私の住んでいるところは
新旧が交わった街並みである。
地元の新聞社の人が
「広島には温泉地がないけ。」
と言ったが、何のことはない。
こうして街中にはあるではないか?
温泉ちゅうものが…。
いと嬉し。
この温泉、看板の下から
家と家の間の路地を入り
少し奥まったところに暖簾がある。
これがまたたまらなくいい感じ。
一人暮らしを始めて思ったこと…。
いろいろあるけれど、とにかく部屋が寒い。
家族が居て煮炊きをするということが
どれだけ暖かいのかを思い知る。
この3月の思いのほかの寒さに
寄る年波を隠せぬ中年男の
独り身の肌寒さをつくづく実感した。
思わず加藤登紀子のあの歌を
口ずさみそうになるがかろうじて堪える。
それにしても看板が温かそうなこの温泉。
ご近所にあってよかった。
近くにこじんまりしたお好み屋もある。
そこのおばさんもお母さん然としていい。
夏はひと風呂浴びたら、このお好み屋で
風呂桶もってテレビ観ながら
風呂あがりのうまいビールを楽しもう。
どうやら私には六本木ヒルズよりも
こちらの方が性に合っていそうだ。