先日、薬研堀の五つの銅貨で
マスターと酒談義をしていた。
最近の洋酒のCMの話になる。
某洋酒メーカーのCM品定めに。
「ああいうのに男は弱いよなあ。」
「でもやっぱり僕らの世代は
小雪より絶対、大原麗子だなあ。
華奢な体つきに似合う着物姿
あんな女房いたらもったいないよ。」
大原麗子に市川崑監督。
美しい日本の情景と映像。
着ていた着物も美しいあのCM。
あんなクリエイティブ、今では
そうそうお目にかかれない。
あの頃のこの会社のCMには
文化の香りがそこはかとなく…。
熟成の芳香漂ういい時代だった。
その大原麗子さんが亡くなった。
一番好きな女優さんだった。
“すこし愛して、ながく愛して”
Love me little,love me long.
イギリスのことわざらしい。
男女、特に夫婦の愛の在り方や
その継続性を説いたもののようだ。
愛とは惜しみなく奪うもの(有島武郎)
激しく奪えばやがて枯渇するのだろうか。
その愛が年月と共に痩せないように。
大原麗子さん。
僕も貴女をすこし愛してました。
今に至るまでながく愛してました。
初めて憧れたのは中学生の時です。
以来、いつまでも憧憬してました。
特に貴女のスローさと、何より
その着物姿が一番好きでした。
残念です。
どんな状態でもいいから
生きてて欲しかった。
安らかにお眠りください。