マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『ぶんきょうの坂道』の坂を上り終えて

2016年02月09日 | 

 文京ふるさと歴史館発行の『ぶんきょうの坂道』には全部で115の坂道が載っている。一昨年までは精力的にこれらの坂道を歩いたが、去年一年は少しご無沙汰していた。目白台下にある“関口フランスパン”を訪れる機会を利用して、今年に入って目白台の坂の残りを全部上り、後は小石川台地を下る堀坂と六角坂を残すのみとなっていた。
 そこで7日(日)にこれらの坂に出向き撮影をして来た。『・・・坂道』には115の坂道が紹介されているが、既に坂道の痕跡がないものもある。小石川植物園内にあるとされる鍋割坂(病人坂)はついに発展出来なかったし、目白台地を神田川へと下る浅利坂は『・・・坂道』に「現在は家がたてこんで坂はなくなっている」と書かれ、両坂は写真も掲載されていない。
 ネット上「23区の坂道」では文京区の坂道117が紹介されているし、名前の付けられていない坂道が多数あることも考え合わせると、全部を上ったと言い切れるものではないが・・・。それでもこの時点を区切りに”完登”の感想を綴っておきたい。(写真:『ぶんきょうの坂道』の表紙は広重の相生橋)

 坂名の名付け方が面白い。坂名には坂上や坂途中にある神社・お寺や武家屋敷に由来するものが多い。
 金剛寺坂や蓮華寺坂・浄心寺などは寺名に由来し、安藤坂や伊賀坂・服部坂は武家屋敷名から採られている。上るのが大変なので胸突坂と命名された坂は3つ。昼なお暗かったからか暗闇坂との命名が2つ、等々。
 一番長い坂は?多分菊坂。広重『名所江戸百景』に登場する坂は?相生坂。個人名が登場する坂は?実盛坂。クイズ問題が出来そうである。
 ここで、私好みの坂を3つ挙げたい。それは鷺坂と鐙坂と胸突坂(芭蕉庵脇)
 鷺坂は小石川台地を音羽通りへと下る坂で坂の周りの石積が美しく直角に曲がっている。(写真:鷺坂)



 鐙坂は、昨年に閉店した菊水湯そばの坂道で『改撰江戸志』には坂のかたちが鐙に似ているから名付けられたのだろうと書かれている。やはり石積が見事で、坂途中には金田一京助旧居もある。(写真:鐙坂)










 水神坂とも呼ばれる胸突坂は長くて急な階段状の坂道で、坂下には芭蕉庵が、西に神田上水を守護する水神社がある。芭蕉庵は、松尾芭蕉が上水工事にかかわって、この辺りに居住したと伝えられるゆかりの地で、「五月雨にかくれぬものや瀬田の橋」の句の真筆を埋めたと伝えられるさみだれ塚がある。(写真:胸突坂)
 最後に面白い名前の坂5つ。妻恋坂・炭団坂・異人坂・お化け階段・鼠坂。



         (芭蕉庵)  
 本書は坂名と所在地だけでなく、その由来やエピソードなどが紹介されていて、坂道探訪の良きパートナーであったことも書き添えておきたい。坂めぐりは歴史巡りでもあった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。