シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

君への誓い

2012-06-06 | シネマ か行

最初に設定と主演レイチェルマクアダムスチャニングテイタムと聞いたとき、またニコラススパークスか~と思ったら違ってた。
事故で二人が出会ってからの4年間の記憶を失くした妻とその愛をもう一度取り戻そうとする夫の話。実話がベースだそうだ。

ワタクシはレイチェルマクアダムスが好きなので見に行くことにしました。

実話がベースということなので、基本の筋はもちろん素敵だしロマンティックな話ですが、映画の運び方としてはちょっと物足りないかなぁという気がしました。多分、フィクションで付け加えたんだと思うけど、妻・ペイジのほうの家族が実は事故に遭ったときにはすでに疎遠になっていて、でも最近の記憶を失った彼女には家族の良い思い出しか残っていない、とかいう設定も映画としてはよくできていると思ったし、前の婚約者スコットスピードマンの存在も設定としては良いと思う。こういう恋愛ものにはこういった障害があるほうが盛り上がるもんね。

最初はいきなり見ず知らずの男に「夫だ」と言われて戸惑うペイジ。もちろん、自分の記憶には家族や元婚約者しかいないのだから、知らない男性よりそっちに頼りたくなるものなんだろうけど、二人の写真とか結婚式のビデオとか見たらもうちょっと歩み寄ろうとはしないもの?とペイジの努力のなさにちょっとイライラ。

夫・レオのほうは見ていて可哀想だし、こちらのほうが感情移入はできるけど、途中で結局あきらめてるよね?それは彼女が新しい生活を始めたほうが幸せだと考えたレオの愛ということは分かるんだけど、そこんとこの描写が映画としてはちょっとあっさりし過ぎてたような…あそこでもっと苦しんでいるレオをきちんと映したほうがもっと盛り上がった気がする。

最終的に自分がなぜ家族と疎遠だったかということがペイジには分かり、父が自分の親友と不倫していたという衝撃的な事件をレオが自分と家族のことを思って黙っていたというのに心打たれたペイジがレオのところに戻ってくるというわけなんですが、なんかこれもレオの努力ではなかったのがちょっと残念。まぁ、これもレオがペイジを想う気持ちが伝わったってことだとは思うけど、恋愛映画として見るにはちょっとパンチが弱い。レオの人柄の良さがペイジに伝わったというのは素敵なことなんだけど、観客に見せる物語としてはちょっとドラマチックさが足りないな。

そして、やっぱり恋愛映画と言えば感動的なラストシーンが必要だと思うんだけど、これもなんだかあっさりしていたなぁ。記憶の戻らないペイジと昔の思い出を辿るのをやめて二人で新たな道を歩き始めたというのは良かったんだけど、やっぱり最後には素敵なキスシーンが見たいもの。お約束をあえて外したのか、もやっと感の残るラストになっちゃいました。

とは言え、もちろん全体的には素敵なお話だし、レイチェルマクアダムスはやっぱりチャーミングだし、(この「チャーミング」という形容詞がいまもっとも似合う女優さんだと思う)チャニングテイタムも無骨な雰囲気なのにロマンス映画が良く似合う。二人の出会いのシーンのストローハットは絶望的に似合ってなかったけどね。