どんぐり眼日記

昔は日々の日記として、今は見た映画の忘備録として更新しています。

「カジュアリティ-ズ」

2009年02月11日 | 映画
昨晩、帰りの乗換駅のCDショップで衝動買いしたDVD「カジュアリティ-ズ」を鑑賞。
公開当時に劇場で見た時以来の鑑賞。結構、印象的な場面の多い映画でよく覚えている映画。
見終わって重い気分になる映画です。特にエンドクレジットの音楽と共に流れるテロップの内容に・・。
映画で描かれる事柄も酷い所はあるのですが、描かれなかったアメリカ政府の現実の対応という面がやっぱり・・というか昔から変わらない国としての酷さが伝わります。
あの当時流行ったベトナム戦争映画に共通してるのは国ではなくて個人レベルであの戦争とは何だったんだ!という視点だったと思う。この「カジュアリティ-ズ」はドンパチ映画としては地味な映画ではありますが、実に深い内容の恐ろしいサスペンスと嫌悪感と正義感に満ちた映画だと思います。
レイプされたベトナムの少女が証拠隠滅の為に殺される場面はとにかく強烈で何を喋ってるか分からないけど悲壮でした。出演者の熱演も良かった。ただ映画として部分的に優等生すぎる部分もあってテーマは分かりやすく伝わるけども逆に偽善的に思える感じもした。あそこまで描かなくても(台詞で言わせなくても)テーマは伝わると思う。
正義感のあるマイケル・J・フォックスと悪役的なショーン・ペンというキャスティングはそれはそれで良かったのだけども公開当時から何か普通すぎる気がしていた。僕は悪役的なショーン・ペンに正義感のある役をやらせても良かったと思う。逆にマイケル・J・フォックス(ちょっと見た目的には良く無いかもだけど)には悪役的な役をキャスティングした方が見かけによらない恐ろしさや衝撃が出て良かったと思う。ショーン・ペンに悪役をというパターンでなく逆のキャスティングの映画にして見せてもらいたかった。
実話を元に作られているが何か全体的に「プラトーン」のようなリアル感ではなく映画的なオブラートみたいなものを感じる映画ではありました。主人公と共に戦場の中に入って行くというよりは傍観する感じがした。


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