江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

足の親指

2014-11-15 19:29:19 | 人形について
何も水虫の話ではない。

大先生と呼んでいた私の師匠のお父さんが、
人形は足の親指の、とりわけ付け根で遣うのだ
と何かのインタビューに答えていた。

何のことだろう、そんな訳ないと思っていたが、
最近自分が人形を遣う時、
足の親指を中心に遣っている
と感じるようになって、
先のインタビューを思い出した。

大先生と同じ感覚なのかはわからない。
ただ、特に女形を遣う時にそういう感覚になる。
大先生は女形の名手だった。
いまだに私は到底足元に及ばないし、
人形の遣い方がどう変わったからそういう感覚になったのかも
わからない。
まだ足の付け根という感じではないので、
これからも遣い方が変わっていくのだろう。
不思議な感覚で、面白い。

水虫にならないように気を付けよう。
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哀悼

2014-11-15 01:15:49 | 日記
松本源之助親方が亡くなった。
江戸里神楽の宗家。

親方に初めて会ったのは、今から20年近く前だった。
親方は無表情で怖い雰囲気を出していて、
私はこわごわ挨拶をした。
そして私の出番になった時、
親方は自分の社中に、総見を指示したのだ。
ずらりと客席後方に並んだ太神楽の面々。
親方はというと、
舞台の袖にシメ(締め太鼓)を置いて、
私の音に合わせて、打ち出した。
それは軽やかに弾んで、流石に上手かった。
なんて思ったのは後からで、
その時私は、ガチガチに緊張していた。
今思えば幸せな、贅沢な時間だった。

それからは、お会いする度いろんな話を聞かせてもらえた。
怖いほど無表情な顔が時折崩れ、
可愛いと思えるほど茶目っ気たっぷりな話し方になった。

ここ2年ほど社中とはご一緒しても、
親方には会えなかった。
もっとお話を伺いたかった。

良い芸人がどんどん亡くなっていく。

心よりお悔やみ申し上げます。
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