電脳筆写『 心超臨界 』

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( パール・バック )

不都合な真実 《 理容室「謎の洗髪台」――原英史 》

2024-08-30 | 05-真相・背景・経緯
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多くの自治体で「理容室である以上、必ず洗髪台を設置しなければならない」との規制が、この10年ほどで急速に広まった。表向きの説明は「衛生上の観点から必要」だ。もちろん、実際には使われない千円カットにも洗髪台を求める理由にはならない。本音は、伝統的な理容室を守るため、千円カットの店舗スタイルを否定しようと、政治・行政に働きかけた結果だ。


◆理容室「謎の洗髪台」――原英史

『岩盤規制 ~誰が成長を阻むのか~』
( 原英史、新潮社 (2019/3/14)、p32 )

岩盤規制の構造は、さまざまな分野で共通している。裏に利権があり、これをもっともらしく聞こえる屁理屈で覆い隠す。

例えば、「理容室の洗髪台規制」もそのひとつだ。まちによくある千円カットの店では、地域にもよるが、バックヤードに謎の洗髪台が置かれている。利用経験者ならご存じのとおり、千円カットの店では、洗髪はしない。髪の切りくずは掃除機のような装置で吸い込むので、洗髪台は全く使われない。それでも置かれるのは多くの自治体で「理容室である以上、必ず洗髪台を設置しなければならない」との規制が、この10年ほどで急速に広まったためだ。

表向きの説明は「衛生上の観点から必要」だ。もちろん、実際には使われない千円カットにも洗髪台を求める理由にはならない。本音は、伝統的な理容室を守るため、千円カットの店舗スタイルを否定しようと、政治・行政に働きかけた結果だ。

まえがきでもお話ししたが、「医薬品のインターネット販売規制と顔色」の話も有名だ。医薬品のインターネット販売規制は一部緩和されたが、処方薬や効果の強い医薬品は今もインターネットで買えない。どんなに具合が悪かろうと、薬局で薬剤師さんと顔を合せなければいけない。

表向きの厚生労働省の説明は、「薬剤師さんが店頭で顔色などをみて、副作用などを注意する必用があるから」だ。しかし、これも屁理屈に過ぎない。本音は、ここでもまた、古くからある街の薬局を守るため、政治と行政が結託した結果だ。

この「顔色」の話は、役所の屁理屈の典型例として、私はあちこちで紹介してきた。特別な事例と思われるかもしれないが、規制改革推進会議も特区WGも、こんな議論ばかりだ。最近も、全く同じ議論が、クリーニング業で繰り返された。

クリーニングに出す衣類の受け渡しは、現行規制では原則、店舗のカウンターで行わなければならない。受け渡し用のロッカーの利用など、利用者にとって利便性の高まる工夫の余地は本当はいろいろある。しかし、現状ではごく部分的にしか認められない。

根拠は、またしても「顔色」だ。つまり、感染症などのおそれのあるときは仕分けて別に処理する必用がある。カウンターで持ってきた人の顔色をみれば病状が判断できる、という。言うまでもないが、クリーニング店の店員にふつうは医療知識はない。また、衣類を持ってくるのは本人と限らない。本人が来るにしても普通は病状が少し収まってから来るだろう。

会議でこの説明をした厚生労働省の担当課長に、さすがに「ご冗談かと思いますが……」と確認してみたが、真面目に説明していたらしい(2018年3月9日 規制改革推進会議第2回専門チーム会合)。屁理屈をこねようにも、それぐらいしかこねようがなかったのだろう。もちろん、これも本音は、伝統的なクリーニング店を守るため、政治・行政が結託した結果だ。

こうして、岩盤は守られている。
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