Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

イングリッシュ・マフィン。

2008-05-17 20:09:55 | 料理
お弁当用サンドイッチパン試作研究第三弾。
今回はイングリッシュマフィンです。
サンドイッチ用のパンとして食パン、ベーグルに続くもので、時間がたってもやわらかいものが出来ないかと研究中。ベーグルは冷めるとやはりちょっと弾力があり、食パンは乾燥しやすく、ぱさつきがやはり気になるところ。具を挟んでみっつぷすると今度は水分を吸ってべたべたになるのも問題です。

ダンナさん的には、サンドイッチはやや苦手で、なぜかハンバーガーが好きなのです。具を挟んだパンという点ではどちらも同じようなものなのですが。。。
よって形状はハンバーガータイプのものの方がよく、イングリッシュマフィンはハンバーガーバンズとしてベーグルよりよさそうな感じ。

ただし、コーングリッツが特別な材料として必要です。アメリカで買ったコーングリッツはかなり粗引きだったため、あまりおいしくなかった印象が強く、他の料理に使いまわすのがやや難しいため、なかなか購入しなかったのですが、今回は思い切って購入。今回の残りで先日から解読中の本の"コーンブレッド"のレシピを試してみたいと思っています。グリッツは見た目の問題なので、なくても作れるのですが。。。

イングリッシュマフィンはまず扁平な形が特徴。よってお菓子ではあまり使わないちょっと大きめのセルクルが必要なのですが、私は小さいセルクルしか持っていないので、紙コップで代用することに。太鼓焼きではそのまま紙コップの径で使えましたが、今回は10cm径のため紙コップの口径では小さく二つの紙コップを組み合わせて径を大きくすることにしました。

オリジナルのレシピではケント紙をつかってセルクルを製作していたのですが、油を塗る必要があり、ケント紙をわざわざ購入しなければならないため、身近にある紙コップで試してみました。紙コップの場合は内側に加工がしてあるため、油を引く手間が省けます。使ったらそのまま捨てられますし、大きさも自由自在です。

紙コップの底を切り取り、側面に1箇所切り込みをいれ、3cm幅の帯を切り出します。

2つの帯をつないで好みの直径にしてホッチキスで止めてセルクルを作ります。これを5つ製作。

次は生地作り。スタンドミキサーのボウルに強力粉、ドライイースト、砂糖、食塩、スキムミルク、サワーミルクを加え混ぜ合わせます。
オリジナルレシピは、油脂としてショートニングを少量加えてありましたが、水分に酢を加えることもあって、今回はショートニングの代わりにサワーミルクで酢とショートニングの代用にしました。

投入する水分は、オリジナルは酢水を入れるところが、他のパンとは決定的に違うところ。酸を加えてイーストが発酵してくれるかちょっと心配でした。
サワーミルクを粉に混ぜたので、酢水の代わりにヨーグルトと水を混ぜたものにしてみました。ヨーグルト水を温めるとヨーグルトがやや分離してもろもろの液体になりましたが、気にせずに投入。

水分投入直後は水分が足りない感じでぱさぱさな生地でしたので、少しだけ水をたしました。すると数分で今度は生地がぼろぼろになりまとまらない感じに。スタンドミキサーのフックに生地が引っかからず、フックに引っかかって伸びるとすぐ切れてしまうのでフックが空回り状態。
水分を入れすぎたかと思ったのですが、酸を加えた影響のようですね。オリジナルのレシピの注意書きにも生地の伸びがわるくぼそぼそになると書いてあったので、とりあえずゴムベラで生地を寄せながらフックに引っかかるように補助して捏ねること10分。

すると生地はようやくまとまり始め、10分程度でいつものよりやわらかめですが、まとまった生地に捏ねあがりました。見た目はいい感じですが、伸びはやはり悪い状態。ここで1次発酵へもちこみました。

発酵時間も短いのがイングリッシュマフィンの特徴。軽い独特の食感のパンを作るため未熟性な生地にするのがいいらしいのですが、このため生地がアルカリ性になるようで、焼き色が付かず、釜伸びも悪く、風味も欠け、日持ちも悪くなるそうです。その改善のために酢(酸)を入れるようです。

とりあえず一次発酵40分で生地が1.7倍程度といつもより浅く膨らんだ状態で成型に入りました。

ベーグルとは違い、成型は非常に楽。発酵した生地をボウルから取り出して、棒状にまとめ、5つに分割。ベンチタイムも必要なく、すぐに成型できます。成型といっても分割したものを手で平たく押しつぶして薄めに円盤形にするだけ。

いつもよりべたつく生地なので、打ち粉が必要ですが、成型の最後にコーングリッツを表面にまぶしつけるため、打ち粉はできるだけ使わないようにしたほうがいいでしょう。ベタつき気味の方がグリッツがよく付きます。

オーブンシートを引いた天板の上に、最初に作ったセルクルをのせ、その中に成型した生地を入れて2次発酵へ。2次発酵も40分ほど取って型の八分目くらいまで発酵。捏ねている時の生地状態はかなり不安でしたが、発酵はいつもどおり順調でした。

焼成は高温短時間。240度のオーブンで10分焼きました。焼く際はセルクルの上にオーブンシートをさらにのせ、別の天板を乗せて型以上の高さにならないように蓋をしたような状態での焼成となりました。これにより太鼓焼き形の膨らみが抑えられた平たいものが出来ます。ただ焼いている間は中が見えないので、焼き加減の調整はやりにくい。初回は出たこと勝負になりました。

天板がおもったより熱を持ったためか上火が強くなったようで、10分で蓋を開けてみるとやや焦げ気味。焼き色はつけない焼き加減というのがオリジナルなのですが、かなりかりっと焼けてしまいました。その分水分が飛んでいる可能性が高いので、荒熱を取る際にもビニール袋に入れて冷めるときに蒸気をパンに戻すようにして保湿を心がけました。

保湿効果で冷めてもぱさつきは抑えられ、独特のイングリッシュマフィン的食感を出すことに成功。味も酸味はほとんど感じられず、もちっとした食感と上下のクラストはカリッとしていて基本的には成功です。

セルクルは3cm高さでしたが、オリジナルより径がやや大きめに作ったため、私的には4cmくらいの高さがあったほうがバランスがよく、やわらかさが出たように思います。薄いとやはりパリッとした食感が勝ってしまいますね。焦げやすくなる原因にもなるようですが。。。
バーガーバンズのように膨らませないのですが厚みはある程度ある方が食べ応えとモチモチ感が楽しめるように思います。

翌朝に早速バーガーに仕立てました。フィリングは2種類で肉系とフルーツ系。
肉系は先日作った豚の角煮を挟んだ角煮サンド。ボリュームがでて中華バンズに挟んで食べるような感じになりました。

フルーツ系はリンゴとクリームチーズを挟んだベーグルサンドチックにしました。
ベーグルほど食感が重くなく、食パンよりは厚みがあるためハンバーガー的な食べ応えがでました。味はハンバーガーバンズより軽くて、小麦の味は薄く、具材の味を活かせると思います。
またサンドイッチにして時間がたっても具材の水分でマフィンを保湿するためお弁当に仕立ててちょうど良い感じです。トーストして熱々のカリカリにバターを乗せて食べるのがイングリッシュマフィンの食べ方の王道ですが、サンドイッチにして全く逆の冷めてしっとりを歯ごたえのある具とともに食べるのも悪くないようです。

そういえば、マクドナルドの朝メニューはバンズがマフィンでしたね。食べたことはないのですが、見た目はかなりやわらかいマフィンバンズのようで、厚みもかなりあるように写真からは思えます。一度食べてみると比較検討してみたいと思います。

自家製作品の仕上がり具合の研究には市販品を食べて比較するのが、一番わかりやすい。最近は自分用に購入して食するパン、菓子などはほとんど比較検討用を兼ねることができるものを選ぶことが多くなっていますね。おなかを膨らますためだけのものは駄目。何かの役に立たなければ、お金はだせません。
有名店のものや超定番ものなどおいしいとされる市販品を食べて、自分なりの正解を知っておくことは自家製品作りにはとても大事だと痛感しています。

何気なく食べている市販品が多いと思いますが、作ってみるとその食感や味を出すのが難しいものって結構ありますね。作ることは多角的に物事を見られて、面白いと思う今日この頃でした。
コメント
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