ときどき行く薬研堀の「五つの銅貨」。
ご夫婦でやっているジャズベースの店。
お二人の雰囲気が客を自然と選び
客もまたそういう店を自然と選択しながら
普通だが上質なテイストが形成されていった。
そういう風に感じさせる素敵な店である。
ちなみにあまり若いのが来ないのもいい。
そのマスターとの日本酒地酒談義。
互いの薀蓄の持ち駒を交換しながらの
品定めは好奇心わくわくで、いつも
なかなか楽しいひとときになる。
「これはうまいよ。」
と言っていたのが岩国の酒「五橋」。
その名もしばらく忘れていたのだが
先日、神戸大丸に行った折に
かみさんが買い物をしている間
時間潰しにお酒のコーナーに立ち寄り
買うとはなしに並ぶ日本酒や焼酎を
つらつらと眺めていたら…
その棚の右端に見つけた「五橋」の文字。
そこでマスターの言を思い出したのである。
純米酒「五橋」。
トラタン村山田錦全量との帯。
山口は岩国の酒である。
「五橋」とすなわち錦帯橋のことだ。
日本酒の美味さは人それぞれだが
私もかみさんもひと口でそのうまさを実感。
含んだときには水のように主張せず
しかし
その旨みがすっきりと舌に伝わる酒だ。
こういう酒が好みである。甘みが
べたっとしない上品さがいい。
これなら
また酒好きなあの人にも一本持参して
ふふ…ちょっと口上を垂れて
自慢げに薦めてあげようかな。
いい酒にめぐり合うと
こういうわくわくも増やしてくれるから
それもまた楽しからずや!なのだ。
■名門酒会 純米酒 五橋
酒井酒造
山口県岩国市中津町1-1-31