副題:天才の遺志を継いだ男による、孤高にして緻密な政治ドラマ。
天才カエサルの構想を沈着に実現し、「帝政」の名を口にせず、しかし着実に帝政をローマに浸透させていくアウグストゥス。彼の頭にあったのは、広大な版図に平和をもたらすためのリーダーシップの確立だった。市民や元老院からの支持を背景に、アウグストゥスは綱紀粛正や軍事力の再編成などに次々と取り組む。アグリッパ、マエケナスという腹心にも恵まれ、以後約200年もの間続く「パクス・ロマーナ」の枠組みが形作られていくのであった。(カバーの解説から)
ローマ時代の「平和の祭壇」は、フォロ・ロマーナまでは歩いても十五分たらずのフラミニア街道脇に建っていた。ローマを訪れる人々でも、(中略)ローマ帝国が目指すのは「平和」であるとのアウグストゥスの考えを感じ取ったのではないか。統治とは、統治される側の人々までが納得する何かを与えない限り、軍事力で押さえつけようが反対者を抹殺しようが、永続させることは不可能だからである。(帯から)
紀元前一世紀末のローマ本国では少子化が社会問題であった。このころのローマは豊かさを謳歌し、子を育てることのは他に、快適な人生の過ごし方が増えたのである。独身を通したとて、不都合は無かった。この状況は、まるで現在の日本を含む先進国が抱える状況に似ている。
そこで、アウグストゥスは「姦通罪、婚外交渉罪法」、「正式婚姻法」を定め、正式な結婚を保護し、独身でいることが不利になる環境を整備したのである。詳細はこの本を読んでもらうとして、少子化に向っている日本の今後を考えるひとつの切り口には違いないと思う。
天才カエサルの構想を沈着に実現し、「帝政」の名を口にせず、しかし着実に帝政をローマに浸透させていくアウグストゥス。彼の頭にあったのは、広大な版図に平和をもたらすためのリーダーシップの確立だった。市民や元老院からの支持を背景に、アウグストゥスは綱紀粛正や軍事力の再編成などに次々と取り組む。アグリッパ、マエケナスという腹心にも恵まれ、以後約200年もの間続く「パクス・ロマーナ」の枠組みが形作られていくのであった。(カバーの解説から)
ローマ時代の「平和の祭壇」は、フォロ・ロマーナまでは歩いても十五分たらずのフラミニア街道脇に建っていた。ローマを訪れる人々でも、(中略)ローマ帝国が目指すのは「平和」であるとのアウグストゥスの考えを感じ取ったのではないか。統治とは、統治される側の人々までが納得する何かを与えない限り、軍事力で押さえつけようが反対者を抹殺しようが、永続させることは不可能だからである。(帯から)
紀元前一世紀末のローマ本国では少子化が社会問題であった。このころのローマは豊かさを謳歌し、子を育てることのは他に、快適な人生の過ごし方が増えたのである。独身を通したとて、不都合は無かった。この状況は、まるで現在の日本を含む先進国が抱える状況に似ている。
そこで、アウグストゥスは「姦通罪、婚外交渉罪法」、「正式婚姻法」を定め、正式な結婚を保護し、独身でいることが不利になる環境を整備したのである。詳細はこの本を読んでもらうとして、少子化に向っている日本の今後を考えるひとつの切り口には違いないと思う。