陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

廊下はどこに続く

2006年05月06日 | cocoro

“みんながあの日の服装で
あの日の顔つきで
落葉松の緑が萌えている道を
笑いながらもう一度やって来ないかな”
■伊藤整「もう一度」より

陽光がまぶしい校庭で野球を見ていたが、
体のほてりを休めようと校舎に入った。
ひんやりした廊下が見通せた。
右手に職員室と校長室の看板。左手は窓が続く。
まるで遠近法の写生のモデルになりそうな廊下だ。
映像なら廊下の向こうからカメラに向かって
若き日の自分と昔の級友たちのシャドウが
スローで駆けてくるのかな。

震災で残ったこの校舎には
野球の歓声は何も聞こえてこない。
心を澄ませば
あの日の14歳たちの声が聞こえてきそうだな。
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2 コメント

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心の中に ()
2006-05-06 21:48:05
14才の少年の姿が見えてきそうです。

純粋に生きていた頃の、誰にもそんな懐かしい場所が存在しますね。

あの頃にはもう戻れない、今はいろんなことを知りすぎてしまいました。

校舎が震災を免れてよかったですね。
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詩の続き (estril)
2006-05-07 12:40:45
冒頭の伊藤整の詩は

“そのときこそは間違いなく

本当に生き直したい

あの過ちをすべてとりかえしたい”

で結ばれています。
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