かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

世界で初めてロタウイルスの人工合成に成功! なんて書いてあるから勘違いしてしまいました。

2017-02-04 22:44:50 | Weblog
 今朝の最低気温はー1.0℃、最高気温は12.9℃でした。朝はかなり冷え込みましたが、昼間は久々に快晴の空が一日中維持され、気温も随分と上がりました。所要で2時頃天理市まで出かけていましたが、途中は車の窓を開けていないと暑く感じるほどの陽気でした。明日は朝から雨模様の天気のようですので、今日のうちに洗濯と布団干しができたのは僥倖でした。

 さて、大阪大学のウイルス学の研究者が、ロタウイルスの人工的な合成に初めて成功した、とのニュースがありました。ロタウイルスは、幼児らに下痢や嘔吐を催す病原ウイルスの一つで、ノロウイルスと並び、いわゆる「お腹の風邪」をもたらす代表的なウイルスになります。塩基数はおよそ18,600あり、ノロウイルスの2倍半位のサイズです。
 このニュースの見出しを見た時、最初、この18,600塩基分の分子を酵素などで一つ一つ組み上げて2本鎖RNAを編み上げ、それがウイルスとして活動するのを確認した、というような話なのかと勘違いし、その偉業に感動したのですが、記事を読んでみると、ロタウイルスから取り出した遺伝子を培養細胞に入れ、更にこれまでの研究で発見した、ウイルスの増殖を促すタンパク質を加えた所、ロタウイルスができた、という話でした。うーん、これを「合成」と呼んでいいのかどうか、そもそもウイルスは、ヒトなど他の生物の遺伝子複製機能を借用して自分の遺伝子コードを読み取らせ、増殖させていくというもので、そのウイルスの中核をなす遺伝子を使っていたのでは、「人工的な合成」と呼ぶのはちょっと疑問があるというか、素人考えではどうもズレを覚えるのです。まあ実際に世界で初めて成功したということですしスゴイことには違いないのでしょうが、ウイルスの合成というより、人工的な増殖方法を確立した、という方が正しいように思えます。まあ初めに勝手にこっちが誤解したせいでせっかくの研究成果の凄さが私の意識の中でかすれてしまったのは申し訳ないのですが。
 まあそれはともかく、研究者の皆さんには更に研究を進め、例えば未だ人工培養法が確立していないノロウイルスを同じように「合成」できるようにして、その研究が進むようにしてくれたら嬉しいなと思います。知り合いのウイルス学の先生に聞いた話では、日本ではノロウイルスを使ったヒト試験ができないそうですから、実験室でノロウイルスを手軽に扱えるようになったら色々と捗るんじゃないかと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする