陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

春の匂い

2006年03月18日 | slow life

「これは春だね。」
「ええ、春の匂いです。」
歓迎会の会場へ赴く道中でふと感じた春の匂い。
今夜の歓迎会の主役である副本部長はそう言った。

3月17日の夕刻。
五感がたしかに春を感じた日であった。

春らしい会席料理が出た。
たけのこをあしらった料理に春野菜の天ぷら、
それぞれにちょっと梅の小枝をあしらったり
盛り付けも視覚で春を感じられて美しい。
今宵の宴はなかなかの出来映えだったかな。
久々の幹事役も無事終えてひとり帰路に着く。

さてと。神戸に帰って
これからいつものbarにでも寄るか。

地下鉄に乗ろうとしたら携帯が鳴った。
やな予感…。
やれやれと思いながら、来た道をまた戻り
北浜にあるスナックへと向かった。
「やっぱり幹事はエスケープはできないなぁ。」
とひとりごちる。
店内はカラオケの喧騒で盛り上がっていた。
ここは一足早くもう春爛漫といった感じ。
また、やれやれ…。

ふとこの窓から対岸の中ノ島公園を見やると
ベンチに腰掛けるアベックのシルエット。
真面目に楽しそうに話しているように見える二人。
ときどき女性の肩が揺れている。いい雰囲気。
「そろそろかな?」
なんてスナックの窓から囃している我々。
酒の肴にされているとはつゆ知らず微笑ましい。
愛を囁き合う関係ではなかったのだろうか
アベックはいつの間にかベンチから消えていた。
今宵のこの中ノ島の風景はきっと
この年の春の記憶として
僕の脳裏に強く印象に残るだろう。

「もうすぐ桜だなぁ。」と心でつぶやく。
さて、今年は桜をどこで愛でようか。
「やはり京都にしようかな」
なんてぼんやり考えながら店を出た。
別れ際、「新地に行こうや」と
皆を誘っている支店長を振り切って
地下鉄へと続く階段を下りた。
今度は間違いなく電車に乗れそうだ。




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