花見小路新橋から川端通りへ抜ける。
石畳の径から白川をしばらく眺めていた。
水の流れを見ているだけで涼を感じる。
京都は暑い町だが景感はとても涼しい。
みやこびとの知恵そして洗練されたセンス。
センスと言えば京都の会社はデザインに拘る。
何十年も前のこと、大阪から京都に転任したとき
広告原稿の打合せで京都のデザインに対する
意識の高さにとても驚いたものであった。
昔はデザインなんてサービスみたいな時代だった。
これが千年という光陰を経た都の深さなのだ。
“ゆく河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず…”
しばし想い出の去来に佇んでいた。
白川の水の流れに解く炎暑