こどもの日と同じぐらいにNHKの全国中継がある日に勝てないとはロッテファンでは常識なジンクスですが実際のところはどうなのかはよく分からず、交代をした野手のところに打球が飛ぶ、と同じように負けた試合の印象が強く残っているだけのような気がしないでもありません。
何にせよ今日の6連勝で強い伊東ロッテが全国に広められたことは喜ばしく、その全てが先発投手に勝利がついての白星ですから素晴らしいの一語に尽きます。
これでGWは7勝2敗と大きく勝ち越して貯金を6まで伸ばしましたので、気持ちよく交流戦に臨めるでしょう。
その前の5連戦に欲を出さずに普段着の野球で乗り越えれば次への道が見えてくるでしょうから、明後日からの三度目の首位攻防戦を気負わずに戦ってくれればと思います。
ようやくに阿部がプロ初勝利を手にしました。
これまで勝ち投手の権利がありながらもリリーフ陣が打たれて掌中からこぼれた試合が3度もありましたので、3年越しの4度目の正直といったところです。
立ち上がりからコントロールに苦しんで何度もピンチを迎えましたが注文どおりの併殺などで凌いでの6回1/3を4安打無失点ですから、胸を張っていい白星だと思います。
130キロ台後半のストレートにスライダー、シュート、チェンジアップと阿部らしい組み立てで、ボールがばらけ気味だったのがむしろ功を奏したのかもしれません。
内心がどうだったかは分かりませんがこれまでと同じく勝ち投手の権利のかかった五回も淡々と投げていましたし、この落ち着きぶりこそが阿部の武器なのでしょう。
さすがにマウンドを降りた七回は不安げな表情で服部、中郷のピッチングを見守っていましたが、ヒーローインタビューでは涙を見せることなくしっかりとした受け答えをしていましたので、既に気持ちは次の登板に向かっているのだと思います。
その次の登板は交流戦に入ることで先発ではなく中継ぎでの起用となるかもしれませんが、阿部には89年組での席次を一つでも上げられるよう頑張ってもらいたいです。
その阿部の白星を紡いだのは服部、中郷、松永、益田の勝利の方程式でした。
服部はついに今季初ヒットを許しましたが動じることなく長谷川にスイングをさせずに三振で切って取り、これで次のステップに進むことになります。
左打者の外角に見事なまでにコントロールされたスライダーが素晴らしく、ただあまり使いすぎると本多のように反対方向に狙い打ちをされて中後の二の舞にもなりかねませんので、内を攻めたりストレートを使ったりと捕手陣にはバランスのいいリードをお願いしたいです。
また中郷は満塁のピンチでボール先行も焦ることなく攻めのピッチングで流れを断ちきり、七回は俺に任せろといったところでしょう。
ちょっと不満だったのが5点リードで八回から松永を起用したことで、勝ちパターンにこだわったのか阿部の白星のために石橋を叩き割ったのかは分かりませんが、登板過多の嫌いがある松永ですから前の試合で8球しか投げていなかったとは言いながらも中郷の続投なり上野なりを使って欲しかったです。
その松永は久しぶりの失点ながらも粘られた松田をボール球で仕留めるなどまだまだ勢いがありますので、とにかく疲労蓄積だけが気がかりです。
そして最後は3点差になったことで益田が登場しての僅か6球で締めくくり、どうもこの三連戦はソフトバンク打線の早打ちに助けられての3タテといったところでしょう。
内川には苦しみましたがラヘア、松田を抑えたのが大きく、これはこのカードになるまでは打ち勝っての5連勝だったソフトバンクの勢いを止めた成瀬のピッチングが大嶺、阿部に流れをもたらしたところもあったのでしょうし、ラヘアが12打数1安打、松田は12タコだったことが勝敗の帰趨を決めた感があります。
ラヘアや松田が凡退をしたときの秋山監督の仏頂面が、このカードを象徴しているかのようでした。
打線は今宮の好守備に阻まれるなど思ったように得点を挙げることはできませんでしたが、それでも真綿で首を絞めるかのようにじわじわと点を取って阿部を援護しました。
25球を投げてから中2日での先発の森福ですからいかに球数を増やすかがポイントでしたが、ボール球に手を出した川本を除けば各打者がしっかりとボールを見極め、ファールで粘ったことで2回で56球も投げさせて早々にマウンドから引きずり降ろすことができましたので点ではなく線の勝利でしょう。
そもそもが五回どころか四回、あるいは三回ぐらいまで投げてくれれば御の字ぐらいのソフトバンクベンチだったでしょうが、それにしても二回での降板は誤算だったはずです。
清田の4三振を筆頭に12もの三振を喫したのですから繋がりがよかったとは言えませんが、根元のヘッドスライディングやしっかり走っての内野安打などベテランも若手も一生懸命にプレーをしていることが映像からでも見て取れることが伊東ロッテの成果の一つではないかと思います。
鈴木はサイドスローの左腕から粘ってのツーベースを放ち、伊志嶺も逆方向に久しぶりのヒット、細谷もセンター返しに押し出しと若手がしっかりと仕事をする一方で、サブローが2つの四球を選び井口がアーチを放つなどベテランも負けてはいません。
そしてホワイトセルと今江が欠場をして、ホワイトセルは登録抹消となりましたので四番にポッカリと穴が空くこととなりましたが、そのホワイトセルの代わりに大松を持ってくるのか他の選手を抜擢するのかで伊東監督の現在のチーム状況の見方が分かるでしょうから、おそらくは明後日になるであろう公示を楽しみに待ちたいと思います。
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