ここのところの地元での阪神戦は週末での開催が続いていたように思いますので、空席が目立つ今日の客入りはちょっと寂しい感じがありました。
レフトスタンドこそ満員でしたが三塁側は空席が目立ち、二階席に至っては半分ちょっとといったところでしょう。
週末の広島戦と比べるのはあれですがカラーの統制が取れていなかったことで真っ黄色な猛虎魂が迫ってこなかったことも、今日の試合展開に微妙に影響をしたかもしれません。
グライシンガーの代役で先発のチャンスを手にした阿部でしたが、残念ながら4回を7安打5失点と散々な出来でした。
ストライク先行のピッチングながらも追い込んでから攻めきれず、ファールで粘られた挙げ句に苦し紛れのボールを痛打されたといった感じです。
タイプ的には唐川を一回りぐらいスケールダウンをしたような阿部だけにバランス勝負ではありながらも、伝家の宝刀とは言わずとも自信を持って投げ込めるウイニングショットが欲しいところで、しかしそれが難しければ全体的に底上げをしていくしかありません。
柴田の一発は余計でしたがそれなりに試合を作れるだけの力はついてきていると思われますので、もう一段階のレベルアップを期待したいです。
阿部が早々にマウンドから去ったことでリリーフ陣が総動員となりましたが、その踏ん張りが流れを引き寄せたのだと思います。
阪神打線が粘っこいのか阿部と同じく決め球に欠いているのかは分かりませんがやたらとファールが多かったのが今日の特徴で、各投手とも常に走者を背負ってのピッチングとなり大敗の流れに転げ落ちてもおかしくはなかったところで、しかしギリギリのところで頑張ってくれました。
上野が不用意なボールで被弾をしたり南が3四球と乱れたりと内容的には手放しで誉められるようなものではありませんでしたが、ガタガタと崩れなかったことは評価をしたいです。
同点に追いついてからの延長戦は益田、松永、ロサの順番で、この三人が勝利の方程式なのでしょう。
益田は少しずつ上向き加減になってきているようで、先日の試合よりは抜けるボールが少なかったので復調は近いように思います。
一方の松永はコントロールのばらけ方が酷くなっている感じがありますので、下降気味と考えた方がよいかもしれません。
そうなるとロサの存在がクローズアップをされますが、四球の不安はありながらも150キロオーバーのストレートでの力押しができるピッチングは魅力的に過ぎます。
右左のバランスとタイプの違いを考えればロサ、松永、益田と繋げられるのが理想的ですので、一日でも早くその揃い踏みが見てみたいです。
このリリーフ陣の奮闘のおかげで大敗の流れを引き分けに持ち込めましたので、勝ちに等しいと考えます。
空振りが多いサブローのところでフルカウントからオートスタートをして三振ゲッツーを食らうなどの拙攻がありましたが阪神も似たようなものでしたので、あともう一息ではありましたが絶望的でもあった5点差を追いついたことに拍手喝采です。
日中は汗ばむ陽気になってきましたが春井口は爛漫のようで、このまま散ることなくシーズンを通して咲き乱れることを願ってやみません。
その井口に引きずられるかのように今江も着実に四番を自分のものにしつつありますし、選球眼がよくなって四球が増えたことで出塁率が高くなった根元からの繋がりが良くなってきていることが打線が活気づいている理由なのでしょう。
また苦節5年、ようやくに大きな犠牲を払った代償としての埋伏の毒が炸裂をして「4時間ゲームはサヨナラ勝ち」のジンクスどおりに久保の押し出しで勝利する予定が、しかし情報伝達の不備で新加入の川本に作戦が伝わらずにノーツーから手を出してしまった誤算はあったものの、まさに「今でしょ!」と言わんばかりの充分すぎる収穫でした。
投打がお互いを信頼しているからこそねちっこい戦いができているのだと思いますので、いい試合だったと思います。
気になるとすればサブロー、そして福浦の元気の無さです。
サブローは四球こそ選びますが打率はジリジリと落ちてきてクリーンアップとしては迫力に欠きますし、福浦は見逃しの三振が多いように思います。
今のサブローであれば岡田をセンターで起用して伊志嶺をDHに回した方がよいのではないかと、伊志嶺はファインプレーもありましたが岡田だったらと思えるようなものもありましたので、一度ぐらいは試してみるものよいでしょう。
福浦はスタンスとしては長打狙いのような感じがあるもののスイングが追いついていないような気がしますので、持ち味の左を意識したバッティングに立ち返ってもらいたいです。
相手からすれば経験豊富なサブローと福浦が代打で控えているのは嫌な感じがあるでしょうから、上手く機能をしてくれればと思います。
今日の注目の一つは鈴木と西岡のガチンコ勝負でしたが、マルチヒットに4出塁と全くのイーブンでした。
西岡への郷愁からか一塁側からも拍手がわき起こっていましたが、その西岡の代わりに背番号7を背負っても違和感がないぐらいの鈴木です。
根元では無理だったであろうベース際の緩いゴロを軽やかに処理する守備は安心をして見ていられますし、やや湿り気味だったバットもまた快音を響き出し始めました。
大地がツヨシ、とは鈴木が西岡の代わりにロッテのショートをガッチリと手にすることなのだと思います。
ちなみにオープン戦から西岡にヒットをプレゼントしすぎな投手陣ではありますが、これはもちろん次の埋伏のための入念な下準備であることは言うまでもありません。
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計 |
安 |
失 |
阪神
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0 |
0 |
5 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
6 |
17 |
0
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千葉ロッテ
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0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
3 |
0 |
0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
6 |
12 |
0
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◆5月22日(水) 千葉ロッテ-阪神1回戦(1分、18時15分、QVCマリン、24,685人)
▽本塁打 柴田1号(阿部)、マートン4号(上野)、井口8号(榎田)、9号(久保)、今江3号(榎田)
▽バッテリー 千葉ロッテ 阿部、上野、南、中郷、益田、松永、ロサ―江村、川本 阪神 榎田、鶴、加藤、安藤、久保、筒井―日高、藤井彰
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