陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

特急やくも5号で米子へ

2007年03月29日 | slow journey

岡山発午前九時五十三分。
特急やくも5号で米子へ行く。
順調に行けば午後十二時五分に
米子駅に着く。今回は指定が取れず
自由席での出張となった。
山陰へ向かう車内模様は様々である。

出張の会社員たちは、どうやら
大手の設計関係の人らしい。
いろいろと図面を見ながら打ち合わせだ。

出発してしばらくして、隣の車両から
目立つカップルがやってきて
空いている席に座った。大きな
ジュラルミンのケースが通路にはみ出した。

一見して会社員風ではない。
三十代後半か。
男はヒロツノダのような雰囲気。
黒の背広。胸には大きなブローチが光る。
指にはこれも大きな指輪。

女も三十代だろう。雰囲気は
一昔前の美容部員風だ。
髪を茶に染めやや崩れた色気が漂う。
これも指には何本もの指輪が…。
女は缶珈琲を男に差し出した。
ひょっとしたら夫婦者かもしれない。
それなりの仲であるのが
所作や仕草で見て取れる。

どうやら二人はこれから
山陰を行商する宝石屋らしい。
あのジュラルミンのケースには
一体どれだけの宝石が詰まっているのか。
宝石商は地方をまわると聞いたことがある。
結構なお金持ちの奥さんたちが
即決でポンと買ってくれるらしい。だが

「昔は1千万もの宝石も売値で売れたが
今は値切り倒されて薄利になってきついよ」

ある宝石商の営業部長がなじみのバーの
カウンターで嘆いていたのを聞いた。

この二人もどれだけの成果が
この山陰であがるのだろう。

特急やくも5号…。
車中の誰もが、仕事に向かっている。
みんな手ぶらの成果無しでは帰れない…
と思っている。
そういう私も
「このプレゼンは成功させねば。」
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