A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

グレッグ・イーガン「しあわせの理由」読了!

2012-06-15 21:13:04 | 小説の書き方

初イーガンでしたが、いやー文系にはムズかった。
量子サッカーとか想像できない……。
印象としては、「ハードSFバージョンのディック」って感じ。
巻末の解説にあるとおり、まあハードSF読み向けの作品だとは思うし、実際小説っていうには論文臭が強すぎる気もする。
しかし、個人的なSFの面白みの一つである、「足元を揺るがされる」が存分に味わえたのでよし。
一番印象に残ったのは、表題作である「しあわせの理由」。
こういう「かけがえのないものがコントロール可能になってしまうことによってそのかけがえのなさが欠損してしまう」って話は、上記の「足元を揺るがされる」感が強くて好き。
結局「しあわせ」ってのも脳内物質の生み出す表層感覚でしかないってストーリー……というかアイデアは、文体とも相まってすごくシニカルでぞくっときました。
文系のわたくしには正直かなり難解でしたが、こういう話は好み。
さて次は、いよいよB・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」を読んでいきます。

コメント
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