アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーが乳がんの予防のため自分の乳房を切除した、いわゆる「医学的選択」が大きな話題を呼んでいる。母親が56歳でがんで亡くなり、自分も遺伝子に変異があって乳がんの確率が87%と著しく高いためで、切除の結果確率は5%になったという。
これに関し今朝の朝日新聞には、遺伝性のがんについての記事を載せていた。
遺伝子が変異してがんになりやすくなった性質が子に遺伝するもので、全体としてがんの5%は遺伝によるものだという。がん全体に占める割合は小さいものの、遺伝子に異常のある人は50%~100%がんになるというから恐ろしい。そうしたリスクのある遺伝子は自己負担20万~25万で検査できるものがあるそうで、今後予防医療の観点から議論になりそうである。
がんの予防に絡んで数日前の新聞ではピロリ菌除去のことが載っていた。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃酸にも耐えることのできる特異な細菌で、感染すると胃壁に取りついて胃潰瘍や胃がんの原因になることが知られている。記事はピロリ菌の除菌でそれらの予防を奨めるものであった。
私はかつて長い間”胸焼け”に悩まされていた。特に日本酒、ブドウ酒、紹興酒などの醸造酒(焼酎やウィスキーのように蒸留をしないお酒)を飲むとテキメンで、当時は毎日のように付き合い酒を飲んでいたので、制酸剤を手放せなかった。それだけではなく、夜中寝ている時に胃酸が口まで逆流して来て胸が文字通り焼けるように熱くなり、時には気管支の方に入って咳込んで苦しんだ。10年ちょっと前に病院に行ったら、胃潰瘍と逆流性食道炎とかで、ピロリ菌もひどく多いということだった。2週間かけてピロリ菌を除去(勿論、潰瘍と食道炎の治療も)した後は、それまでのことが嘘のように胸焼けや胃酸の逆流がなくなった。この変わり様は本当に劇的であり、それほどピロリ菌除去が効いたわけである。
後日あった会社の定期健診の産業医問診の際にその話をしたら、「よかった。食道がんになるところだったですよ」と言われた。先日のこの記事を身につまされて読んだ次第である。
[今日の花]
アヤメ(菖蒲:アヤメ科)
クサノオウ(草の王または瘡の王:ケシ科)
コヒルガオ(小昼顔:ヒルガオ科) ムラサキツメクサ(紫露草:マメ科)
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