頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『ビスマルク ドイツ帝国を築いた政治外交術』飯田-洋介

2016-07-29 | books
19世紀後半、大国がしのぎを削り、戦争が目の前に迫ってきている時代。プロイセンの宰相、ドイツの首相として、「いかに戦争を起こさないか」「いかにフランスを孤立させるか」に苦心したビスマルクに関する解説本。

難しい内容のはずなのに、非常に読みやすく面白かった。

いかにフランスを孤立させるか(ナポレオンのときのトラウマなのか、フランスをひどく恐れている)、その苦労と工夫が面白い。

リベラルな人だと思っていたけれど、社会主義を弾圧したりとかなり保守的な思想の持ち主だったのは意外だった。

ビスマルク - ドイツ帝国を築いた政治外交術 (中公新書)

今日の一曲

本とは無関係。最近よく聴いている、水曜日のカンパネラで「マリー・アントワネット」



ボーカルのコムアイについて、マキタスポーツが「エロくない壇蜜」と称したそうだが、言いえて妙。では、また。
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『ロセアンナ』マイ・シューヴァル ペール・ヴァールー

2016-07-27 | books
だいぶ、かなり昔「笑う警官」という小説を読んだ。詳しいことはさっぱり忘れたのだが、これぞ正統派の警察小説という感じだった。1968年にスウェーデンで出版され、日本には1972年に和訳が登場した。スウェーデン語で書かれたこのマルティン・ベック・7シリーズの英訳10作は全て日本で和訳され出版された。それから時は流れ、原語から出版されることになった。その第1弾が本作。(「笑う警官」は第4作だった。知らなかった。第1作だと思った)

浚渫船が遺体を引き上げた。全裸の女性の遺体。船の乗客だったのではないかと推察したが、目撃者がいない。世界中に帰った乗客、乗組員を探すが、捜査は膠着状態に。そこへアメリカの刑事から電報が届いた…

1964年に書かれたとは思えない。全く古びていない。捜査の進み方、膠着の仕方、まるで現代のミステリーのよう。いやむしろ、この作品が後のミステリーのお手本になったのだろう。

北欧の作品はとくかく登場人物が多くて、だんだん訳がわからなくなる。現在スカパーでシーズン3放送中のドラマ"The Bridge" ものすごく面白いのだけれど、ややこしすぎる。

そうそう。北欧のミステリーとかややこしくて、人が多くて苦手なのよね。なんて言っているそこのあなた。露瀬杏奈がオススメよ。じゃなくて、ロセアンナがオススメよ。登場人物は多くないし、筋もシンプルだもの。やっぱり素材がいいときには調理はシンプルだわよね。

刑事マルティン・ベックロセアンナ (角川文庫)

今日の一曲

ロセアンナ。TOTOで"Rossana"



似たようなもんだろう。
では、また。
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『ホット・ロック』ドナルド・E・ウエストレイク

2016-07-25 | books
盗みのプロ、ドートマンダー。依頼人はアフリカの某国。大きなエメラルドを盗み出してくれというもの。その道にかけてはプロ中のプロの仲間たちとチームを組む。エメラルドを盗み出せるのか…

1970年に出た小説が今読んでも面白いのか?

イエス。面白かった。

スラップスティックというのか、ドタバタした展開。成功したと思ったら、何かミスがあって、→また成功したと思ったら、何か問題が発生して、を繰り返す。

天才的犯罪者にもかかわらず、ぬけていて、憎めない。ルパン三世をおじさんにしたような感じ。

ラストのどんでん返しも見事だった。

ホット・ロック (角川文庫)

今日の一曲

原作は映画化されている。曲じゃないのだけれど、その一部を。



では、また。
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店名にツッコんでください135

2016-07-23 | laugh or let me die
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『完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯』フランク・ブレイディー

2016-07-21 | books
チェスについて、ルールもよく分からないし、歴史についても詳しくないのだけれど、面白そうなので読んでみた。

母はノーベル賞受賞科学者の秘書。父はユダヤ人生物物理学者。しかし離婚し、母が姉に続いて1943年、ボビーを生んだときにはホームレス状態だった。金銭的には苦労するものの、ボビーは6歳でチェスをはじめ、猛烈なスピードで上達する。学校には興味が持てず、チェスにだけ夢中の日々。過去の棋譜の研究に勤しむ。12歳で公式戦に参戦。1956年には、相手に自分のクイーンをわざと取らせて勝つという「クイーン・サクリファイス」という見事な作戦で、強豪選手に勝ち「世紀の一局」と呼ばれるようになる。あとは世界チャンピオンへの道ということになるがしかし… 試合には難癖をつけて行かなかったり、椅子やテレビカメラにいちゃもんをつけたり、ギャラ交渉がえげつなかったり、遅刻したり。ニクソン大統領の側近のヘンリー・キッシンジャーが電話をかけてきて、試合に出てくれと言われるぐらい。それだけ彼が全米で注目されていたわけだけれど。チャンピオンにはなったものの、ボビー・フィッシャーの奇行は止まらない。かなり儲かるオファーが色々とされる。試合のオファー、本やテレビ番組など。彼は金に困っているのにも拘わらず、断ってしまう。そしてさすらう日々… 反ロシア、反ユダヤの過激な発言… そして日本で逮捕。波乱万丈な天才の生涯とは…

こりゃ、面白かった。チェスのことなんて知らなくても、何の問題もなかった。

天才は変わり者が多いとは言うけれど、彼の場合は度を越している。究極の「不思議」男といったところだろうか。あれほど金がないのに、なぜ仕事を受けないのだろうか。お父さんはユダヤ人なのに、なぜ「ホロコーストはなかった」など反ユダヤ発言を繰り返すのだろうか。9・11テロの直後に「アメリカなんてくそくらえだ」とか「ブッシュ大統領に死を、アメリカに死を」などという発言をしたのだろうか。

本当にこんな人が実在したのかと驚く。

完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯 (文春文庫)

今日の一曲

私はあなたのチェスの世界に生きる。そしてあなたはルールを毎日変えると歌う。Taylor Swiftで、“Dear John”



では、また。
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『ジャッジメント』小林由香

2016-07-19 | books
「復讐法」が成立した世界。被害者遺族は、通常の懲役か、あるいは、遺族自ら加害者に対して、被害者が被ったのと同じやり方で加害者に復讐できる。様々な被害者と加害者がいる。遺族にも色々な人たちがいる。果たしてこの法律は「正しい」のか。連作短編集。

面白かったのか、そうでないのかうまく判断できない。

設定が非常に面白いのだけれど、必ずしも物語は「復讐法」から来るのではなく、通常の人間ドラマから来る。(親子の愛とか) 確かに「復讐法」が隠されたドラマを浮き彫りにする手段ではあるのだけれど。

この法律があるから、だからこんなとんでもない問題が勃発したとか、考えもしない展開をもっと読みたかった。また、このような法律が「正義」なのかそうでないのか、もっと深く掘り下げて欲しかった。(などと言うと、小説なんだから、哲学書じゃないんだからと言われるかも知れない)

ジャッジメント

今日の一曲

本とは関係なく。水曜日のカンパネラで「シャクシャイン」



では、また。
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『希望荘』宮部みゆき

2016-07-17 | laugh or let me die
探偵杉村三郎シリーズ。受ける依頼は、そんなに金になるものじゃない。人情味あふれ、いい人の杉村がたどり着く真実とは。連作短編集。

やや深刻なネタを、比較的軽いタッチで描く。深刻なネタを、ドロドロしたタッチで描くのが基本的に好みなので、大好きな宮部みゆき作品の中では、やや評価は低い。

しかし、私のような(ちょっとおかしい)好みじゃない人には、たぶんものすごく楽しめるのだろうと想像する。いや、たぶん読んだ人はみんな、なんでこんなにテンションの低いレビューなんだよと文句を言うに違いない。

希望荘

今日の一曲

本とは無関係。志村けんと東京スカパラダイス・オーケストラのコラボで。



では、また。
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『ジヴェルニーの食卓』原田マハ

2016-07-15 | books
絵画の世界の巨星たち。マティス、ドガ、セザンヌ、モネに関わった人を通して、巨匠たちの絵画への取り組み方や生活を描いたフィクション…

巨人ファンであると言う人と話をしたことがあった。やれ菅野はピッチャーとしてどうしたとか、原監督はどうだとか、キャッチャー阿部は素晴らしいとか熱く語ってくれた。しかし、変だなと思った。私が巨人嫌いなのは置いておくとしても、変だ。彼は、ほとんど眼が見えないのだ。眼が見えないのに、野球が好きだってどういうことなんだ、と内心思いながら、話は聞いた。

それからしばらくして、何かの本を読んだ。そこに、野球で狂喜乱舞したファンの話が書いてあった。時代を考えれば、テレビではなく、ラジオの実況中継を聴いていたはずだ。その時に、さっきの巨人ファンの人のことを思い出した。そして思った。眼で見えなくても、楽しめる人は楽しめるのだと。

などということをこの本を読みながら思い出した。絵画は、それを見ていなくても、それに纏わる人のことを想像することはできるのだと。

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

今日の一曲

特に本と関係あるものを思いつかず。昔好きで何度も聴いた、Fayrayで"tears"



では、また。
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『長流の畔 流転の海第八部』宮本輝

2016-07-14 | days
1982年に始まって、もう34年も経過した「流転の海」シリーズ。第八部が登場。

昭和38年、松坂熊吾はもう66歳。一人息子の伸仁は高校二年生。相変わらず熊吾は忙しい。社員に230万円も横領されてしまった。松坂板金塗装はやめてしまおうと思っていたら、銀行の元支店長で柳田のところの専務が、会社を辞めて、松坂板金塗装を大きくしたいと言い始めた… 電線会社の跡地という非常に広い土地が見つかった。自社だけじゃなく他の中古車販売の会社と共同で車の展示販売場所にできそうだ… 

前の話をすっかり忘れてしまっているので、登場人物の名前を見ても、ピンと来ないことが多い。それでも、何となく覚えたりして、何とかストーリーにはついていけている感じ。私ほど物覚えが悪い人はいないだろうから、従来の読者はみなすぐにストーリーに入り込めるのだろうと想像する。

やはり、宮本輝はいい。次から次へと起こるトラブル。(このシリーズってこんなにトラブル多かったけか?)義理と人情。熊吾の持つ運。今回は、奥さんの房江にも様々な試練が訪れる。(いや、いつも彼女にもトラブルが巻き起こっていたか)

幼いころから意地の悪い人間はたくさん見てきた。情け容赦のないいじめに、なす術もなく耐えるしかなかったときもある。どれもみなつらくて悔しい思いでだ。それらと比べれば、人前で借金の返済を迫られることなどたいしたことではないともいえる。

まったくなにがどうなっていくのか、「お先真っ暗」であると同時に「前途はつねに洋々」でもある。前者となるか後者となるかは、いったいいかなる作用と力によるのであろう。

熊吾に、房江に、伸仁に不運が付き纏うというのがこのシリーズの常ではある。しかし、物語の底に「優しさ」が脈々と流れているので、読むほうは救われ、癒される。それがいかにも宮本輝流なんだと思う。

長流の畔: 流転の海 第八部

今日の一曲

本とは関係なく。ギターは布袋寅泰と、ドラムはブランキー・ジェット・シティの中村達也、ベースはACE OF SPADESのTOKIE。「ロシアン・ルーレット」



40代後半のTOKIEさんがカッコよく美しい。では、また。
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店名にツッコんでください134

2016-07-12 | laugh or let me die
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『裸の華』桜木紫乃

2016-07-10 | books
ストリッパーのノリカ。左脚を骨折してしまった。引退し、故郷の北海道に戻ることにする。そして札幌でダンスシアターをオープンすることを決めた。物件選びや、バーテンダーやダンサーの選定がうまくいった。健康的なお色気を売り物にするダンスシアター「NORIKA」。有望な若い女性二人みのりと瑞穂に厳しいダンスの指導をする日々。そして開店。そう簡単にはお客は来ない。経営者としてのノリカの苦悩。指導者としての喜びと苦悩。ノリカは、そしてNORIKAはどうなっていくのか…

桜木紫乃の作品は全て読んだ。大好きな作家だったのに、読んだら大好きじゃなくなった。死ぬほど愛している作家になった。

一つのお店を開く様々な苦労。若く有能な才能との出会い、嫉妬。過去がよく分からない凄腕のバーテンダー。行方不明になっているストリッパー時代の師匠。様々な要素が絡み合う。

桜木紫乃作品には、設定、文体、展開、人物のどこにも、気に入らない部分がない。その全てが好きだ。こんな作家にはなかなかお目にかかれない。

ノリカは横浜のストリップ小屋を辞めてから、誰にも札幌に戻ったことを言っていない。しかし、自分のファンだったオガちゃんがわざわざノリカに会いに札幌にやって来るのだ。激やせしてしまったオガちゃん。タンバリンの名手だった。このエピソードだけでもグッとくる。

いや、読みながらずっと、グッときていた。ノリカ、瑞穂、みのり、バーテンダーのJIN、みんなすごくいいんだよ。

裸の華

今日の一曲

不愛想なみのりが、店を最も盛り上げるのがこの曲をバックに踊るとき。Kenny Gで"Havana"



では、また。
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『小説王』早見和真

2016-07-08 | books
ファミレスでバイトしている吉田豊隆。18歳の時に小説の新人賞を受賞し、映画化もされた。しかしその後は鳴かず飛ばず。豊隆と小学校の同級生だった小柳俊太郎。豊隆の作品を読んで編集者になりたいと思い、現在は出版社で小説誌の担当をしている。何とか、豊隆に書くべき作品を書かせたい俊太郎。何を書くべきかどう書くべきか悶絶する豊隆。キャラの濃い編集長や、俊太郎を育ててくれた大御所作家などを含んでストーリーは盛り上がってゆく…

熱い。熱すぎる。

たかが小説に、たかがエンターテイメントにこれだけの熱い思いが込められているとは。
漫画や漫画を原作にしてドラマになった「重版出来」の小説版に近い。出版不況とか活字離れ、雑誌が売れないという現在の状況が、こういう物語を書かせるのかもしれない。

そう。我々は物語を必要としているのだ。だから物語を読む場所をなくしてはいけない。なんてな。

女性読者からは、こんな指摘を受けるかもしれない。女性の登場人物二人が男性から見て「都合のいい」女過ぎないかと。俊太郎の奥さん美咲と豊隆の彼女晴子。この二人の、「自分の意見をちゃんと持っている」と同時に、自分本位じゃない「優しさ」を兼ね備えている辺り、ちょっと理想の女性かも知れないなと思っていた。まあ物語の登場人物とは、誰かにとって都合がよくても、現実と若干違っていても、少なくとも「そういう人は絶対いない」と断言されてしまうのでなければ、まあいいのではないだろうか。またストーリーのバランス上、豊隆と俊太郎が仕事で苦労をし過ぎるので、プライベートはこういう人が相手であるとうまくバランスがとれると思う。

俊太郎が人生で大きな決断をするとき、美咲は豊隆に「止める権利はあるんじゃないの」と言われて答える。

「そうかな。だって、とどのつまり私とこいつは違う人生を生きてるわけじゃん。たまたまお互いの利益が一致してるから共犯者のように一緒にいるけど、それが片方の人生を縛る理由にはならなくない?まだきっと人生は長いんだろうし、そんなふうに我慢して生きていくのしんどいじゃん」

美咲の魅力に、さらに「現実を直視している」ことと、「自分を客観的に見られる」ということを加えておこう。

小説好きは絶対読まなければいけない、マストな傑作だった。

今日の一曲

そのまんまのタイトル。Elvis Costelloで、"Everyday I Write The Book"



では、また。
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『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺」事件 教師たちの闘い』福田ますみ

2016-07-06 | books
2005年に報じられた、「いじめ自殺事件」について覚えている人はおられるだろうか?

長野県の丸子実業という高校のバレー部でいじめがあり、生徒が自殺した。その時に校長は「ものまねがいじめということになると、世の中の色んなことがいじめにされてしまうのではないか」と薄笑いを浮かべたような表情でコメントした。そして高校に抗議の電話が殺到。いわゆる「炎上」状態になる。そして自殺した生徒の母親は校長を「殺人」で刑事告訴した。それに対して、バレーの監督夫妻、いじめをしたとされた生徒、そしてバレー部員と保護者総勢30名が、その母親を訴えた。いったい何があったのだろうか…

なんだこれは。こんなことがあったのか。と仰天した。

メディアやネットのほとんどが「いじめて自殺にまで追い込んだのに、母親を訴えるとは何事だ」という論調で否定する。著名なジャーナリストも記事で母親を支持するし、やり手の弁護士も彼女を弁護することになる。

しかし、もしその母親が病的なまでの嘘つきだったらどうだろうか。

自殺に至るまで彼女が学校関係者にどういうファックスを送っていたのか読むと背筋が寒くなる。そして自殺の後に彼女が何をしていたのか。そして彼女はどういう人間だったか。知ればひたすらに背筋が零下へと凍っていく。

我々が普段新聞に書いてあることを読んで「そんなことはなかったかも知れない」とは思わないし、テレビで報じられているけれど「高知東生は実はクスリなどやってないかも知れない」とは思わない。しかし、マスメディアで表層的に報じられていることの裏側にある真実は全く違ったり、ネットで大騒ぎになっていることも、事実誤認だったりするのだということを、よく肝に銘じさせてくれた。

ジャパンに生きる者として、これは読んだほうがいい。

モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い

今日の一曲

ピンク・レディーで「モンスター」



二人はまだ20歳ぐらい。昔の20歳は今よりずっと大人だったですね。では、また。
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『ミッドナイト・ジャーナル』本城雅人

2016-07-04 | books
中央新聞社会部が7年前の女児誘拐事件に関してスクープだと思って公表したのは世紀の誤報だった。それから関係者全員が左遷された。そして7年。新たな女児連れ去り事件が。犯人は二人いる?7年前の事件も犯人は二人だと説もあったが、逮捕されたのは一人だけだった。あの時の共犯者がいるのだろうか。社会部記者たちの必死の調査の果てには…

非常に面白かった。

記者の立場だと事件を追いかけるには、どういうステップを踏んでいくのか、かなり詳しく描かれている。刑事からどうやってネタを取るのか、社内の様々な軋轢にはどんなものがあるのか、などなど。

この本を読んだ後に、「モンスターマザー 長野丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い」を読んだのでなおさら、メディアの報道については考えてしまう。我々が目にしている報道が、ある場合には実に表層的で、場合によっては真実とはかけ離れているということを思ってしまう。

ミッドナイト・ジャーナル

今日の一曲

ミッドナイト。ExtremeのNuno Bettencourtで、"Midnight Express"



では、また。
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『レーニン対イギリス秘密情報部』ジャイルズ・ミルトン

2016-07-02 | books
ロシア革命直前の1916年、イギリス秘密情報部はロシアの怪僧ラスプーチンの暗殺に関わっていた。そしてろい亜革命を妨害すべくレーニンの暗殺を企ててみたり、ロシアへスパイを送り込んだり。レーニンもチェカを創設し、スパイの摘発に乗り出す。ジェームズ・ボンドのモデルとなったと言われている華麗なスパイシドニー・ライリーや初代長官マンスフィールド・カミングなどが活躍するスパイの世界とは…

こりゃ、面白かった。ハゲシク面白かった。ほぼ全編知らない話ばかり。

作家サマーセット・モーム(高校の時に、彼の「月と6ペンス」英語で読まされた。読むのが面倒だったので、日本語訳だけ読んで試験に臨んだら散々な結果だった)もスパイだった。スパイ活動に必要なお金をロシアに持って行ったのだ。

その他、スパイの大変な任務がたくさん描かれるのだけれど、一番印象的だったは「脱出」 ソ連でいい情報を入手しても、イギリスに伝えるのが難しい。そうなるとソ連を脱出しなければならない。また身の危険の感じても、脱出しなけれればいけない。その脱出がすごく大変なのだ。潜入は楽でも脱出は難しい。まるで、付き合うのは簡単だけど、別れるのは難しい。結婚は簡単だけど、離婚は難しいのと同じではないか。いやちょっと違うか。

レーニン対イギリス秘密情報部

今日の一曲

原題はRussian Roulette 布袋寅泰で「ロシアン・ルーレット」



では、また。
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