かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

世の中には不思議な医療っぽいものが山のようにありますが、血液クレンジングなるものも実に不思議なものの一つです。

2019-10-19 20:39:53 | Weblog
 今朝の奈良市の最低気温は17.9℃、最高気温は26℃、五條市の今朝の最低気温は17.1℃、最高気温は25.8℃でした。今日は朝のうち晴れて日差しも出ていたのに、すぐに雲が広がり、雨が降り出しました。雨は断続的に一日続き、一時は雷も鳴ってかなり強い降り方をしました。一旦上がったのでこれで雨も終わりかと思いましたらまた夜になって降ってきましたし、明日の朝まで降ったり止んだりを繰り返すのでしょうね。

 さて、巷では、「血液クレンジング」なるものが話題になっているらしいです。血液の一部を体外に取り出してオゾンで処理し、再び体内に戻すというもので、濁ってドロドロになっている静脈血が瞬く間に鮮やかな赤色を呈してサラサラになるのだそうです。ヨーロッパでは広く知られていて、「究極のアンチエイジング」「疲労回復・スタミナ増強」「がんやHIV、脳梗塞、アトピー、アルツハイマーなどにも効果」というような華々しい効能が歌われています。一方で、根拠のないニセ医学であるとして、強い批判を浴びているものでもあるようです。
 血液を体外に取り出してきれいにするということなら、既に腎臓病に対する人工透析技術が古くから用いられており、さほど新味はありません。問題はオゾンを作用させることで血液を綺麗にできると主張されている点で、本当にそんなことがありうるのか、個人的にも多々疑問はあります。例えば、血液クレンジングでは1回に100から150cc程度の血液を静脈から採血してオゾンと反応させ、再び点滴で体内に戻すそうですが、ヒト一人あたり4リットル前後の血液のうちの100cc程度、全体の2.5%程度を浄化できたとして、それで全身に影響を及ぼすほどの効果が得られるのかが疑問です。そもそも一体血液中の「何を」浄化するんでしょうか? ただ静脈血をきれいな赤色にしたいのなら、オゾンなど使わなくても深呼吸すれば良い、という話もありますから、オゾンの効果云々がどのへんにあるのかが不思議です。ひょっとして、その過程で身体の反応性に富む薬理作用のある物質でも生まれたりするのでしょうか?
 また、医療用オゾンなるものを取り出した血液に混ぜるのだそうですが、医療用オゾンというのは気体なのか溶液なのか、今ひとつよく判りません。まあいずれにしてもオゾンは不安定なのですぐ酸素になってしまいますから、静脈血の赤血球のヘモグロビンが酸素と反応して鮮紅色になるのはまあ当たり前といえば当たり前の反応ではあります。ただ、オゾンは強力な酸化力を持ち、有機物と実によく反応し、殺菌などはその反応性の高さで細菌などを殺すものですから、血液のような有機物が多い環境に混ぜ込んでは即反応して失活するでしょうし、十分な低温ならともかく体温ではほとんど溶けないでしょうから、加えたオゾンがどのような反応を示して血液を浄化するのかがどうもよく判りません。
 まあ鰯の頭も信心からとも申しますし、積極的に頭から否定するのもどうかとは思います。半世紀くらいしたらひょっとしてひょっとしたら標準療法になっていたりするかもしれませんし。ただ現時点ではどうもやっぱり眉唾な要素が多く感じられますし、医学系の論文もあまり出てないような気がします。半世紀くらい前のドイツ生まれらしいですから、あちらの学会誌などを検索したりすればひょっとして見つかるのかもしれませんが、まあせめて推進する方々は、ドイツでこの療法が生まれたのが70年前なのか40年前なのかくらいはちゃんと調べて統一しておいても良いと思います。



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