大湊神社
東尋坊から海を見回すと、
さほど遠くないところに小島があり、橋でつながっている。
神社だとわかり、お参りしてから帰ることにした。
橋を渡り始めると、ところどころに黒い液体のようなものを撒いた跡がある。
釣りが好きな甥っ子によると
イカ釣りの跡だと言う。
海は透き通っていて、底が見えるほどきれいだった。
鬱蒼と茂ったところを入ると、急峻な階段。
登り詰め、模様のきれいな敷石を伝って社殿に行き、振り返ると
鳥居越しに海が開けていた。
鳥居をくぐると、小さなテラス状になったその向こうは、崖だった。
人はここで、船の航海の安全を祈っていたのだろう。
帰る頃には、少し波が立ちはじめていた。
小舟が1艘、揺られながら釣りをしていた。
舳のその先に、海鳥が1羽浮いていた。
おこぼれを狙っているのだろうか、
ゆったりとした時間だけが、流れていた。