さしあたって直近で見たい映画はこれで見てしまったかな?
今回見てきたのは、仮面ライダーゼロワンの実質的な最終章「ゼロワンOthers 仮面ライダーバルカン&バルキリー」。
本作は仮面ライダーゼロワンテレビシリーズ、劇場版である「REAL×TIME」そして前作に当たる「ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷」から続く直接の続編となっています。
それでは感想を。なお、今回はネタバレ反転しときます。
↓ネタバレ反転ゾーン開始↓
いやー面白かった。
今回はタイトルの通り、バルカン&バルキリー、不破諫と刃唯阿の二人がメインキャラとなっています。
そして本作は、彼ら二人の物語の終着点を描いたストーリーともなっていました。
TVシリーズの頃から「或人よりも主人公っぽい」と言われていた不破さんですが、本作を見た後だと、或人が担っていたのが「ヒューマギアと人類の架け橋となる社長」というポジションなら、不破さんが担っていたのは「己の信念を貫く仮面ライダー」のポジションだったと言えるでしょう。
また個人的には、TVシリーズではヒューマギアに対して正反対の信念を持っているという対象的な立場にあったものの、意外に直接的な絡みが少なかったこの二人の関係が深められているシーンがあったのがとてもよかったですね。
終盤で或人からゼロワンドライバーを与えられて変身する展開は熱かった……。
本作はタイトル通りあくまでメインはAIMSの二人ではあるものの、本編主人公である或人がこういう形で絡んでくる展開はうまいと思いました。
また「仮面ライダー滅亡迅雷」及び本作では、TVシリーズでは今ひとつ十分に描かれていなかった「ヒューマギアと社会の関わり」や「ヒューマギアという新人類に対する人類のスタンス」という社会的・政治的な部分が描かれていたのも良かった。多分このへんは或人の立場からよりもAIMSの二人の視点からのほうがより深く描けたんだろうなと思います。
ラストバトルの後、肉体に激しいダメージを受けた不破さんの両目から流れる血の跡は、仮面ライダーの象徴のひとつである涙のラインとなっているという演出は、不破さんがある意味或人よりも強く仮面ライダーであることを宿命付けられたキャラクターであることの証明とも言えるでしょう。
そして、明確な描写はないものの、本編のラストシーンを見る限りおそらく不破さんはラストバトルのあとに命を落としていると見ていいでしょう。
メタ的な読み方をすれば、TVシリーズでは入れるのが難しいであろう「主人公の死」という展開を、劇場版というさまざまな制約から解き放たれた場で行ったと見ることができます。
これもまた、不破さんが或人とはまた違った方向性を持つ「もうひとりの主人公」として描写されていることの証左ではないでしょうか。
ヒューマギアと人類が共存していく社会を作るための「これから」がある或人に対し、不破さんは彼の信念=ルールに従って「その瞬間」のために戦うべきを戦い切ったヒーローだった、と感じました。
↑ネタバレ反転ゾーン終了↑
TVシリーズ完結からいくつも続編が作られてきた本作ですが、これで仮面ライダーゼロワンのすべての物語は語り終えたということになるでしょうか。
正直なところTVシリーズの方には色々不満や不足してるところもあったと思いますが、全体的に見れば魅力的な作品だったと思います。
そういや今週末には新ライダー「仮面ライダーリバイス」が放送開始されるので、そっちも楽しみですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます