電脳筆写『 心超臨界 』

真実はつねに刺激的 だから真実を語れ
真実のない人生では退屈である
( パール・バック )

かけがえのない家族 《 親の足を洗う――北川八郎 》

2024-09-08 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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  世の中でいちばん大切なものは家族と愛
  ( ジョン・ウッドン )
  The most important thing in the world is family and love.
  ( John Wooden )


◆「親の足を洗う」入社式

「三農七陶」連載(44) 北川八郎・陶芸家
『致知』 2007年6月号 ●特集●切に生きる )

今年は桜の花が咲くのがいつもの年より早い。暖かくなったり寒くなったりしながらも、東京の桜が一番早く、3月の20日に開花宣言がなされた。さらに21日には福岡や熊本や大阪等、各地で桜の花が咲き始めた。

そんな春の日に、四国の松山のある小さな会社の入社式に呼ばれた。私は楽しみにしていたのだ。実はそこの会社「ペーニュ」では、「両親どちらかの足を湯で洗う」というテーマで、新人社員全員の宿題として足を洗ってもらった親と、洗った新人社員の感想を一人一人発表するというのが入社式の式次の一つだからだ。新人社員は男女合わせて10人、全員20歳だという。なかなか普通にはない感動の入社式であったから報告したい。

まず足を洗ってもらった親の感想文から抜粋して紹介してみよう。母親から次のような感想があった。

「子供の頃は私が足を洗ってやりましたが、その反対をするのはお互いに恥ずかしいものです。親はいつまでもおやですから。でもそれを嫌がらずに『さあしよう』とやり始めた時、明日から社会人としての生活を一生懸命取り組んでいこうという子供の気持ちを汲(く)み取ることができました」

「今回このような機会をいただき、初めて子供に足を洗ってもらうことにしました。背中と違い足を洗ってもらうことはなんだか申し訳なく、幼い頃、一緒にお風呂に入り背中を流し合って一日の出来事を話し合ったことがよみがえりました」

「入社式の案内を読んだ時は少し驚きましたが、奉仕の原点がそこにある。確かに納得。温かいお湯を入れた洗面器に足をつけ、気持ちまで温まる思い。それ以上に大きく成長した息子の手で優しく洗ってもらう。これが最初で最後だという思いと少し気恥ずかしい思いの両方でした。会社からの提案がなければ絶対にあり得ない良い思い出に感謝します」

「娘に足を洗ってもらうなんて感動でした」

「足を洗うと聞いた時、なぜ? と不思議に思い、照れくさいやら、気の毒やら複雑な気持ちでしたが、子供の新たなる出発の起点として受け止め、洗ってもらいました……。まだまだ半人前で、皆様へご迷惑をかけることがあると思います。足洗いというこの心遣いを、入社行事にしている仕事場に勤めさせてもらえることに親として感謝しています」

また父親からは

「今回息子に足を洗ってもらうことに、始めは抵抗がありました。長い間二人で会話をしていませんでしたので、どう話したらいいのかと悩みました。しかし子供に『オヤジの足ほそくなったなぁ』と冗談半分で言われ、心がほぐれ始めました。今回のことで、久しぶりに息子と話す機会をつくっていただきありがとうございます。ご迷惑をかけると思いますが、見捨てることなく、息子をどうぞよろしくお願いします」とあった。

親の子を思う心情に私の心は揺り動かされ、涙してしまう。一方の子供たちの反応はどうだろう。少し長くなるが紹介したい。

20歳の女の子である。

「洗い始め、恥ずかしさからお互いに戸惑いがありました……。母の足を洗うことは初めての体験で、人の足を洗ったこともありません。片足を洗わせてもらい、次の足を洗い始めた時、両親は幼い頃にどういった思いで私をきれいにし、育ててくれたのだろう。私は両親に親孝行できていたのだろうかと思いました。これから両親への感謝の気持ちを込めて、しっかり親孝行しようと思います」

また別の女の子からは

「初めこの宿題が出た時、あぁーはずかしいなぁと思いました。しかし、洗い始めると恥ずかしさも吹っ飛び、ありがとうを心でつぶやきながらお母さんの足を洗っていました」

とあった。

男の子の感想には

「親の足を洗うことは恥ずかしい気持ちでいっぱいだったが、洗っているうちに親への感謝の気持ちに変わっていきました。親の足を見て、20年間わがままばかり言って迷惑をかけたと思いました。これからしっかり自立し、いままで一生懸命育ててくれた両親にその恩を返す番だと思います」

や、

「親の足を洗うのは初めてで、少し戸惑いがありました。初めに父の足を洗っている間、恥ずかしさがなんとなく伝わり合いました。次に母の足を洗いました。母は『恥ずかしい』とずっと言っていました。両親に感謝し、これからの新生活を頑張りたいと思います」

とあった。

別の子からは

「今回親の足を洗うと聞かされ、照れくさくてこんなことはできないと正直思いました。父の足を洗っているときは照れくさくて話せませんでした。いままでこんなに父より大きくなるまで育ててくれたことに感謝しています。悪さばかりして迷惑のかかる子供ですみませんでした。今度会ったときは、ちゃんと面と向かってありがとうを言いたいと思いました……」

等、親も子も足を洗うだけでこんなに心が開かれるのかと、足を洗う重さをつくづく感じた式でした。

またその後、先輩社員全員が何日もかけて練習したという「ジュピター」という曲の合唱がとても温かく、こんなに心に響いた入社式にはいままで出合ったことはない。

ちなみにこの会社の理念は、「いい仲間といい仕事のある会社。人々から、いい会社に入ったといわれる自慢の会社。人々からありがとうと言ってもらえる仕事ぶりを目指す会社」というふうに、社員も会社も人格を高め、成長できることを目指しているという。だんだんいい会社が増えてきて、嬉(うれ)しい限りだ。
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