オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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会津執権の栄誉

2020-06-22 23:42:09 | 読書録

蘆名氏の名将と讃えられた盛氏ではなく嫡男で酒毒により早世した盛興でもなく、盛興の未亡人を妻に迎えた二階堂氏からのかつての人質で近臣に弑逆された盛隆でもなく、盛隆の子で僅か3歳で夭折した亀王丸でもなく、佐竹氏から養子に入った実質的に戦国大名としての最後の当主となる義広の時代を描いた作品ですので珍しすぎます。
しかも豊臣秀吉に会津執権と呼ばれた金上盛備をタイトルにしているのはマイナー好きな自分としては魅力たっぷりで、ここのところは電車通勤が無くなったため読書をする時間がたまの遠出のときぐらいになりなかなか読み進めることができませんでしたが、連作短編集ですのである程度の区切りを付けられたのは助かりました。

奥羽の各氏は複雑な血縁関係のため蘆名氏と佐竹氏、そして伊達氏には薄くとも同じ血が流れており、そのため亀王丸の後継者争いに佐竹氏と伊達氏が候補に挙がり家中を二分した争いの結果、金上盛備ら佐竹派が勝利して義広が当主となるも伊達派との対立が残り、また義広に従ってきた家臣団と重臣たちとの亀裂がそれに拍車をかけます。
最後は摺上原の戦いで伊達氏に大敗して蘆名氏の滅びに繋がりますが、そこに至るまでのそれぞれの立場、思惑がメインに描かれています。
戦国末期の大きな流れからすればあまりに小さな争いではあるのですが、その中で家を思い、自らを思い、そして時代を思う姿はスケールの大小で語るものではないでしょう。
ただの兵卒が主人公になっているものもありなかなかに興味深く、しかしそれだけにもっと深掘りをして欲しかったですし肝心の金上盛備の存在感がイマイチで、また大きな鍵を握った猪苗代盛国を取り上げる編があってもよかったのではないかと、滅びに向かう一本筋のようなものが見えず散漫としていた感じがあります。
最後に小田原征伐に際しての伊達政宗を持ってきたのも中途半端でなぜに蘆名氏で押し切られなかったのか、滅び後の義広を描いてくれれば満点に近かっただけに残念至極です。


2020年6月16日 読破 ★★★★☆(4点)


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名刺代わりの一勝

2020-06-22 03:08:26 | 千葉ロッテ

こうなってみれば勝てずとも引き分けたかった開幕戦、なんて贅沢なことを思ったりもする開幕カード勝ち越しです。
福田秀が抹消となっただけに新戦力としての期待を双肩に担った形となる美馬は毎回走者を背負う5回7安打2四球ながらも1失点にまとめたのはある意味でらしいピッチングだったような、もちろんピシャリと抑えてくれるに越したことはありませんが攻めているようで攻めきれない美馬に苦しめられた昨季まででしたからベンチとしてはにんまりでしょう。
今日はとにかくフォークのコントロールが抜群で絶妙な位置からの落差にバレンティンや甲斐は天を仰いで手も足も出ず、右打者にはシュート気味に食い込んでいく内のコースが効果的でしたし、フォークを狙われ始めればスライダーに切り替えた田村のリードに応えることができたのではないかと思います。
そのフォークを投げすぎて握力が落ちたのか高めに抜け始めた五回でお役御免は96球なのでいいところか、来週の地元初見参では六回をノルマにできれば七回をお願いします。
あまりキレは感じられませんでしたが陳冠宇が2回を抑えたのも大きく、お年寄りのハーマンと上手く入れ替えながら左打者対策ではなくロングリリーバーとして使っていくのでしょう。
田中、中村稔といったところを使わずに東條、小野と繋いだのは初戦のリベンジをカードのうちにやらせる親心だったのか、イマイチではありましたが吹っ切れてくれれば何よりです。
打線はリーグ最下位の2割ちょいの打率らしくチャンスをなかなか作れませんでしたが、その数少ないチャンスを上手く得点に結びつけることができました。
ここまでピリッとしていなかった井上がセンターバックスクリーンへのグランドスラムに巨体を揺らしての内野安打、四球を選べば荻野のタイムリーでのホームインと打って走って大活躍の3安打猛打賞で上向いてくれば、なかなか結果には結びついていませんがバントで得点圏に走者を進める野球が活きてくるはずです。
そのバントの構えで頭部死球を食らった中村奨は後ろにのけ反りながらダメージを軽減できたようにも見えましたが後頭部の首元近くでしたのでむち打ちが心配、タイムリーとなった松田宣の打球への入りもどこかおかしかったですし早いイニングで福田光に代わりましたから地元開幕ではスタメンから落ちるかもしれません。
調子がもうひとつなだけに難しくはあれど福田秀の離脱で空いた三番に充てるとすれば中村奨しかいないと考えていただけに、そうなれば打線としては厳しさを増してしまいます。
開幕まではそんな気配は露ほども見せなかったところでの三番安田は嬉しくも、面白くもあるのですが、その安田がころころ変えていたフォームの終着点が福浦モデルに思えるのが激しく不安ではあり、やや重心を軸足に残した見逃し方、左肘でタイミングをとるスタイル、がどうその脇を締めたバッティングに影響を及ぼしているのかは分かりませんが、始動が遅く差し込まれて詰まったゴロを量産してしまえば求められている長距離砲とはどんどんとかけ離れているように思えます。
十人十色を理解せずに右から左まで俺色に染め上げて大松などを殺してしまった金森コーチにならなければいいのですが、福浦コーチに一抹の不安を覚える安田でした。
それにしても今日の解説は酷かった、前日の柳田の大アーチを引き合いに出して実況の「引っ張るならともかくどうしたらセンターにあれだけ飛ばせるんですかね」の問いかけに「素晴らしいってことですよ」と全く答えになっておらず、凄いとかそういった抽象的な言葉を連ねるだけなら無用の長物ですのでお引き取りをお願いします。


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◆6月21日(日) ソフトバンク−千葉ロッテ3回戦(ロッテ2勝1敗、14時、PayPayドーム、0人)
▽勝 美馬 1試合1勝
▽敗 二保 1試合1敗
▽本塁打 井上1号(津森)

▽バッテリー
千葉ロッテ 美馬、陳冠宇、東條、小野—田村
ソフトバンク 二保、津森、川原、高橋礼、泉—甲斐

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