マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『男おひとりさま道』(上野千鶴子著)を読む

2009年12月17日 | 身辺雑記

 上野千鶴子著『男おひとりさま道』を再読しました。一度目はミニクラス会の京都旅行に携帯、それこそ帰りの新幹線の「おひとりさま、帰り道」で読みました。「男おひとりさまに生きる道はあるか」と問うて、「あるというのが本書の答え」を読んで、気を強くし、そのノウハウをしっかり読み込みたいとの動機からの再読です。

 「男ひとりで生きる」事を想定することは、パートナーに失礼、縁起でも無いと、考える方がいるかも知れませんが、そうだとすると「生命保険」などは「失礼」を商品化した様なもの。私には「転ばぬ先の杖」と言うより「一人でも歩ける様に今のうちから杖を上手に使える様に」訓練しておく事のように思え、大切な心の準備でもあると思えます。

 この著者の本、些か敬遠していました。ベストセラー『おひとりさまの老後』にも食指は動きませんでしたが、「男ひとり・・・・」と来て、ベストセラーともなれば興味津々、図書館へでは無く、本屋さんに足は向きました。”食わず嫌い”だった様です。女性が一人で生きていく指南書『おひとり様の老後』も読んで見ようと思っています。

 本書は5章から成り立っています。
 第1章 男がひとりになるとき
 第2章 下り坂を降りるスキル
 第3章 よい介護はカネで買えるか
 第4章 ひとりで暮らせるか
 第5章 ひとりで死ねるか

 2005年の調査段階で、65歳以上の男おひとりさまは113万人、現在はもっと増えている事でしょう。男がシングルになるなりかたは3種類あるそうで、妻の死による”死別シングル”、離婚による”離別シングル”、最後が”非婚シングル”。私がシングルになる可能性はその1とその2。嫌でも考えざるを得ません。
 第2章 下り坂を降りるスキル で大切なことは「弱さの情報公開」とありました。老いるとは弱者になること。自分の弱さを認め、この事を他者にはっきり伝えられる様になろうと、著者は語ります。男性は「弱さを認めることができない弱さ」を持ち、これが足を引っ張ることになる言い切ります。思い当たる事の多い、見事な指摘です。

 特に念入りに読んだのが第4章 ひとりで暮らせるか 田原晋さんと言う方から著者に宛てられた便りに「男おひとりさま10ケ条」が書かれていたそうです。私も同感した4ケ条ほどを抜き書きしますと
 第2条 料理教室できちんと学ぼう
 第3条 お弁当を作って出かけよう
 第4条 ゆったりな格好はしない(オシャレしなさいとの事)
 第6条 見知らぬ人と話しましょう
 です。

 著者も10ケ条を書いています。私が共感を覚えたのは次の5ケ条
 第1条 衣食住の自立が基本のキ
 第2条 体調管理は自分の責任
 第4条 過去の栄光を語らない(つい自慢話になりがちを諌めます)
 第5条 人の話をよく聞く
 第7条 女性の友人に下心をもたない(友
人以上、恋人未満の異性の友を数多く持つ事を勧めています)
 自戒の念も含め、実行したい事が多々ありますが、条件が許せば来年4月から「料理教室」へ”進学”して見たいです。異性の友とはもう少し頻繁に会う事も楽しいなと思います。”為になる”本でした。