実は長岡を訪れるのは今夏が初めてではなかった。1975(昭和50)年だったと思うのだが、妻と二人、2時間くらい長岡に滞在し、名前を思い出せないのだが、お洒落なレストランで食事をしたことがあった。
その年、私は福島県の、只見線沿線の塩沢にある学生村でひと夏の半分くらいを過ごし、妻は、勤務校の夏季合宿の引率で新潟県のとある処(何処だか思い出せないらしい)に滞在していた。そこで帰路長岡で落ち合うことにした。
その日まで二人は学生村・合宿所と、いずれも比較的質素な食事環境にあった。そこで肉の料理を食したくなり、長岡では肉料理を求めてレストランへ入ったという次第。その肉料理が実に美味しかった。
今回の長岡行に際し、ネットで長岡の名物料理を調べたら“洋風カツ丼”があげられ、それがB級グルメ的名物になっていることを知った。私の40数年前の、微かな記憶とオバーラップし、長岡は肉料理と一人悟り、事前に「レストランナカタ」と決めていた。
お店は2階にあり、2階へと通じる狭い階段には長い列が出来ていた。室外の温度は30度をはるかに超えていたと思う。しかし待つほかない。40分は待っただろう。漸く入店して店内を見渡すと、東京では「洋食屋」といった風情のお店で居心地感が良い。メニューを見て、“洋風”の意味するところを知った。普通丼物はどんぶりに入れられて出て来るが、洋風カツ丼では皿にご飯が盛られ、その上にトンカツが乗せられているのだ。私は「ハーフ&ハーフ」のコース(1360円)を注文した。
まずはスープ。続いて上の写真のように2種類のソース(デミグラスとケチャップ)が掛けられ洋風カツ丼。最後にコーヒー。ソースは濃厚で、揚げたてのカツがさくさくしていて実に美味しかった。ご飯もしっかり食べて腹ごしらえ終了。15時過ぎ、一路花火会場を目指したのだった。