)新館

今日の一曲

東京會舘。と言えば「カ・イ・カン」 薬師丸ひろ子で「セーラー服と機関銃」



では、また。
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『猿の見る夢』桐野夏生

2016-09-03 | books
薄井正明、59歳。銀行からアパレルに出向していてもう13年。現在は財務担当の取締役。妻あり、息子二人。創業者は会長、会長の女婿が社長をしている。薄井が社長のセクハラ事件の収拾をしなくてはならなくなった…

桐野夏生作品らしくなく、やや白石一文っぽい部分もあるのだけれど、とにかく面白くて、読みながら風呂に2時間もつかってしまった。

ある程度(30歳ぐらい?)以上の歳の男性で、薄井の行動に身がつまされない人はいないだろう。長年付き合っている愛人がいて、その愛人に対する気持ちとか、会長の秘書に対する恋慕とか、あちこちに気がある。そして金にはセコイ。薄井はとってもちっちゃい奴なのだ。

ちっちゃくて、バカなおじさんの行動を読んで笑うのか、怒るのか、身につまされるのか。(女性が読んでどう思うかちょっとよく分からない。自分を奥さんの立場に置いて、怒るのだろうか…) いずれにしても、読んだ人の心を大きく揺さぶると思う。

しかし、女性が書いたとは思えないぐらい、おじさんの心を深くリアルに描く。

酔い潰れた美優樹が急に淫らになって抱き付いてきた。ワインの赤い澱が付いた唇にキスをする。美優樹は目を閉じたまま、自分からパジャマのボタンを外した。小さな乳房と干しブドウのような乳首が現れる。薄井は、美優樹の胸に触った。
よく馴染んだ体だが、朝川の豊満な白い胸の谷間を思い出すと、美優樹には悪いが、物足りなさを感じて仕方がない。浮き出た鎖骨も、肋が透けて見えそうな胴も、細い腰も、以前は好きだったのに、今夜は貧相に見えて仕方がない。
まるで朝川の魔法にかかったかのようだった。細川の体は、むっちりと肉が付いているから、さぞかし触り心地がいいことだろう。一度触ってみたい。

というような妄想がいつも炸裂している。

薄井に対して、<身につまされる>=60% <笑ってしまう>=30% <ムカつく>=10% ぐらいに感じたけれど、その割合は読む人によって全然違うのだろう。

薄井はある程度、男という生き物を代表してくれているので、「男とはこうなのである」小説であると言っても言い過ぎではないかも知れない。

猿の見る夢

今日の一曲

上では触れなかったけれど、夢が本作のテーマの一つ。Eurythmicsの"Sweet Dreams"のカバーをMarilyn Mansonで。



では、また。
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『ブラバン』津原泰水

2016-09-01 | laugh or let me die
70年代、広島の高校でブラスバンドに入る主人公。先輩後輩の関係、恋愛、練習。青春の日々。そして何十年も経ってから再結成する。簡単に言うとそういう話。

登場人物がものすごく多い。誰が誰だかよくわからないまま読んだことも少なくない。普通これだけ人物が錯綜してしまうと物語が楽しめなくなるはず。しかし本作がタダモノではないのは、十分に楽しめるということなのだ。

しかも、楽器のことはよく分からないし、音符も読めない私が、かなり専門的な音楽の話を読んで面白いと思うのだから、タイシタモノなのだろう。

まあ基本的に「頑張る」「青春もの」には弱いので、点は甘くはなってしまうけれど。

十代の日々を思い返しながら生きるのは自虐だ。スナップ写真のような、テレビCMのような麗しい青春時代を送りえた人が、人類史上に一人でもいるだろうか。まともな知性に恵まれながら、十代の夢はすべて叶ったと高笑いできる大人はいるだろうか。十代の自分を振り返る大人の四川は手厳しく、今の自分を見つめる十代の頃の視線は残酷だ。だから人はその日のみを生きようとする。

過去は振り返らない方が幸せになれるということだろうか。荘子いわく「至人の心を用うることは鏡のごとし。将らず迎えず、応じて蔵せず。故に能く物に勝えて損なわず」(最高の人の心のはたらきは、鏡のようでる。去るものは去らせ、来るものは来させ、あいてしだいに応待して心にとめることがない。だからこそ事物に対応してわが身を傷つけないでおれるのだ。金谷治訳)

ブラバン (新潮文庫)

今日の一曲

本作でたくさんの曲が紹介される。巻末にリストがある。その中で、ジャコ・パストリアスが地上に残した最も美しい一曲とされている、Weather Reportで"Three Views of a Secret"



ジャコ・パストリアスとかウェザー・リポートとか高中正義とか、フュージョンと呼ばれる軽いジャズ。高校の頃よく聴いていたけれど、最近全然聴いてなかった。では、また。
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店名にツッコんでください138

2016-08-30 | laugh or let me die
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映画「シン・ゴジラ」

2016-08-28 | film, drama and TV
知り合いの4人が「面白かった。オススメだよ」というので内容はよくわからないまま観てきた。

もしゴジラが東京湾に出現し、上陸したらどうなるか。政府の対応はどういうものになるだろうかを、リアルに描いた、というのが簡単な説明。

面白かったなどという陳腐な感想は許されないぐらいの出来だった。スーパーハイパーウルトラ面白かった。日本でこんなすごい映画が撮れるのか。庵野監督天才。

首相や大臣たちの首脳のあたふたぶり、うまくモノが決まらない感じ。3・11の時の首相官邸もこんな感じだったのではないだろうか。この官邸内がものすごくリアルに描かれている。

そして、ゴジラ。ゴジラファンでは全然なかったのだけれど、そういうことは関係なかった。ある種のパニック映画(タワーリング・インフェルノとか)であって、パニックを引き起こすモノとしてゴジラが使われているだけ。ゴジラ映画というくくりからははみ出していると思う。でも、ゴジラの描写はスゴイ。スゴ過ぎる。

色々語りたいことはあるのだけれど、ネタバレを避けて、細かいことは書かない。

日米同盟とか、安全保障とか臨時法制とか考えさせられるネタがふんだんにある。

そしてラストシーン。私は○○という意味だと解釈していたけれど、他の人は全然違う解釈をしているようだ。

観終わった後、語り合いたくなること必至。「スター・ウォーズ」とか「ゴッド・ファーザー」とか「七人の侍」とか、映画好きの間では「観ているのが当たり前」の作品になるだろう。いや、普段映画を観ない人でも「観てよかったー」と叫ぶにちがいない。



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