令和3年4月4日
このコースは広島湾に浮かぶ江田島の主稜の山を縦走する人気のあるコースです。
瀬戸の島々を潮風に吹かれながら山を歩けば気分も爽快になること間違いありません。
特に古鷹山は鷹が羽を広げたような山容と海軍兵学校所縁の山として人気があります。
当日の広島地方の天気予報では前夜半から雨で午後には回復に向かうとのこと。
予報が外れたのは「前線が通過するため激しい雷雨や突風が吹くところもあります」
しかし、幸いにも実際に降った雨は静かにしとしとと降る優しい春雨でした。
最初、宇品港を出るときから真っ白で展望は全くききませんでした。当初は12名あまりの参加申込者がありましたが雨天のためか実際に参加された方は6名でした。
晴れれば行く人と、雨でも行くという割合が半々、このようなものでしょうか。私の山行は天候にかかわらず予定通り実施しています。雨天山行は訓練になると考えているからです。
長期間の山行中には途中で天候が変わることもあります。それにもきっちりと対応できるようにしておく必要があります。そのため雨具の着用に慣れましょう。天気予報の当たる確立は70%程度で外れることも多々ありあまり気にしていません。「断じて行えば鬼神もこれを避く」の精神です。春夏秋冬、あるがままの自然を楽しんでいます。
悪天候の山行は勉強になることが多い。うっとおしいので精神的にもタフでなければならない。忍耐力も必要です。落葉に埋もれた地面も石も濡れれば滑りやすくなる。雨に濡れなくても汗で体が濡れてくるので衣類調整が必要。低体温症対策。パッキングの防水対策。濡れない収納方法。食事の取り方。装備に不備があれば小さなことでもそこからトラブルが発生します。参加者の対応状況にも気を配らねばなりません。晴天の時には全く問題にならないことが多く発生します。だから勉強になるのです。
今回は雨天のため道中では講習ができないので、宇品港の待合所、乗船中に磁石や地図の見方、進行方向の決め方、山行中の注意事項等の勉強会を行いました。船内で雨対策もしっかりと行い、切串港に着けばすぐに出発できるよう準備しました。
(古鷹山頂上の方位盤と後方に旭日旗が見えます)
10時40分、切串港を出発。終了点の小用港に到着したのが14時30分、その間休憩したのはクマン岳、古鷹山の山頂等の3回で休憩・食事に要した時間は30分のみでよく歩きました。密度の濃い山行でした。やればできる。良い体験となり力を付けました。
(アセビの花といえば思い起こす歌があります。つい心を準えてしまいます。
磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど
見すべき君が在りと言はなくに(万葉集巻2-166)
景色が見えなかっただけにいろいろな植物に目が行きます。満開の山ツツジの紫色、白い鈴玉がかわいいアセビの花、赤い椿の花が落下して絨毯の様でした。最後の第一術科学校を見下ろす丘の上にはふた抱えもある桜の大木がありました。醍醐桜の様だという人もいました。それほど立派な桜です。開校して130年余り、ズートその歴史を見守ってきました。これからもその行く末を見届けるがごとくく静かに堂堂と立っています。その木の下は辺り一面文字通り華やかなピンク色の絨毯。皆歓声をあげて喜びました。最後にいいものを見せていただきました。みんなよく頑張ったご褒美でしょう。今度はこの桜の木を見に来よう。
(頂上直下の岩場、雨に濡れて滑り易い、平らなところか、尖った岩に足を置きましょう)
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