かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ほぼ輸入に頼っていた重水素を安価に国産化できるかもしれないという研究成果が発表されました。

2019-09-30 19:35:14 | Weblog
 今朝の奈良市の最低気温は22.9℃、最高気温は31.7℃、五條市の今朝の最低気温は20.9℃、最高気温は30.9℃でした。今日も朝はそこそこの上天気で、いつ雨が降るのかと思っていたら、帰宅時、奈良から橿原市に帰る電車に乗っているときに、バラバラと大粒の雨が降り出しました。これは駅から家に帰る時は傘を差していても大分濡れそうだと覚悟しつつ橿原神宮前駅を下車したのですが、若干地面が濡れているように見える他は雨の様子はなく、空も雲は多いものの降ってくるような様子もありませんでした。どうもかなり局地的な雨だったようです。ただ、この雨をもたらした天気のせいか、昨日よりも一段と蒸し暑く、帰宅時はムワッと季節が1ヶ月位戻ったかのような空気に驚かされました。明日からはもう10月なのですが、一体いつまで30℃台の最高気温が記録されるのでしょうね?

 さて、大阪大学、京都大学、京都工芸繊維大学からなる研究チームが、安価な原材料から重水素を効率よく製造する方法の開発に成功した、とのニュースを読みました。これまで重水素は、重水素水を電気分解して得るなどの方法で製造されており、高価で我が国ではほぼ輸入に頼っていました。研究チームの方法は、重水素水にギ酸を混ぜ、パラジウムと銀の合金を、合成されたシリカの一種でできた内径9ナノメートルほどの六角形の構造体の中に配置して触媒として活用したものです。パラジウムは高価で希少な貴金属ですが、触媒として用いるので繰り返し使用することができます。また、ギ酸は酢酸の製造工程でできるので、安価に入手可能とのこと。パラジウムとの合金は、パラジウム単体の他、コバルト、金、クロム、ニッケル、亜鉛、銅なども試されていますが、結局銀がもっとも高効率に重水素を生み出すことがわかりました。
 論文(https://www.nature.com/articles/s41467-019-12018-7)は、素人でも比較的判りやすく読みやすい内容なので、ニュース記事ももう少し突っ込んで書いても良かったのではないかと思いましたが、いずれにせよほぼ輸入されていた高級素材を安価に国産化できる可能性のある研究ということで、大変面白いものだと思います。
 それにしても、ニュース記事では重水素の用途は半導体や光ファイバー製造、化学や生物学の実験研究用試薬と書いてありましたが、個人的には核融合炉の燃料というイメージが強いです。重水素だけでは反応が難しいらしく、重水素と三重水素を用いた核融合反応炉の研究が日欧で進められていますが、そのうちの片方だけでも安く国産化できるのなら、将来の核融合炉商業運転に大きく貢献することでしょう。核融合発電の実現まで生きていられるかどうかが、月基地の完成やサイボーク化技術、ガンとアレルギーの完全克服などと並んで私にとってはなるべく長生きしたいと願う技術開発なのですが、こういった技術もまた夢ある未来へ一歩近づくための重要な要素となることでしょう。


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