頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『慈雨』柚月裕子

2016-12-04 | books
群馬県で16年前に発生した幼女殺人事件。容疑者は逮捕され、刑務所に行った。担当の刑事神場はあれは冤罪ではなかったのかと疑いながら定年退職した。そして妻と四国のお遍路をしている。そんな最中、養女の殺人事件が群馬で起こった。神場は16年前の真犯人がまた犯行に及んでいるのではないかと考える。お遍路の最中、並行して描かれる群馬での捜査はなかなか進まない。神場の娘の交際相手は刑事をしていて事件を担当しているので、進捗状況を教えてもらえる。お遍路しながら、推理する・・・

お遍路+刑事ミステリー

ミステリーというよりも、人情ドラマと言ったほうがいいだろうか。

謎解きよりも、冤罪を許さない刑事たちの熱い闘い、そんな感じだった。悪くない。

慈雨

今日の一曲

慈雨。雨の歌。玉置浩二で「雨」



では、また。
コメント

映画「この世界の片隅に」

2016-12-02 | film, drama and TV
戦争の始まる少し前の広島で育った浦野すずはちょっとぼうっとした女の子。呉に嫁に行った。軍港がある。義父と夫は海軍に勤めている。戦争中の淡々とした生活。そして戦争に翻弄される生活・・・

素晴らしい映画だった。

悲惨な時代を、ややほのぼのと描く。ありそうでなかった映画。主人公すずの声は元能年玲奈の、のんが担当。これがまたいい。彼女の声と、すずのキャラクターがぴったり合う。

さらに瀬戸内海の景色が実に素敵だ。

そしてストーリーもいい。ラスト近辺で意外な展開。実写ではなく、アニメだからこそ出せる味があちこちにあった。観てよかった。



コメント

『漂うままに島に着き』内澤旬子

2016-11-30 | books
「世界屠畜紀行」や「飼い食い 三匹の豚とわたし」(千葉で豚を買う話)の著者、今度は小豆島に移住することになった。なぜ移住することになったか、どうやって移住先の家を決めるのか、移住したらどんな生活になるか、赤裸々に語る。

話は面白いし、文章が巧い。そして決してかっこつけようとしない。彼女の書く本はその全てがいいのだ。

小豆島は離島なので、引っ越し代が高い。大手に見積もりを出してもらったら、40万円!どうやってもっと安くするか。東京との往復に、飛行機使うと片道3万円かかる。どうやって節約するか。

なんて話から、リアルな家選びの話まで。瀬戸内海って冬でも温暖なイメージだったけれど、場所によっては冬に水道管が凍るそうだ。

そして、島での生活。ヤギを飼い、島の人たちがしょっちゅう顔を出してくれて、ちょっとした食べ物をくれる。なんていい人たちばかりなのだろうか。

あとがきの一番最後に、

本書が人生の岐路に立っているのに動くに動けない人の背中を、こっそりやさしく押すことを、願ってやみません。

もし人生の岐路に立っているのに、一歩を踏み出せない人がいれば、ぜひご一読を。

自分もちょっと小豆島に住んでみたくなった。

漂うままに島に着き

今日の一曲

島。Kenny Rogers & Dolly Partonで"ISLANDS IN THE STREAM"



ドリー・パートンて今観ると、キレイになったマドンナて感じ。では、また
コメント

『壁の男』貫井徳郎

2016-11-28 | laugh or let me die
栃木の北東の方の町。家という家の壁に絵が描いてある。しかもその絵が稚拙。それが話題になってわざわざ見に行く人たちがいた。ノンフィクションライターの鈴木は、描いた本人の伊刈の取材を始める。しかし本人の口は重く、なかなか語ってくれない。仕方ないので、周辺の取材を始めることにした。そして時間を遡り、伊刈の人生を炙り出していく・・・明かされる秘密とは・・・

ううむ。本年度ナンバーワンと言ってもいいかも知れない。

最初は、塾を経営している伊刈が子供のために壁を絵で覆うようにしたのだと思っていた。それ自体は間違っていないのだけれど、なぜ最初は伊刈が町で受け入れられなかったとか、伊刈の子供や妻の話、そして伊刈が大学生の時、さらに前の話。遡ればのぼるほど、どんどん深くなっていく。

そしてその先にあるのは、ぐぐっと動かされた自分の心。それしかない。どう動かされてしまうかはネタバレを避けて書かない。

しかしラスト近辺になって、最初の方に繋がるのを読めば、ああ、そういうことかと納得すると同時に、伊刈のことが好きになる。

貴方の周辺にいる平凡そうに、あるいはつまらなそうに生きている人。実は、ビックリするような過去を抱えているのかも知れない。

壁の男

今日の一曲

壁。The Wallflowersで"One Headlight"



では、また。
コメント

店名にツッコんでください145

2016-11-26 | laugh or let me die
コメント (4)

『犯罪小説集』吉田修一

2016-11-24 | books
実際に起こった事件をモチーフにした短編小説集。

AmazonでPavlov no nekoという方のレビューにどの事件が元になっているか書いてあった。そのまま転載すると、

「青田Y字路」2005栃木小1女児殺害事件
「曼珠姫午睡」2009首都圏連続不審死事件
「百家楽餓鬼」2011大王製紙事件
「万屋善次郎」2013山口連続殺人放火事件
「白球白蛇伝」2016清原和博覚せい剤取締法違反

首都圏連続死事件は、あの木嶋佳苗の事件。大王製紙の会長がマカオでのギャンブルの負け100億を会社の金を使って返していた事件。

「白球白蛇伝」は清原の件とはだいぶ変更されている。それ以外の事件は、かなり元のままに近いような印象を受けた。何と言うか、事件の前後を、作者が想像で埋めた小説、という感じ。

その想像もしくは創造がなかなかに冴えているのでその辺りに読み応えがある。ただ著者の最高傑作というわけでないとは思う。

犯罪小説集

今日の一曲

吉田と言えば拓郎。武田鉄矢主演の映画「刑事物語」の主題歌。吉田拓郎で「唇をかみしめて」



では、また。
コメント

『煽動者』ジェフリー・ディーヴァー

2016-11-22 | books
容疑者の挙動から嘘を見抜くキネシクスの達人、キャサリン・ダンス。シリーズ4作目。冒頭いきなりマフィア絡みの事件でミスをした。停職は免れたものの、拳銃を取り上げられ民事部に異動させられた。担当した事件はライブ会場での火災事件。逃げ惑う観客たち。非常口が開かず、犠牲者が出た。調べてみると、非常口の外側にトラックが停まっており、扉が開かないようになっていた。何者かがトラックを移動していたのだ・・・ 犯人はアンティオック・マーチ。パニック状態をわざと引き起こしているのだ。かなり用意周到な男。しかし動機は・・・ マフィア事件やヘイトクライムも同時に起こっている。どうやって解決に至るのだろうか・・・

途中ちょっとダレてしまった。リンカーン・ライムシリーズは微細な証拠が膨大に登場して、疲れる。キャサリン・ダンスシリーズは読み飛ばしても構わない情報が結構多いので、少し読み飛ばしてしまった。

しかししかし、ラスト近辺になって、動機が分かったり、容疑者の逮捕に至ったりするのだけれど、それだけでは終わらなかった。2つの大きなどんでん返しがあり、ものすごく良かった。

ただ意外というだけじゃなく、「いいどんでん返し」だった。何がどう「いい」のかは読んでのお楽しみに。

本文の中でも少し出てきたのだけれど、原題のSolitude Creek(地名)のsolitudeって孤独って意味だよな?lonlinessとどう違うのだろうなと調べてみた。

ハンナ・アーレントによると、

"The lonely man finds himself surrounded by others with whom he cannot establish contact or to whose hostility he is exposed.

The solitary man, on the contrary, is alone and therefore "can be together with himself." In solitude, in other words, I am "by myself", together with my self, and therefore two-in-one, whereas in loneliness I am actually one, deserted by all others.

All thinking, strictly speaking, is done in solitude and is a dialogue of thought.

Solitude can became loneliness; this happens when all by myself I am deserted by my own self. Solitary men have always been in danger of loneliness, when they can no longer find the redeeming grace of companionship..."

関係性を築けない人たちや、敵意を持っている人たちに囲まれている状態がlonlinessで、思考しているときや「自分自身」でいるときはsolitudeという感じだろうか。lonlinessは「孤独」で、solitudeは「孤高」と訳せばいいか。

今日の一曲

ダンスの部下のT.Jは格好も聴く音楽も60年代のヒッピーもの。彼の好きなアーティストの一人。Jefferson Airplaneで"Somebody To Love"



69年のウッドストックだって。この時代にタイムスリップして西海岸に行ってみると面白いだろう。では、また。
コメント

『蜜と唾』盛田隆二

2016-11-20 | books
大学生の時に家庭教師をしていた亮平。担当していた小学生は交通事故で亡くなってしまった。あれから五年。ブラック企業に勤めていたこともあったけれど、今はフリーライターをしてなんとか暮らしている。するとその子の母親美帆子から久しぶりに連絡があった。亮平の書いた記事を読んだと言うのだ。離婚し、再婚して今はバーのママをしている。その店に行くことにした。店の女の子早紀と知り合いになった・・・ 美帆子と関係を持ちたいと願う男性客は多い。そのうちの一人、波多野に対して美帆子が積極的にアプローチしてきた・・・ 亮平、美帆子、早紀、波多野、大病を患った美帆子の夫。それぞれの関係が複雑に交差し・・・

著者初のミステリーだとのこと。確かに謎はあるし、人は死ぬけれど、ミステリーとしては弱い。ミステリーだとは思わないで読んだ方がいいだろう。それよりも、ある種の変化球なラブストーリーと読むとかなり楽しめる。一応、魔性の女ものとかファム・ファタールものだとも言えると思う。万人受けはしないかも知れないけれど、かなり好みの小説だった。

あるいはまた、ほかの言い方をすれば、マラソンを走っている最中に、突然ゴールがなくなってしまったら、あまりの寄る辺なさに途方に暮れるだろう。走るのはきみの自由だが、ゴールはないからね、と冷酷に告げられた気分。その理不尽さは、苛立ちより不安感を増幅させる。

「蜜と唾」というタイトルの意味がさっぱり分からなかった。読後しばらく時間が経つとなるほど、そういうことと分かる。女(または男)から滴り落ちるのは、蜜なのか、それとも唾なのか。善なのか悪なのか。

Twitterで 深爪さん(@fukazume_taro)が

「射精されると『この人私のこと大好きなんだ』と考える女子より『汚い』『怪我された』と考える女子の方が多いんじゃないかな」というツイートを見たんですが、私は射精されると「勝負に勝った」と考える女子です。

とツイートされていたのを見かけたことを思い出した。

蜜と唾

今日の一曲

先日ラジオで流れていた。懐かしいけれど、タイトルもアーティストも知らなかった。 Leon Russellで"A Song For You"



では、また。
コメント

『リーチ先生』原田マハ

2016-11-18 | books
戦前、日本にやって来て、柳宗悦らと交流し、陶芸を学んだ英国人、バーナード・リーチ。彼の助手を務めた亀乃介の視線で描く、史実をもとにしたフィクション・・・

悪くない。悪くはない。でも面白く「は」なかった。

陶芸とか、リーチとか、時代に雰囲気を知りたい人にとってはオススメ。

しかし「物語」を読みたい私にとっては、物足りなかった。

最初から、いきなりリーチ先生礼賛で、それがずっと続く。そして日本文化、日本の陶芸礼賛も続く。そして亀乃介、柳、その他もろもろ全ての登場人物がいい人。本の中が全て礼賛礼賛で続く。それが気持ち悪かった。もっと引っかかるところはないのか?全てがストレート過ぎる。

内向きの政治が最近流行しているらしい。トランプ、安倍、習近平、プーチン、Breexitなど。自分たちはすごくいい。素晴らしい。と賞賛する気持ちの悪さを、この本に感じてしまった。

いや、この本は悪くないかも知れない。まさか原田マハがそんな本書くわけないだろう。たまたまこういう時代だからそう思うだけなんだろう。よくワカラン。(私の調子が悪いだけかも知れません。すみません)

リーチ先生

今日の一曲

特に思いつかないので、カシオペアで"ASAYAKE"



では、また。
コメント

『傷だらけのカミーユ』ピエール・ルメートル

2016-11-16 | books
「悲しみのイレーヌ」「その女、アレックス」(原作はこの順番で出版されたけれど、翻訳は逆だった)で、衝撃を与えてくれたカミーユ警部シリーズ第三作(三部作の完結編!もう読めないのか!)

妻を亡くしたカミーユ警部に新しく恋人アンヌができた。しかしアンヌは宝石強奪犯の顔を見てしまったがゆえに、襲撃されてしまう。重症のアンヌのすがたを見ると、犯人を是が非でも捕まえたくなるカミーユ。しかし親しい者が関わっている事件を担当するのは警察では御法度。彼女との関係をかくして隠して捜査にあたる。かなり強引な捜査を進めるが、なかなか犯人を捕まえられない。それどころか、顔を見られたからか、アンヌを殺そうとしていた・・・

ううむ。ううむ。

第三部になってやっとある登場人物が誰だか分かる。驚いた。そしてそいつの動機が分かるとすべてがストンと落ちる。そういうことだったかー。(ミステリーを読む意味というのは、このカタルシスにあるように思うがいかが)

さすがとしかいいようのない衝撃のフレンチ・ミステリーだった。未読の人はぜひ「悲しみのイレーヌ」から読まれたし。普段ミステリーは読まない人でも、普段翻訳ものは読まない人にオススメ。読みやすい。

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

今日の一曲

現代は"Sacrifices" Elton Johnで"Sacrifice"



不倫の歌だと思っていたのだけれど、"Into the boundary of each married man"という歌詞があって、もしかして既婚の男性二人の恋のことかとも思ったけれど、よくワカランかった。では、また。
コメント

店名にツッコんでください144

2016-11-14 | laugh or let me die
コメント (4)

『眩(くらら)』朝井まかて

2016-11-12 | books
葛飾北斎の娘、お栄。男っぽい性格で、絵がなにより好き。父親の絵を手伝ってきた。そんなお栄の結婚、離婚、商売としての絵画。北斎の借金、亡くなった姉の、どうしようもない息子。「富岳三十六景」などに誕生秘話。のちに、葛飾応為と名乗ることになる絵師の、生涯を描く・・・

おお。ストレートに面白かった。ただひたすらに面白かった。

同じ人物を扱った杉浦日向子の「百日紅」は読んでない。キャサリン・ゴヴィエの「北斎と応為」も読んでない。自分はちょっと絵には詳しいんだけど、って顔をしていたけれど、恥ずかしい恥ずかしい。応為という画家の存在すら知らなかった。(本作に出て来る、小布施の寺の天井画は観た。って言うとまた「俺は絵に詳しいんだぞ」という、クソのような自慢になる)

お栄という、がさつな女がいい。絵以外のことには関心が持てない。そのことに、特段の自慢に思う気持ちもないし、他のことができないということに対しても、卑下する気持ちもない。(ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で、みくりこと、新垣結衣が、星野源演じる津崎に対して、「自尊感情が低い」と分析している。それは当たっていると思う。自分を過剰に卑下もせず、リスペクトもしないナチュラルな生き方が素敵だと思う今日この頃、いかがお過ごしでしょうか)

様々な絵がどういう経緯で誕生したのかとか、江戸の人々の生きざまとか、現代を扱う小説とは違うネタが多い。松本清張に耽溺していた中学生の時には決して楽しめなかった類の小説だ。

応為の絵、北斎の絵、観に行きたくなった。「北斎と応為」「百日紅」どちらも読みたくなった。(と言って読まなかった本は何冊あったのだろうか・・・)(今度飲みに行こうね、と言って行かなかったケースは何回あったのだろうか・・・)(今度返すからね、と言って返さなかった金はいくらあったのだろうか・・・)

眩

今日の一曲

応為も北斎も葛飾。葛飾と言えば柴又。と言えば、「男はつらいよ テーマ曲」で。



男は、楽な稼業。本当につらいのは女ではないかと思うのだけれど、どうだろう。では、また。
コメント

『新任巡査』古野まほろ

2016-11-10 | books
警察学校での厳しい訓練を経て、派出所に配属になった上原頼音と内田希。前半は上原の視線での描写、後半は内田。日々鍛えられる。やらなければならないことはあまりにも多い。元警察官が描いた、超リアルな巡査の日々。そして、とんでもないラスト・・・

なんだこれは!

膨大な情報量。650頁もあって、交番の下っ端の仕事がこれでもかと細かく書かれている。(警官になりたい人は読んだ方がいい。必読書) 大変さが非常によく分かった。これからお巡りさんを見かけたら、もっと優しい目で見てあげようかと思う。

新人巡査の大変な日々(=凶悪事件は出て来ない)で終わるのかと思ったら、ものすごくものすごく意外な展開がある。自分は結構東西のミステリーを読んでいて、どんでん返しには慣れていると思っていた。しかーし、これにはぶっ飛んだ。すごいぞ。

新任巡査の仕事のリアルさ + ミステリー がうまく配合された傑作だった。

新任巡査

今日の一曲

警官の物語。The Policeで、"Roxanne"



では、また。
コメント

『氷の轍』桜木紫乃

2016-11-08 | days
釧路で見つかった遺体は80歳男性。札幌の元タクシー運転手だった。担当の刑事二人は札幌へ。綺麗に片づけられた被害者の部屋。本棚からは北原白秋の古い詩集が出てきた。古書店の領収書が挟んであり金額は一万八千円。録画されたテレビ番組は旅行もの。評判がよく悪い噂を聞かない被害者。少しずつ少しずつ被害者の過去をさぐって青森へ・・・

従来の桜木紫乃作品とは若干違う。かなりストレートな警察ミステリー。

刑事が過去をちょっとずつちょっとずつ明らかにしていく感じが、松本清張っぽい。「砂の器」のような。明らかになる意外な犯人、意外な動機。巧い。

目の前に鮮やかに立ち現れた千恵子を通して、米澤小百合の人としての「薄さ」が目につき始めた。意識的なのか無意識なのか。片桐の言葉を借りればそれは「鈍感」で片づけられる。

善意でしていることが、相手にとっては悪意ととられることもある。そんな話だった。

氷の轍

今日の一曲

氷の轍。コブクロで「轍」



では、また。
コメント (2)

『その雪と血を』ジョー・ネスボ

2016-11-06 | books
刑事ハリー・ホーレシリーズのジョー・ネスボが書いた、70年代のノルウェー。ポン引きもうまくできないので、殺し屋になったオーラブ。雇人はマフィアのボス。以前に、オーラブはボーイフレンドの借金のために売春させられそうになたマリアを助けたことがあった。マリアは聾唖?者で、片足が不自由なのだ。そんなマリアのことをずっと気にかけていた・・・ ボスから、ボスの妻を殺せと命じられた。ボスの妻、コリナにオーラブは一目惚れしてしまった・・・ オーラブはどうするのか・・・

ものすごく不器用。ある意味「誠実な」男オーラブ。(私などは「小賢しい」人間なんだと思う。先日ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で新垣結衣演じるみくりが「自分は大学の時の彼氏が就職活動で苦労しているのを見て、『あなたはこれが足りないのだからこうした方がいい』とかアドバイスしていたら、『小賢しい』と言われてしまった」と言っていた。しかしみくりより私のほうが小賢しいぞ。しかし、あのドラマは面白い)

オーラブのある種の単細胞的ま真っすぐな生き方が清々しい。

そして、ファム・ファタールものとしてもミステリーとしてもなかなかいい。

そして、ラストシーン。映画になったを観てみたい。こんなに美しいラストが読める小説はあまりないと思う。

その雪と血を(ハヤカワ・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1912)

今日の一曲

本とは無関係。MVが発表になったばかりの、水曜日のカンパネラで「アラジン」



コムアイのこの動き! では、また。
コメント