まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

島々宿から徳本峠

2012-10-02 22:04:54 | 日常
平成24年9月26日から28日
このたび、念願の徳本峠に行ってきました。
上高地側の明神からは今までに3回登っていました。
本来のルートである島々から登る気になったのは、長い山道を登りようやく峠に立ったとき突如として現れる穂高連峰の勇姿を見る感激を味わいたかったからです。
昭和8年釜トンネルが開通するまでは上高地に入るにはこの徳本峠を越える意外道はありませんでした。日本アルプスを世界に広めたW.ウエストンや日本山岳界の重鎮、小島烏水、志賀重昂を始め多くの大先輩が通い、高村光太郎夫妻や芥川龍之介もここを通っています。地元の人達も放牧や、薬草採り、炭焼き等のため歩いていた生活の道でもありました。私もこれらの大先輩にご挨拶にお伺いする心境で、ラフな登山シャツでは申し訳ないような気がしたので山行できるのは初めてですが、私の山の礼装である昔のアルプスのガイド風の背広の上着とニッカズボン姿で徳本峠小屋に入りました。この気持ちわかってもらえますか。
島々宿から徳本峠までは距離16キロ、標高差1400メートル、所要時間約7時間の道です。二俣までは車道です。但し一般車は入れません。ここから山道になります。
巾は50センチくらいの狭さ大きな樹林帯で木陰も爽やか。渓流の音を聞きながらうす暗い川沿いの道です。重い感じの湿気が心地よく呼吸が楽に感じます。落葉に踏み固められた道はしっかりとした存在感があり歴史、年輪を感じさせます。この狭さがちょうど良い。確実に大先輩が歩かれた道であることを感じさせてくれる。
登山道は補修工事のところもあったが迷うようなところはなかった。岩魚留小屋は人もおらず廃屋同然でした。ここを通った人は平日のためか2パーティ、3人のみ、これでは商売になりませんね。地図ではこのあたりより高度が上がり急斜面になるはずですが、ジグザグにつけられており息を切らすほどの急斜面道はなく楽に上がれました。昔の人は実によく考えて作られた人に優しい登山道でした。予定どうり3時過ぎに峠に立つことが出来ました。独標から西穂高、ジャンダルム、奥穂高までの岩峰、前穂高から
明神の峰峰がすぐ前に見える。それらを歩いた感動が思い出されて話は尽きることがない。庭先の縁台にて抹茶を立てて優雅な時を思う。昨年出来たばかりの新館は未だ杉の香りが漂い心地よい。平日だから部屋も開いていると思っていたが満室。11月の小屋じめまでほとんど予約で一杯とのこと。料理も美味しく、布団もふんわりと暖かく快適な小屋でした。目的を達成した満足感、宿題を終えたような安堵感、肩の荷が下りたような心地です。3日目は台風18号のため雨を覚悟していましたが台風も避けてくれ快晴の一日でした。良い山旅が出来たことを感謝いたします。
コメント
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