マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

映画会『標的の村』を開催

2015年04月19日 | 映画・美術・芝居・落語

 沖縄本島北部に広がるヤンバルの森。東村(ひがしそん)・高江区は豊かな自然に囲まれた人口160人ほどの山村。映画はまず、その高江の森に惚れ込んで10年ほど前に家族で越してきた安次嶺(あしみね)さん一家の生活描写から始まった。川に囲まれた手作りの家はカフェにもなっていて、雪江さんが仕込む窯焼きパンと、その夫ゲンさんの作る新鮮な野菜が人気。6人の子供たちものびのび育っている。
 そこに、死亡事故が多発するオスプレイ配備用のヘリパットが新設される計画を知った区民たちは、那覇防衛施設局に詳しい説明を求めるが、「米軍の運用に関しては、日本側は関知できない」と突き放され、なんらの説明もなされることなく、工事が強行されようとする。
 2007年8月21日、工事にやってきた局員を前に立ちはだかる住民。この日は、なんら工事をなすことなく施設局員たちは帰っていったが、11月25日、住民15人が法廷に呼び出された。現場での座り込みが「通行妨害」にあたるとして、国が仮処分申請したのだ。国策に反対する住民側を国が訴える裁判をSLAPP裁判と呼び、アメリカの多くの州では禁止されている裁判。苦難に満ちた闘いの日々が始まる・・・。
 
 この映画は、私の知らない、基地の島沖縄の、凄まじい数々の実態を教えてくれた。ベトナム戦争当時、高江はベトナム村とされ、高江の住民は南ベトナム人の役をさせられていた。現在は、高江のを標的と見なし、取り囲むように飛行訓練する米軍のヘリコプター。表題『標的の村』とは高江のこれらの実態を指し、沖縄の象徴としての高江。
 オスプレイ沖縄配備が密かに決められていたのに、20年間隠し続けて来た政府。遂に2012年10月1日、激しい反対闘争にもかかわらず、オスプレイ2機は沖縄に到着。その3日後には高江で訓練を始めた。低空で飛び交うオスプレイ。夜間の上空旋回もあった。平和だった村の生活は一変する・・・。


 都高教退職者会主催の映画会が行われたのは4月15日(水)、本駒込地域活動センター地下ホール。退職者会からの出費では賄い切れないので、上映協力金として一人1,000円を頂こうとの上映計画。不安が大きいなかでの上映決定だった。沖縄の実情を知り、この映画の素晴らしさを知った幹事本村さんの、上映への、熱き思いが道を切り拓いていった。
 当日の観客は32名。60名には遥かに及ばなかったが、この日来られなかった方々からのカンパが一定額あるので、会計上は何とかなるそうだ。会場費が5,200円と安いことも幸いした。大成功とは行かなかったが、”座して待つより先への一歩前進”。退職者会も私も貴重な体験をした。
 懇親会には18名の参加。7月5日~7日には「辺野古・高江支援ツアー」も企画されている。私も参加したいと思う。

 今日の一葉:新潟県麒麟山公園で出会えた満開のソメイヨシノ